一般質問は四日目に入りました。質疑に対する知事から企業誘致に関する答弁がありました。内容は知事に就任してからの11年間で181社の企業誘致の実績の報告がありました。この数字は成果として素晴らしいもので、それ以前と比較しても格段に高い事績になっています。
しかしその陰で、和歌山県として一年間に1000社以上の企業を訪問していることや、知事自ら訪問している場合もあり、その取り組みが成果として表れていることが実績に結びついているのです。
つまり分子の数字を高めようとした場合、分母の数字を高くしなければならないということです。分母がそのままで、分子の数字だけを高めようとすれば、実績を上げるのは相当厳しくなります。それよりも分母の数字を高めることに力を入れることが実績を上げるための方法として優れていると思います。
この実績に現れない取り組みが実績につながっていることを再認識し、どの分野にも通じることだと思いました。
参考の数字ですが、企業誘致に伴う成果として地元雇用が2,436人、転入者数は138人となっています。企業誘致していなければなかった数字なので、実績として凄いものがあります。この企業誘致に代表される県政の取り組みを更に推し進め、県土発展につなげていきたいと考えています。
議会の合間に「みなべ・田辺地域世界農業遺産促進協議会」が開催されました。この世界農業遺産の保全を活用するための取り組みと平成30年度の活動計画の確認を行いました。
新年度は第5回東アジア農業遺産学会を和歌山県内で開催することが決定しています。ここには中国、韓国、日本国内の農業遺産研究者と関係者、約300人の参加を予定しています。また世界農業遺産推進シンポジウムの開催も計画しています。
これも、みなべと田辺が世界農業遺産に認定されてからであり、この地域資源を生かすことで地域振興と国内外への梅の消費拡大につながることになります。和歌山県の産品の販売拡大に向けた取り組みを継続していきます。
外国人観光客に向けた情報発信について協議を行いました。欧米からの観光客は基本は長期滞在です。日本まで観光に行くのだから、長くいる傾向があります。関西に行く場合、大阪や京都をベースとして、「一日あるから高野山にも行こう」という判断をしていることもあるようです。そのため難波から高野山に日帰り、または宿坊に宿泊してまた難波に戻るという旅行パターンがあり、なかなか和歌山市内まで来てくれないようです。
ただ問題は欧米に対する情報発信力にあり、高野山は知られているけれど和歌山市の観光情報が届いていないため、和歌山市に行くという選択肢がないようです。そのため和歌山市まで呼び込むためには、和歌山市の情報を事前に届けることが大事なことです。事前に和歌山市の情報を届けておかないと、日本に来る前に旅行行程を決定してしまうので、日本に来てから和歌山市の情報を得たから「和歌山市に行こう」と思わないと思います。
自分がヨーロッパの都市を訪問する時、事前にある程度のコースを決めておくため、余程のことがない限り、現地で知ったから「この都市に行こう」という判断はしないと思います。外国人も同じなので、旅行前に和歌山市の情報を届けておく方策を検討する必要があります。日本の各都市に誘客した実績のある方々からの意見を基に、和歌山県や和歌山市に来てもらえる情報の届け方について協議を行いました。