活動報告・レポート
2018年2月12日(祝・月)
議会報告

集会へのお誘いをいただき参加して議会報告を行いました。今日報告した話の主旨を記します。

こんにちは。現代社会に生きている私達は今の民主主義が当たり前だと思っていますが、一体いつから現代の民主主義が始まったかをご存知でしょうか。民主主義の始まりは遠い昔のことではなくて1789年のフランス革命が起源となっています。それまでのフランスは王政だったので、多くの人に人権はありませんでした。国王が気に入らなければ追放されることや領地を召し上げられることもあり、時には命を失うこともあったと思います。王様だけに権力があり、民衆は国王の意に従うだけで人権はなかったのです。

そこで起きたのがフランス革命で、そこでフランス人権宣言が発せられ、民主主義が起きることになったのです。今からわずか229年前のことです。民主主義が当たり前ではなく、それ以降人権は生まれながらにして人に与えられている自然権として認められることになったのです。

民主主義が変わる過程のことをマグマのようなものだと例えられることがあります。地上に暮らす私達には地底にあるマグマの動きは分かりませんが、高熱を帯びたマグマは地底を流れています。時間を掛けて流れているのですが、それは地表に出ることは稀なことです。しかし何かの変動があるとマグマは地表に噴き出すことがあります。民主主義とはそんな動きをするものです。フランス革命でも明治維新でも、何もないところで突然発生したものではないと思います。何もないところに変化は起きません。フランス革命でも明治維新でも、民意はマグマのように高い熱を帯びて動いていたのです。外には分からないように。そして時期を待って一気に噴出することになったのです。

現代社会も民意の動きは全く同じです。突然、何かが起きるのではなくて高い熱を帯びた人の思いと行動が長い時間を掛けてエネルギーとして溜まり、それが何かの拍子に噴き出すことがあります。それが社会の変化なのです。政治はマグマのような動きを作ることだと思いますが、そのためには人と会うこと、話をすること、情熱を持ち続けることなどが必要となります。

このように時代は突然変わるものではないことを知っておかなければ、今行動していることが「やっていても無駄なんじゃないかな」、「成果が現われないから止めようかな」などの思いが沸き起こります。しかし熱意がある限りマグマは動いているのです。

明治維新で社会が一気に転換したように思いますが、廃藩置県が行われたのは明治4年であり4年間は混沌とした社会であり、緩やかに社会のしくみが変化していったと思います。後の時代の歴史検証で明治維新が境となり時代が変わったとなるのですが、当時生きていた人達は、統治者が変わったけれど社会はゆっくりと変化していると感じていたと思います。

参考までに明治2年に全国に先駆けて和歌山藩が誕生し、和歌山藩の成果検証を経て、政府は廃藩置県へと向かったのです。和歌山藩になる前は紀伊藩と言われていました。

このように時代はマグマのような動きをします。現代も歴史の中の流れなので、民意はマグマのように動いているのです。

憲法の話をしようと思っていましたが、憲法制定前に至る時代の話で終わることになりました。しかし民意の動きについて少しは理解してもらえたと思います。

地方の政治家であっても時代の大きな流れを鳥瞰できることが大事です。歴史の流れを知り、その中で地域社会の課題に取り組むことが大事ことです。地域の課題だけに向き合っていると時代とのズレに気付かなくなりますし、大きな流れを知らなければ小手先を駆使するだけの政治家になってしまいます。憲法と法律、経済や経営のことも含めて時代の流れを知った上で県政や市政の課題に向き合うことが大切な視点となります。

そして思いを持って今やっていることは無駄ではない。そう思って私達がこの社会を変えていく力の源泉になりたいと思います。

皆さんに感謝しています。ありがとうございます。

以上の主旨の議会報告をさせてもらいました。皆さんから「分かり易い話でした」、「勉強になりました」などの意見を聞かせてもらいました。