活動報告・レポート
2018年2月10日(土)
関西広域連合議会
関西広域連合議会全員協議会

関西広域連合議会全員協議会が開催されました。今回は3月の定例会提出議案と報告事項の説明です。議案は平成30年度関西広域連合一般会計予算と平成29年度関西広域連合一般会計補正予算、条例変更案などとなります。

今回で関西観光・文化振興計画の変更案があります。計画策定以降に大きな変化があるためです。ラグビーワールドカップ2019、2020年の東京オリンピック、パラリンピック、ワールドマスターズゲームズ2021関西など、大規模な国際スポーツイベントが開催されることもあり観光行政にも影響を与えることになります。

また平成29年3月に文化庁が関西へ移転していますし、関西への外国人観光客は平成24年の836万人から平成29年は2,869万人に急増していることからも、現状に合わせて計画を変更する必要が生じています。

そのため関西広域連合の目指すべき将来像は、「アジアの文化観光首都の地位の確立」としています。

この目標として2020年の東京オリンピック・パラリンピックの年に、関西により多くの外国人観光客に来てもらうこと。関西を広く周遊し滞在してもらうことを目指すことにしています。

2020年の目指すべき訪問率は、関西への訪日外国人訪問率を45パーセント。同旅行者数を1,800万人とします。宿泊者数は3,700万人を目指し、旅行者の消費額を3兆円と目標に定めます。

2020年以降は2025年の国際博覧会の大阪への誘致と関西決定後の誘客について考えること。そしてIR実施法の内容を踏まえた広域的な観光振興を図ることが目指すところになります。観光施策は継続的な取り組みが必要であり、2020年から2025年までの工程管理をしながら関西広域の観光振興を目指します。

関西広域連合議会全員協議会

そして関西観光振興の課題です。外国人観光客は関西で増加していますが、実にインバウンド消費の約90パーセントが大阪と京都に集中していることです。これを関西全体に波及させることが大きな課題です。今日の議論の中で、京都は外国人観光客が増加し過ぎて、観光地の生活に影響を与えているという提言がありました。観光バスの増加に伴う道路の渋滞や大きなキャリーバッグを持った外国人が道路を歩くことから生活環境に悪影響を与えているというものです。「これ以上外国人観光客に来てもらうと大変なことになる」ということなので、何としても関西全体に分散化を図りたいと思います。

そのため外国人観光客には、都市部だけではなくて関西全体を周遊してもらうことが必要なので、関西観光・文化振興計画の変更を行い、都市部に集中しないで関西全体を周遊する計画にする必要があります。

和歌山県にとって好材料であり、和歌山県内にも外国人観光客が増加していますが、関西全体で占める割合は相当低いので、今後さらに高めていくための外国人観光客対策に取り組みたいと考えます。

ただ香港では3.5人に1人、台湾では5人に1人が日本を訪れているなど、今後は団体観光でなはなく個人観光に向けた受け入れ態勢を整える必要が出てきています。個人観光客は専門的な考え方で観光地を選択する傾向にあるため、関西のそれぞれの地域の魅力を発信することが求められることだと思います。

このように関西広域連合に参加して良いところは、関西全体の現状を知れることと動きが把握できることにあります。外国人観光客の動向と今後関西全体へ周遊を波及させることについてもいち早く動向把握ができることから、和歌山県の観光について考えることができます。和歌山県単独の考え方ではなく、関西の中の和歌山県のあり方を考えることで、観光客増加と消費増につなげることができるので、その観点を持ちたいと考えています。

関西広域連合議会全員協議会では災害対策や医療などに関しても議論が及びましたが、ここでは今後の外国人観光客対策について取り上げました。