活動報告・レポート
2018年2月7日(水)
和歌山ダルク
和歌山ダルク

和歌山ダルクは薬物依存症の方の回復施設であり、社会復帰を目指すためのプログラムを実践している一般社団法人です。和歌山ダルクの特長は、母子で入寮できる回復施設であることで、これは全国で和歌山県だけの施設となっているところです。

代表理事は島田さんですが、ここに池谷太輔さんが加わっています。池谷さんは、先月、海南市立巽中学校で薬物乱用防止の講演をしてくれた方で、今回はそれ以来となります。

池谷さんは月曜日から金曜日まで「リカバリー・ダイナミクス」と言う薬物から回復するための12ステップあるプログラムの講義を行っています。

和歌山ダルク

今日も入居者の方々が早期に社会復帰できるよう丁寧に講義をしていました。入居者の一人の方は「このブログラムを受講して心の状態が変化していることを実感しています。先日こんなことがありました。道を歩いていたところ、後ろから来た自転車に接触されて転倒してしまいました。怪我はなかったので、私は自転車の人に対して『大丈夫ですよ』と伝えました。事故にならない対応をしたのです。以前の私だったらこんな事故に遭遇した場合、相手に対して文句を言う、汚い言葉で『どうしてくれるんだ』など補償をもらうような話をしていたと思います。今回、おとなしく相手に対して『大丈夫だから』と自然に言ったことを、自分でも驚いています。このプログラムを平成29年11月から受講していますが、その結果の内心の変化だと思います。社会復帰につながるものだと感謝しています」と話してくれました。

薬物依存症から回復するためには意識を変える必要があります。意識が変わると行動が変わりますから、今後薬物に依存しないようになることが期待できます。

薬物依存症から脱却するためには環境を変えること、つきあう人を変えることが条件だと思います。

僕からは、「同じ環境、同じ友人とつきあっていると、逃れられないのでどうしても再犯率が高くなると思います。もしここを退去する時期が訪れたら、これまでつきあっていた人と会わないように環境を変えて下さい」と伝えました。

続けてこの方は「刑務所に入っていましたが、受刑者の半数が薬物で刑務所に入っています。それほど多いのですが、問題は再犯率の高さにあります。二度、三度と繰り返すことが問題で、社会復帰のためのブログラムを充実させて欲しいと思います」という意見を伝えてくれました。

ところで池谷さんは「薬物依存症に陥ると季節に感動しなくなります。寒い、暑い、というだけで季節感がないのです。つまり生きている実感がなくなります。しかし脱却すると春夏秋冬を感じることができるようになります。四季を感じられることの喜びを味わえることが幸せだと思えるようになります」と話してくれたように、当たり前に感じることが感じられないのが薬物依存症の怖さであり、一人では脱却できないものだと思います。

和歌山ダルクでは薬物依存症の人のための回復施設を所有しており、社会復帰のためのプログラムを実践しています。

さて薬物依存症対策の課題はたくさんあります。薬物依存症の人で生活保護を受けている人もいます。和歌山ダルクに通所して社会復帰を目指したいと思っても、通所費用は生活保護費の適用外だそうです。仮に生活保護費が月に10万円の支給だとすれば、通所費用に必要な3万円を捻出することはできませんからプログラムを受けるための通所ができないことになります。大阪府淀川区では薬物依存症を回復するためのプログラムを受講するための必要な支給をしていると伺いました。他の地方自治体の実態調査をしてみますが、和歌山市から始めて欲しいところです。

薬物依存症の方の支援を実践している和歌山ダルクの活動を支援できる和歌山県でありたいと思います。

ダメゼッタイライブ

和歌山ゴールドライオンズクラブ主催の「ダメゼッタイライブ」に出演してくれるパネラーの方と打ち合わせを行いました。ライブハウスの雰囲気を見ながら進行することにするため、細かなシナリオではなく現場に応じた話し合いをすることにしています。薬物乱用防止を呼び掛けるライブ開催は初めてのことなので、実施できることを嬉しく思います。