活動報告・レポート
2018年2月1日(木)
行政改革・基本計画等に関する特別委員会視察三日日
芝公園イワタニ水素ステーション
水素ステーション視察

三日目は芝公園にあるイワタニの水素ステーションの視察です。ここでは水素ステーションの設置と共にトヨタ自動車「ミライ」の展示があり一歩先を行く未来のエネルギーが実際に使われている様子を見ることができました。

水素ステーションはイワタニが稼働させていて、既に一日20台から30台の「ミライ」が水素の供給に来ているようです。丁度、視察をしている時に二台の「ミライ」が水素ステーションに来るなど、都内では水素カーが走行している様子が分かりました。但し、ほとんどが官公庁の公用車だそうです。

さて水素ステーションの設置費用は約2億円ですから普及させるにはコスト削減と補助制度が必要で、水素ステーションを増加させることが水素カーの普及につながることになります。地方都市では水素ステーションが少なく、関西では和歌山県と奈良県には水素ステーションが設置されていません。ですから「ミライ」に乗車したいと思っても、乗れない状況にあります。

水素ステーションに設置されている水素タンクで300台分の水素カーに水素を供給することが可能です。「ミライ」の場合であれば、一回当たりの供給量は5kgで、1kgの水素単価は1,100円となっています。一回当たりの価格は5,500円であり、走行距離は約650kmだそうです。

水素ステーション視察

水素のエネルギーとしての優位性は次の通りです。

地球上に無限に存在していること。二酸化炭素を排出しないエコエネルギーであること。電気エネルギーと違って貯蔵と輸送ができること。コスト削減と安全性の確保ができれば、人類エネルギー問題から解放してくれる可能性を秘めたエネルギーだと言えます。

ここで聞いたことは「水素の利用はまだまだ先の未来のことになります。しかし誰かが一歩を踏み出さないことには実用化されることはありません。普及と採算性を考えると利益をあげることはありませんが、未来のエネルギー確保のために取り組み始めています。100年後、200年後の人達のために、今、開発に着手しなければならないのです」と言うことです。

現在利用しているエネルギーも大事なことですし、未来のエネルギーを安定させることも大事なことです。エネルギー関連事業者は現在と未来を考えた企業活動が求められていると思います。

ここで見た水素カーの「ミライ」が走行している光景は、確かに未来を感じさせてくれるものでした。未来を切り開くためには、技術力、挑戦する心、コストが必要です。これらの課題に果敢に挑んでいる姿を頼もしく感じることができ、未来を見据えている姿勢がありました。この水素ステーションでは、未来を提供する仕事に携わっている企業の思いが伝わってきました。

水素ステーション視察

そして和歌山県のこと思うと「未来のエネルギーといっても直ぐに導入は叶わないだろうな」と思いました。関西広域連合では全国で最先端を行く水素エネルギーの普及を目指していますが、今回のように水素エネルギーの利用が形になっている都内の状況を見ると、後れを取っていると思わざるを得ませんでした。

水素エネルギーは、地方自治体とエネルギー関連企業が協力すれば普及させることはできると思います。関西広域連合は日本最大の自治体なので、本気で取り組むべき課題であると、今回の視察で更に認識しました。

今回視察から得たもので、未来のエネルギーである水素エネルギーに弾みをつけたいと思います。

三日間の視察で「線虫」を使ったがん早期発見の研究、水素エネルギーの活用、空気圧縮のエネルギー貯蔵システムなどの先進技術を直接見ることができました。今後の活動に生かせるような地域社会の基盤づくりに取り組みたいと考えています。