お箸の置き方の話を聞かせてもらいました。「日本ではお箸を料理の手前、横に置くのが一般的です。その理由を知っていますか?」と話がありました。
その理由は、お箸から手前が現世、つまり生きている自分が存在している場所を表しています。
お箸から向こう側が自然界を示しています。見えない自然界の空間なのです。つまりお箸をのばして自然界のものをいただいているのです。自然界のものとは動物や魚、植物などの命であり、人は命をいただいて生きる存在なのです。お箸の位置はそのことを表しているもので日本人の自然界崇拝、命の有り難さを教えてくれています。
日本食の作法の奥深さを感じる話を聞かせてもらいました。和歌山県の人は熊野古道が自然信仰の聖地であり、自然を守ることや時には畏怖の存在であることを知っていますが、日本の伝統から日本人の自然崇拝が生活の中に行きわたっていることが分かります。
今後はお箸を常に料理の手前、横に置くように、その置き方に気をつけることになります。
関西広域連合議会全員協議会が開催されました。関西広域連合に関わる協議、報告と共に、東京大学大森先生が二元代表制について話をしてくれました。言うまでもなく地方自治体は首長と議会の二元代表制を敷いています。そのため二元代表とは、県で言うと知事と議会が両輪でそれぞれが理事ということです。首長と議会の理事が政策を実行することが地方自治の原則で、職員さんは補助理事という立場で、理事の職務を補佐する役割を果たすことが求められています。これは憲法が定めた住民自治の原則であり、日本国憲法が制定されてここに条文化されているものです。日本国憲法制定以前は、地方自治体の条文はなく、首長は国の官吏で都道府県に派遣されていたことから、地方は国の直轄だったと言えますから、そこに住民自治は存在していなかったようです。日本国憲法の中で地方自治が条文化されたことで二元代表制が実現していることから、首庁は直接選挙、議員も直接選挙によって選ばれているのです。当たり前のようなことですが、制度化されたのは現行憲法制定以降のことなので、古い制度ではなく新しい地方自治の制度に基づいて地方自治体の意思決定がなされているのです。
ところで地方自治体の執行権は知事が持っていますから、議会は議論して提言を採用してもらうか承認するかの役割のように思われています。しかし理事は知事と議会だけですから対等であり、中でも地域を回り、意見を聞くなど民意を知っている議員が政策立案に関わることが健全な二元代表制なのです。
議員がこの二元代表制の下で政策立案の役割を担うためには、議会で発言することが必要条件です。時に全く一般質問をしない議員がいますが、それは二元代表制での議員の役割を否定しているようなもので意味がなくなります。
活動の評価が難しいとされる議員ですが、有権者から寄せられる「見えにくい議員活動の評価をすべきだ」と言う意見に答えるのは、本会議で一般質問をしているかいないかが回答になるということです。議員活動の成果を測る尺度が難しいため、議会での一般質問の回数が尺度になるものです。二元代表制の一翼を担う議員は一般質疑をすることで、その役割を果たすことになります。
関西広域連合議会でも各府県議会でも議会の責任を担うためには、本会議や委員会で発言することが必要条件となります。議員が政策立案の役割を担うことが二元代表制の本質です。
今回のように、関西広域連合議会に出席して学ぶことがたくさんあります。ゴールのない活動は大変ですが、行こうと思えばどこまでも行けるのでやり甲斐があります。