関西広域連合議会の防災医療常任委員会が開催されました。今回の審議案件は、「関西広域救急医療連携計画(中間案)」と「広域職員研修局事業概要」についてです。この二つの案件は、次回の関西広域連合議会本会議で提案される予定なので、審議を担当する常任委員会で提案を受け議論を交わしました。
広域医療は徳島県が担当しているので、飯泉徳島県知事から提案を受けました。とても丁寧で分かり易い説明だったので理解が深まりました。
広域救急医療連携計画は三つの柱で構成しています。
1.平時の広域救急体制を充実させること。
現在、府県間を超えたドクターヘリを運行させていますが、鳥取県もドクターヘリを導入することから関西広域連合では7機のドクターヘリを有することになります。関西広域連合による一体的運行を図ることで、30分以内での救急医療提供体制を構築することができます。
平成28年度のドクターヘリの実績は、6機合計で4,062回も運行しています。これは全国第一位の運行回数であり、広域医療体制を確立させ充実していることが分かる数字です。
参考までに和歌山県のドクターヘリの運航回数は452回で、一日に換算すると1.2回となります。和歌山県のドクターヘリがカバーしている範囲は、和歌山県、大阪府、奈良県、三重県の一部と徳島県の一部となっています。
2.災害時の広域医療体制を強化すること。
災害発生時に広域による実践的な医療救護活動を図るために災害訓練を実施し、災害対応力を強化しています。平成29年7月29日には、南海トラフ地震を想定して大阪、兵庫、和歌山、三重の合同で実施しています。
3.課題解決に向けた広域医療連携体制を図ること。
これは薬物乱用防止対策を実施しているものです。危険ドラッグ対策については関西広域連合に参加している全ての府県で条例を制定しています。これは全国に先駆けて実施したもので、薬事法の改正につなげることになりました。
関西広域連合管内で危険ドラッグを撲滅するため府県を超えた連携体制で取り組んでいます。その成果として、関西広域連合管内の府県では危険ドラッグの販売店を撲滅させることが出来ています。しかし危険ドラッグの流通はインターネット販売などで流通しており、引き続いての警戒が必要なことに変わりありません。そして若年層で乱用者が増加していることが課題となっています。
危険ドラッグに関して徳島県知事の飯泉委員と質疑を交わしました。
- 危険ドラッグは各府県で条例を制定して撲滅に向けた取り組みをしています。関西の各府県で条例を制定して販売店をなくしたように締め出していることは評価できます。しかし近年はインターネットでの販売が増加しているようで、しかもアロマや芳香剤などの名称で販売されているようです。 若年層を危険ドラッグから守るためには、これらを取り締まることが必要です。そこに対応することが必要です。
- 危険ドラッグ防止の条例を制定したことで危険ドラッグの入手を防止できるのでしょうか。どんな規制が可能となっているのでしょうか。
- 府県の職員さんに対して危険ドラッグ防止のための研修を実施しています。僕も研修会に参加したことがあり有益だと感じています。ただ研修を受講しても知識を得ただけで実践できるものではありません。実践してこそ研修の成果があったと言えるので、研修をした結果の成果について聞かせて下さい。
以上の内容に関して飯泉知事と議論を交わしました。徳島県知事の回答は丁寧で前向きに薬物乱用防止を図ろうとする意思が伝わってきました。政策を進めていくためには専門知識だけではなく気持ちが入っていることが大切だと思います。飯泉委員の答弁から、専門知識の豊富さと強い意思を感じました。
関西広域連合議会は構成府県の知事が委員になっているので、担当分野によって担当委員が出席することになっています。各委員と議論を交わすことはとても有意義で勉強になります。
関西広域連合は各府県によって背景や文化が違いますから、異なる価値を各委員が持ち込み新しい価値を創造していることが素晴らしいと感じています。