和歌山県内の自治会の会長から、10月に到来した台風21号による地域の被害の状況を聞かせてもらいました。自治会内の約70軒の家屋が床上、床下浸水の被害に遭い、自動車の浸水も数台あったことの報告を受けました。位置している市からは見舞金の支給もありましたが、その金額に遠く及ばない程の損失があり、その後の生活に影響していることも聞かせてもらいました。
また台風21号が和歌山県内に影響を与えた一時は衆議院総選挙投票日と重なったこともあり、この自治会では投票と避難行動を取った人がいました。投票所となっている施設が避難所に指定されていたことから、避難勧告が発令された直後から投票所に避難者が増え始めた状況だったようです。投票所で立会人を務めていた自治会長は避難者の姿を見て、「自分は今、持ち場を離れることはできないけれど避難者を少しでも支援したいと思いました」と話してくれました。
そこで市役所から避難所に来ていた職員さんに「避難してきた皆さんは避難勧告が発令されたので慌てて避難所に来ています。寒い状況下にあり、お腹が空いていることもあるので、せめてパンやおにぎりなどの支給をお願いできませんか」と依頼をしました。若い職員さんは「そうですね。上司に頼んでみます」と言って、その場から電話をしてくれました。ところが上司の判断は「避難所に来る人は身支度を整えてから避難することになっています。パンなどの食べ物は自分で持ってくるか買ってもらうように」という回答だったようです。
この結果報告を受けた自治会長は「避難勧告を出した場合、命を守るために避難行動を起こしている人に対して、パンなどの食料品を持って避難すべきとは、どういう考えに基づいているのか」と伝えました。避難勧告を受けてゆっくりと逃げる準備を整える人は少ないと思います。とにかく安全な場所に逃げることが、避難者がその時に考えてすべきことです。
台風21号の雨風の中、避難者に「食べ物は自分で準備すべきものなので買って来なさい」と言える人がいることに驚くばかりです。
自治会長は市役所の対応に怒り、「それなら私が買ってきます」とパンなど人数分の食料を買ってきたのです。避難者のために緊急事態なので個人で買ったものですが、この行動で避難者は空腹から救われたのです。
後日、自治会員さんから「避難勧告時に避難所で避難者のために買った食料品は、共助だから自治会で負担したら良い」と決議をもらったので、結果として避難者のための食料品は自治会費で負担することになりました。しかし厳密に言うと避難所には当該自治会の他の自治会も避難する施設となっていることから、当該自治会員以外の避難者もいたのです。その避難者の方に支給した食料品代も当該自治会が負担したことになりました。
広域の人が避難場所に指定している避難所を開設した市役所が費用負担しないで、たまたま選挙の立会人をしていた自治会長のいる自治会が費用負担をする結果になっていることに対して納得性を感じられません。
後日、市役所にこの時の状況を説明するために訪問したのですが、市役所から回答は得られていない状況になっています。
果たしてこのような避難所の運営で良いのか、緊急の場合の市役所の対応は間違いないと判断して良いものなのか。考えさせられる事例であり、当該自治会は「災害が発生した時に市役所の指示通りに行動して良いのだろうか」と不信の声が上がっていると聞かせてもらいました。
台風21号の被害状況と対応については、平成29年12月県議会で一般質問をする予定なので事例として取り上げたいと考えています。
「片桐章浩を応援する会」主催の議会報告会を行いました。そして今回が記念すべき第60回目の開催となりました。第一回目の平成23年12月に開催してから6年が経過しています。60回の議会報告会と清掃活動やイベントなどを含めると約70回の会合を実施していることになり、改めて継続する力を感じました。
主催者からは「60回も続けて来られたのは片桐さんが毎月、講師として来てくれているからであり、参加している私達も片桐さんの人柄に親しみを持っているからです。毎月一回の議会報告会を実施している会はそれほど多くないと思いますから、続けて来られたことを嬉しく思います」と挨拶がありました。
そして事務局を担当してくれているHさんからは「60回も続けられたことは凄いことだと思います。途中、この会の会長が死去されたことがあり、『この先、どうして続けていこうかな』と不安になった時期がありましたが、見事に乗り越えて来ることができました。故会長も喜んでくれていると思います。そしてこれからも続けて行きたいと思います。片桐さんも続けていって欲しいと願っていますし、私達もいち早く県政の動きを知る大切な機会ですので継続したいと思っています。60という数字は人で例えると還暦であり、次のサイクルに向かう節目の数となります。61回、70回、80回へと続くことになりますので、これからも皆さんの参加をお願いいたします」と挨拶をしてくれました。
60という数字の大きさと長さを感じることができました。60回も続けることは簡単なことではありませんから、この数字を自分達のものにできたことを誇りに思います。
この議会報告会は、県民の皆さんの安心と安全、平和と豊かさを実現するために思いを伝え、行動につなげようとするものです。祈りの力と行動の力が合わさると、社会を変える力になります。思いと話を共有して行動の起点になれることを期待しています。
さて60回目の議会報告会で説明した項目は次の通りです。
- 和歌山市の人口動態と人口減少の原因、そこから見える課題について。
- 県外進学率の高さと県内に留まってもらうための大学誘致について。
- 和歌山市中心市街地の再開発による定住人口増と交流人口増を目指すことについて。
- 和歌山市の話をするためのトピックスについて。和歌の浦の日本遺産認定、友ヶ島の観光振興について、和歌山城を活用した観光振興について。
- 台風21号による浸水被害への対応としての河川改修計画について。
毎回のことですが、参加してくれている皆さんの真摯な姿勢と熱心な質問のお蔭で良い議会報告会になっています。60回目を迎えて信頼関係が深まっていますし、どんどん良い雰囲気になっていることを感じています。次回は61回目となりますから、次の一歩を踏み出せることが今から楽しみです。
「片桐章浩を応援する会」の皆さんに感謝しています。引き続き実施していきたいので、よろしくお願いいたします。
- 薬物乱用防止活動に関する打ち合わせを行いました。啓発活動を実施する計画を立てています。
- 和歌山県内における再生可能エネルギーの最新の状況確認と、地域の動向について聞かせてもらいました。