活動報告・レポート
2017年11月28日(火)
紀の国大学シンポジウム
和歌山フラメンコ協会

和歌山フラメンコ協会の森久美子先生と和歌山フラメンコ協会の運営について協議を行いました。これまでも活動を続けていますが、今後、更に活性化を図るための事業計画と体制の見直しについて協議を重ねました。

平成30年4月29日には伝説ふらめんこ 舞 舞台第一弾として「ねごろ伝説〜住蛇が池〜」の公演が決定しています。この事業は「文化力で和歌山再発見。和歌山フラメンコ協会が2018年より展開する新企画」と題したシリーズの第一回目の公演となるものです。

和歌山県に伝わる伝説をフラメンコで表現して回る企画で、和歌山フラメンコ協会の来年の目玉公演に位置付けているものです。

森先生と平成33年までの公演計画を話し合いました。感心することは、既に4年先までやりたいことが頭にあり、それを実現させるための路線を描いていることです。「やりたいことがあるけれど何をどうしたいか分からない」のではなくて、「やりたいことが決まっている。そこに向かう方法も描かれている」のです。経験から来るものか、前向きな性格から来ているものか分かりませんが、明確な事業計画を描いていることで思いは実現すると思います。

将来の夢を語れることは素敵なことだと思いますし、そこに「和歌山県の文化活動レベルを高め元気な県にしたい」という思いがあることを嬉しく思います。フラメンコは日本の文化ではありませんが、森先生は日本の文化と融合させた「和のフラメンコ」を生み出しているので、それは和歌山県の生んだ文化だと思いますし、日本独自のフラメンコだと思います。

いつも思うことですが、和歌山市にいながらスペインのフラメンコを味わうことができますし、「和のフラメンコ」を鑑賞することもできます。地域の文化度を高めてくれている一人が森先生だと思います。

一年に一度のペースで大きな舞台を実現させることは大変だと思いますが、夢を語る姿に接してまだまだ活動のペースは保てると感じます。

4年先まで明確にしている森先生との話し合いは、活動の元気をいただけるものとなりました。

紀の国大学シンポジウム
紀の国大学シンポジウム

和歌山大学が主催する紀の国大学シンポジウムに参加しました。現在の大学は高等教育と地方創生という二つの目的を持った存在です。知を創出することに加えて地域に付加価値をつけた地域おこしに携わり、地域を元気にさせる機能を求められているようです。

平成18年に改正された教育基本法では「大学は、学術の中心として、高い教養と専門能力を培うと共に、深く真理を探究して新たな知識を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする」と定義されていることからうかがい知ることができます。

そのため和歌山大学では、「わかやまの未来を切り拓く若者を育む紀の国大学の構築」を目指した取り組みを行っています。そこで地域志向科目として「わかやま」学群の全学選択必修化を図り、県内外の学生に「わかやまという地域に親しみを持ってもらうことを目指した授業」を実施しているのです。和歌山大学で学んだ学生は、和歌山県のことを好きになってもらい、和歌山県で働きたいと思ってくれる学生を輩出したいと考えての取り組みです。

和歌山大学と和歌山県や市町村が連携を図り、地元で働きたいと思う学生の排出と和歌山県で働ける環境整備を図り、持続的な地域発展につながるしくみを作り上げてくれることを期待しています。

紀の国大学シンポジウム

また地方創生の事例として高知県における高知大学の役割についての説明もありました。高知県の人口は約72万人ですが、高知大学には学生と教職員を合わせて7,298人が在籍しています。つまり人口の1パーセントが大学に関係していることから「高知県を変えていく力がある」と考えていると聞きました。「1パーセントの力で県を変える」思いを聞き、地域を変えていけるような力を感じました。強い思いを語ることが地域を変える力になります。高知大学が高知県を変えようとしているように、和歌山大学が和歌山県を変える推進力を持ってくれることを期待しています。

高知大学では大学の先生を市町に派遣、駐在させることで地域の活性化を共に考え行動しています。先生の役割は、「デスクにどっしり」ではなくて「地域にどっぷり」を目指しています。そしてコーディネーターとして「つなぐ」こと、研究者として「解決する」ことの両立を目指していることが実務的で凄いことだと感じました。

そして地域に派遣されている先生には目標が設定されています。その目標数値が凄いのです。

  • 地域等との打ち合わせ回数は一日一回。
  • 相談案件、課題抽出件数は一週間に一件。

このような目標が設定されていて、クリアしているのですから、先生が地域に溶け込んで信頼を得ていることが分かります。

県と地元大学との連携が地域発展に必要なことだと感じさせてくれました。高知県の県と大学との連携の取り組みは参考になるものでした。