活動報告・レポート
2017年11月7日(火)
経済警察委員会視察
南方熊楠記念館
南方熊楠記念館

経済警察委員会の視察で白浜町にある南方熊楠記念館を訪ねました。南方熊楠記念館は昨年、新しい建物が完成し旧館と合わせて南方熊楠の功績を知ってもらうことと、関係する資料の展示を行っています。和歌山県が誇る知の巨人南方熊楠は天才であるが故に生前は変人扱いをされていたエピソードも聞かせてもらいました。

時代を超えた活動をした場合、評価されないことは多々ありますが、熊楠もそんな天才の一人だったと思います。今年は南方熊楠生誕150年の年ですから、その時代は熊楠の研究を理解する時代背景がなかったかも知れません。

あの時代にアメリカやイギリスに渡り学んだ人は少なかったと思いますから、アメリカやイギリスで学んだ知識や考え方を日本に持ち込んでも中々理解されなかったと思います。勿論、南方熊楠は天才ですからものの見方や知識は違っていたと思いますが、研究や人物の評価は後世になってからになりました。

南方熊楠記念館

そんな天才の言葉があります。読むだけでは覚えない、写さなければ覚えない。と言う言葉です。熊楠でさえ知識を得るためには、覚えるためには書いていたのです。本を読むだけだったり、目で追うだけでは知識として定着しないことを教えてくれる言葉です。

南方熊楠の研究は多岐に及んでいるため今でも理解し辛いのですが、和歌山県の偉人をこの機会に学び知りたいと思いました。

南方熊楠記念館

南方熊楠記念館館長からは、故郷の偉人を知ることが故郷を知るために必要なことであり、偉人を学ぶことが教育で必要なことだと聞かせてもらいました。身近なところで目標となる人物がいることが成長に必要ことだと思います。和歌山県にはたくさんの偉人がいますから、偉人の生き様をもっと学びたいものです。

インアゴーラ

午後から東京に移動して中国へのネットショップ店舗を開設している、越境ECの会社であるインアゴーラを訪問しました。ここでは日本の商品を中国で販売できるしくみを構築しています。越境するためには情報、物流、決済が必要でこの三つを備えなければ越境ビジネスは成功しないと話してくれました。

いずれも簡単に作れるものではなく、信頼関係のある人脈が必要です。特に越境は文化が異なるために双方の国の文化の違いを理解した上で商取引できるしくみを構築することが必要となります。

インアゴーラ

大手企業でも構築できなかった越境ビジネスのしくみを作れたのは両国に人脈があったことも大きな要因で、それは簡単なことではないのです。実力も大事ですが、それ以上に人脈が大事だと言うと他力に頼るような印象がありますが、人脈は人との関係づくりですから実力をつける以上に時間がかかり難しいものです。だから大手企業であっても越境ビジネスが難しいのは、この人脈構築に時間がかかるからです。

では実力は関係ないかと言うとそうではありません。実力がなければ良い人脈は作れないのは言うまでもないことです。人脈は自分の実力と同程度のものしか作れないものだからです。現地に出店しなくても商取引ができるしくみが整い始めた時代に入っています。関税や法律なども変える力を持ち始めているように感じます。情報や物流は越境していますから、通貨も更に越境する時代になっていくことが予想できます。これからのビジネスのアイデアやしくみは、国内だけを考えるのではなく越境させることを考えなければならないと思いました。