東京の経営者から電話をいただき「教科書通りにならないのが社会です」と伝えてくれました。学校で教えてもらったことは基礎になりますが、社会で活躍するためには学力を応用する力と人間力が必要だということです。
特に世界を相手に事業展開をしている人にとって、「日本流のやり方は通用しない」ということだそうです。
この経営者は「政治の世界で言うなら世界のリーダーを見ても分かると思います。ロシアのプーチン大統領やアメリカのトランプ大統領、アジアでは中国の周近平総書記やフィリピンのドゥテルテ大統領を見れば、最近のリーダーのあり方を学ぶことができます。戦術に優れ交渉力に長けているリーダーばかりです。世界を相手にするということはこんなことです。政治家がこれらの大統領を相手にしなければならないように事業の分野でも世界を相手にした場合、このようなタイプの人を相手にしなければならないのです。ビジネスの世界の厳しさを分かってもらえると思います。世界を相手に事業展開をすることは生優しいことではないのです」と話してくれました。
世界のリーダーには世界を舞台にしているという格を感じます。日本国内のルールややり方が通用しないことは誰にでも分かることです。世界で戦うためには優れた人と会うことで世界水準を体験し学び、応用する力が必要となるものです。
ですから学校で教えてもらったような「教科書通りでは通用しない」という発言になるのです。リーダーとは苦しい体験、耐えてきた人生の歴史が必要で、これらの困難を乗り越えてきた体験を持つ人でなければ世界を相手にできないということです。
政治の世界においてはこれらのリーダーの名前は知られていますがビジネスの世界は自分が闘う相手の名前も分からないし、特徴や人脈も分からないので事前の備えが十分にできないのです。向かい合った交渉をする中で相手がどんな人物なのかを見極めて対峙する必要があります。
初対面から真剣勝負なので社交辞令はないようです。初対面で相手の関心をひくだとか、パートナーになれると感じてもらわなければ次はありません。一緒にビジネスを展開するパートナーになるためには「日本の教科書通り」では話にならないのです。
人間力と応用力、そして清濁併せ呑む度量が必要となるので、「日本の会社勤めをしている人は向かないと思います」という話です。交渉の場で出てくる課題を持ち帰ることはできません。権限者同士の交渉において決断できないことは致命傷だからです。決断できないのではあれば「決断できる人に来てもらって下さい」ということになりますから、次の機会は失われます。
こんな交渉の場の経験を踏んでいる人にとって「世界から、日本の政治が二流と言われているのは交渉時の決断ができないこと、度量が狭いことが理由だと思います」ということです。ルールやコンプライアンスは守るべきですが、それは時と場合によります。民主主義国家においてはみんなで決めた法律を違反することはできませんが、自分で覚悟を決める度量を持たなければなりません。それは責任を取る覚悟、信頼関係に基づいた交渉の過程で知りえたことは絶対に漏らさないという覚悟のことです。
リーダーと対峙するには人間力が必要です。教科書通りのことや、がちがちのコンプライアンスに縛られているようではリーダーと対峙することはできません。
最後に「社会を知るためには表だけではなく人物を見抜く力が必要です」と伝えてくれました。世界を相手に事業展開している方からの今日の学びです。
和歌山ゴールドライオンズクラブの茶道例会が開催されました。茶人の梅原先生を講師にお招きして茶道体験を楽しみました。梅原先生からの「今日は茶道を楽しみたいと思います。茶道の基礎知識と体験をすることで日本文化を学ぶきっかけになれば嬉しいと思います」と挨拶の後、お茶の歴史から入りました。
日本でお茶が始まったのは、平安時代、815年の「日本書紀」に記述されているのが最初です。そして和歌山県湯浅町出身の明恵上人が京都府にある高山寺に茶を植えましたが、この茶園が最古の茶園と言われています。その後、千利休によって「茶の湯」が完成され、浸透していくことになります。
また茶の歴史は古く、約5000年前のアッサム地方で発見されているようです。
さてその昔、お茶は貴重で高価なものだったので庶民は白湯を飲んでいたそうです。お茶を飲むことができたのは身内が死んだ時ぐらいだったそうです。そのことを示すものが、お通夜やお葬式で参列者に配布されるお茶です。昔は親族が死んだ時ぐらいだけしかお茶を飲めなかったことからお茶を配布する慣習が残っているということです。
お茶の歴史を学んだ後、茶道体験を行いました。和菓子のいただき方、お茶の点て方の基礎を教えてもらいました。和菓子には前と後ろがあり、自然界の法則に沿って器に置くことが基本です。またお茶の点て方といただき方の作法も教えてもらいました。
場面によってお茶をいただく場合が訪れますから、そんな時に慌てないように茶道の基本を知っておくことは大切なことだと思います。