活動報告・レポート
2017年11月1日(水)
水害対策
水害対策

和歌山県は台風21号、台風22号と二週続けて台風に襲われました。床上浸水した家屋もありますし、地域全域が冠水した場所もあります。今回の水害の甚大さを鑑みて、経済産業大臣が現地入りするなど、国も和歌山県内の大雨対策の必要性をこれまで以上に認識してくれたと思います。

水害に見舞われた地域の皆さんからは「地域の水害対策は実施しているのですか」だとか「国や県は何も対策を講じてくれていない」などの意見を聞いています。直接、そんな意見を聞かせてもらった方に対しては「浸水対策は実施しているところですよ」と言って計画の概要を説明しているところですが、全ての人に行き届いている訳ではありませんから、もっと伝えなければと感じています。

まず平成26年度から平成40年度までの長期計画で、和歌山平野農地防災事業に着手しています。これは平成21年の前線による浸水や平成24年の台風5号による浸水被害を受けて水害対策を予算化し、計画と実行に移しているものです。

総事業費は456億円で工事に関係する面積は4,306ヘクタールを予定しています。主要な工事計画は、5か所の排水機の新設や改修、45kmの排水路の新設と改修、8か所の洪水調整池の新設と改修などとなっています。

事業は15年計画のため、事業の完成は平成40年度となっているので、後12年を要する大規模な改修計画となっています。この事業計画を説明すると、「工事期間が長すぎる。もっと早くできないのか」、「大雨で被害を受けている地域のことを考えてくれていないのではないか」などの意見があります。大雨や大型台風の都度、浸水している地域にとっては、「何も進展していない」と思うかも知れません。しかし毎年、約30億円の工事規模で着実に和歌山平野農地防災事業は進捗しているのです。農地平野や河川の改修は規模が大きいため、どうしても長期間の改修計画になります。短期間でできるものなら実行したいのですが、そう簡単ではありません。今できることから確実に工事を進めていくこと。それを実行しているのが国政であり県政、市政です。

和田川流域の浸水対策について

続いて和田川流域の浸水対策についてです。和田川流域も浸水被害に遭う地域になっています。今回の台風21号でも床上、床下浸水に見舞われた家屋があり、和田川流域も早期治水対策を必要としている地域です。

そこで和歌山県として、平成25年度から和田川床上特緊等事業に着手しています。工期は平成32年度が完成予定で、総工事費は78億円となっています。この地域の水害は、用排水路の流下能力の不足が原因なので、排水機場のポンプ増強や流入水路の改修などを実施しています。

また和歌山市では、松島本渡線への雨水貯留管の設置によって和田川へ一気に雨水が流入することを防止する工事や、和田川の上流にある前代川と永山川の改修工事を行っているところです。

松島本渡線への雨水貯留管設置工事は、平成24年度に事業を開始しており、平成32年度に完成予定です。また前代川改修工事は平成23年度から平成31年度までの工事であり、永山川改修工事は平成29年度に着手しており平成38年度の完成予定となっています。

紀の川水系河川整備計画

また紀の川水系は平成25年度から30年間の河川整備計画を策定して工事に着手しているところです。紀の川は岩出と藤崎、小田の地域の河川幅が狭く、土砂が堆積しやすい地形となっています。そのためこの区間は平成28年度から事業に着手していて、平成29年度は拡幅水路工事と河道掘削工事を実施する計画になっています。

特に岩出の河川狭窄部を拡幅することによって紀の川に流入する貴志川の増水を防止することにつながります。今回の台風21号によって貴志川沿いの丸栖や調月辺りが浸水地域となりましたから、その狭窄部拡幅によって、貴志川流域の水害も防止できるものだと考えています。

以上、和歌山平野農地防災事業、和田川流域の浸水対策事業、紀の川河川改修事業によって、この地域の水害を防止することを目指しています。国と和歌山県、和歌山市が協力して治水対策を行っています。

その他
  • 新規事業を計画している事業者が訪ねてくれ、事業計画や資金計画を聞かせてもらいました。起業は和歌山市内で予定しているので応援したいと考えています。
  • 向陽高校学校開放月間の案内をいただいたので学校を訪問しました。11月が開放月間で授業の公開、地域との交流を計画しているので、改めて実際の様子を見に行きたいと思っています。
  • 和歌山ゴールドライオンズクラブ見学例会についての調整を行いました。台風21号の到来で11月に延期していた見学例会を11月に実施することで調整しました。皆さんから「楽しみにしています」などの声を聞いています。