活動報告・レポート
2017年9月6日(水)
経験値
経験値

一代で飲食店を興した経営者と懇談しました。経験豊かな方なので懇談すると、いつも勉強になります。飲食店を大きく成長させるために頑張ってきたのは、社会に貢献することを念頭においていたからです。

「会社を大きくすれば利益が上がります。利益が上がると材料を安く仕入れられるので、同じ利益を確保して価格を下げることが出来ます。その結果、お客さんに喜んでもらえますし、利益分の税金を支払うので国や県、仕事をさせてもらっている市に貢献できるからです。利益を上げることは社会貢献だと思います。利益をたくさん出して税金を支払うことは大きな社会貢献だと思います。日本ではかつての松下幸之助さん、今だったらアメリカのビル・ゲイツさんは巨額の税金を支払っているので社会貢献度は大きい方です。会社を大きく育てて利益を上げていることは、社会や地域に貢献することだと思います。そんな気持ちで頑張ってきた人生に悔いはありませんし、誇りに思います」と話してくれました。

会社は社会の公器であり大きく育てることが社会のためになるというのが、苦労してお店を成長させてきた方の経営理念です。そして「会社を縮小させることや閉めることは社会にとって損失です。利益が出ないと社会に貢献できませんし雇用も失われます。利益を上げることが雇用と働いてくれている人の所得向上につながるものだからです」と続けてくれました。

そして印象に残る言葉を伝えてくれました。「利は基にあり」です。「利益を生み出すためには基を大切にしなければならない」という意味です。飲食店であればお客さんの利益のために価格を下げる必要があります。価格を下げるためには繁盛店にしてお店を大きくする必要があります。お店を大きくすることで仕入れ価格が安くなりますから、お客さんの価格を下げても同じ利益を出せるのです。つまりお店や会社を大きくすることは社会的に善であり、お店や会社を成長させることが経営者としてすべきことだということです。

そして「会社を潰すことはお客さんに対しても、地域の皆さんに対しても、県や市に対しても迷惑をかけることになります。経営者は会社を成長させることが使命で、潰す事態にならないようにすべきなのです」と締め括ってくれました。

現代は多くの情報を得ることが容易な時代です。技術やノウハウ、レシピなどをインターネットで探すことは簡単です。しかしインターネットの情報に基づいて会社経営をしても成功するとは限りません。一般的な知識を得ることや技術を身に付ける方法は読み取れますが、肝心な経験値が抜け落ちているからです。知識を得ることや短時間でノウハウを仕入れるために、インターネットで情報を得ることは有効な手段ですが、それが全てではありません。そこに生きた経営者の話を聞くことで言葉に表しにくい経験値を得ることができます。

やはり人と会うこと、話をすることが会社や組織、そして自己の成長促進のために必要なことです。

長年に亘り貯めてきた経験とノウハウを話してくれていることに感謝しています。

合同例会
ライオンズクラブ合同例会

和歌山中央ライオンズクラブと和歌山ゴールドライオンズクラブの合同例会が開催されました。二つのクラブが合同で例会を実施することは交流機会になりますし、お互いの良いところを取り入れられることになります。

両クラブとも理事から報告事項や議決事項など提案し、それぞれ承認されていきました。クラブによって報告事項や決議事項が異なることがおもしろいところです。同じような活動をしていても、クラブの進め方や考え方によって議論の内容が異なるからです。

また挨拶の中で「なるほど」と思うような話がありました。

ライオンズクラブ合同例会

「私がライオンズクラブに入会したのは今から25年前のことでした。今、こうして壇上で挨拶をさせてもらう立場にありますが、新会員の時、T先輩が今の僕の立場で挨拶をしていたことを思い出します。当時、『いつかこんなふうに挨拶をする時期がやってくるのかなぁ。挨拶を出来る立場になれるのかなぁ』と思いました。いま、こうして挨拶をさせてもらっていますが、あっという間に25年は過ぎ去っています。これまで成長させてくれたライオンズクラブに感謝しています」という話です。

人としてライオンズ会員として成長していく過程を感じられる、とても素晴らしい話だと思います。

こんなふうに、人の心に印象を残せる話をしたいと思います。

励まし

昨日、Sさんから「以前、片桐さんが『最近、味の付け方が違っているよ。お客さんにおいしい料理を食べてもらって欲しいと思います。日によって味が変わらないようにする方が良いですよ』という主旨の話をした居酒屋があります。片桐さんが可愛がっているように、僕も可愛がっている人です。その言葉で彼は『頑張るぞ』と思い、味の研究を続け実践し、今では腕前は格段に上がっています。あの時、彼は『頑張らなければ』と涙を流しながら思い、文字通り頑張ってきました」と話してくれたのです。

今日、彼の頑張っている姿に会いたくなり、彼が経営する居酒屋に行きました。凛々しい顔立ちをしていて、表情から成長していることが分かりました。

「頑張っているね。みんなから良い評判を聞きますよ。これからも頑張ろう」と挨拶をしました。「はい、頑張ります」と答える表情は、真剣でした。

もう大丈夫。お客さんに愛されるお店と味になっていると確信しました。一皮むけた彼の前途は開けています。