「是非、会って下さい」と言って紹介された方と約1時間、話し合いました。和歌山市に来てから半年の方ですが、休日には「和歌山県内をまわっている」ことから、随分、和歌山県のことに詳しく、また将来を案じてくれていました。
「和歌山県は人口が激減しているのでしっかりとした政策を打ち出さないことには将来不安が増えていきます」と話してくれました。
そして「これまで名古屋市で生活をしていましたが、名古屋市は元気なまちですよ。人口が減少していないのは東京、愛知、そして沖縄だと思います。人口が減少していないのは雇用があるからです。働く場所があることでまちは元気になりますから、和歌山県は働く場所の確保をすべきです」と本質的な話をしてくれました。
僕からは「和歌山市に基幹産業に来てもらえるなら人口減少も活力の問題も解決できるのですが、誘致は簡単ではありません。基幹産業が立地すると裾野産業が周囲に集積することになりますし、企業城下町を形成できるのでトヨタ自動車の事例は理想です。和歌山県の場合、これまでも誘致に取り組んできましたが、経験上、基幹産業の誘致は厳しいと思うので、引き続いて働く場所の確保のため小さいながらも企業誘致を進めています」と答えました。
「では片桐さんは、和歌山県で働く場所を作りだすことをどう考えていますか」と質問がありました。
僕からは「基幹産業の誘致は難しいと思うので、できないことを言っていても課題の解決になりません。基幹産業と同等の産業を創出したいと考えています。和歌山県新宮沖にはメタンハイドレートが存在していると推測しています。この資源を取り出すことができれば、わが国に資源産業が誕生することになります。和歌山県で資源産業を誕生させることでここに雇用が生まれますし、大きな経済効果が生まれます。資源産業は基幹産業に匹敵する規模のものになりますから、一気に人口減少問題も雇用の確保も解決できます。メタンハイドレートや海流発電などの資源、エネルギー産業を和歌山県として誕生させたいと考えています。また東京から飛行機で約1時間の距離にある白浜町にIT企業を集積させることも大きな成果となります。既に多くのIT企業が白浜町に進出してくれていますが、この分野は地理的条件や移動時間は関係ないので、将来も今と同様に有望だと思います。資源産業とIT企業誘致を進めたいと考えています」と答えました。
次に「和歌山県は道路事情が悪いですよ。行き止まりの道路が多いこと、片側一車線道路が多いことから移動時間が長くなっているのは損失です。白浜行の高速道路を走りましたが、片側一車線なので夏の渋滞に遭遇しました。この渋滞に巻き込まれた経験から、『和歌山県には行きたくない』と思う他府県の人が多いと思います。早期四車線化を図ることが必要です」と話してくれました。
道路行政は他府県と比較しては大きく遅れているので、現在工事中の道路の早期完成や、計画道路の早期事業化に向けた活動を行っています。
そして「名古屋市は道路の環境整備に力を入れています。歩道と車道の隙間に雑草が生えてきますが、雑草の背の低い間に刈り取っています。ですから名古屋市の道路はきれいなのです。それに対して和歌山市の道路に背の高い雑草が多いと思います。維持管理ができていないようです。道路の環境が悪いことから道路にゴミが捨てられていますし、歩道の環境は良くありません。道路の雑草除去は、道路の維持管理と安全性の確保を図ることになるので道路行政の基本だと言えます。それが出来ていないことが問題です」と話してくれました。
丁度、午前の打ち合わせで「夏休みに入ってから通学路付近の歩道周辺に雑草が伸びている」ことの指摘があったばかりでした。そこに名古屋市と和歌山市の比較の話があり、道路行政の姿勢の違いや環境維持管理の考え方の相違も感じました。
和歌山市内の道路付近には雑草が生えていますし、白線が消えかかっている道路も多いように感じます。他府県から来て感じるのは幹線道路沿いの雑草と白線が消えかかっていることなどです。小さなことかも知れませんが、小さなことができていないようでは他の仕事も出来ていないと言うことです。
行政の仕事のあり方、市役所の仕事ぶりなどで遅れていることを発見できました。
懇談の最後に「片桐さんのことは事前に聞いていました。和歌山県のために熱心に活動している人であることが分かりました。これからも和歌山県の将来のために頑張ってくれると思います。私は片桐さんを応援するからと言って見返りは何も求めません。見返りなど要らないのですが、まちに出ることで感じることがあります。私はまちで出会う人々の表情や話す内容を知っています、人々の表情が生き生きとしてきたことや話の内容が前向きなことに変わっていれば、『片桐さんが頑張っている』と感じることができます。まちの表情を変えてくれることを期待しています。報告がなくてもまちの表情に変化があればそれで良いのです」と話してくれました。
とても嬉しい意見を聞かせてもらいました。和歌山県の将来の姿に関して9月に議会報告会を開催することを決めました。今日の話し合いの論点をまとめ、来月の議会報告会で説明を行う予定です。
午後3時、某企業の社長を訪ねました。訪問を待ってくれていて、会社概要の説明と共に事業展望を説明してくれました。どこかの部分で組めるところがあれば地域社会に貢献できることになると期待しています。
人を紹介する時は、単なる紹介に留まるのでは時間の無駄です。紹介するということは連れて行った人をその会社に押し込むことです。紹介した会社に押し込めるだけの信頼関係がある人を紹介することが次のビジネスなどにつながります。紹介するとは信頼関係に基づいて押し込む力を持っていることです。
午後6時30分から懇親会に参加しました。二カ月に約一度開催している懇親会で、楽しく盛り上がりました。ご一緒した皆さんからは「片桐さん、来てくれたのですね」、「私達にも気さくに話してくれるので、みんな片桐さんのファンです」、「応援していることが恥ずかしい政治家もいますが、片桐さんは応援していて格好が良い政治家です」などの褒め言葉をいただきました。皆さんの意見を嬉しく受け取りました。