活動報告・レポート
2017年7月29日(土)
視察研修会二日目
視察研修会二日目

初日の昨日は、岐阜県瑞浪市にある深い地層の研究をしている施設を訪ね、岐阜県内に宿泊しました。二日目の今日は岐阜県から福井県に移動して原子力発電施設の視察を行いました。稼働している原子力施設を視察することで、昨日、視察した内容を深めることができるためです。

現在、原子力施設を見る目的は、津波や巨大地震が発生した場合の安全対策の確認をすることにあります。福島第一発電所で発生した原子力事故を二度と起こさないため、天災に対しても安全対策が講じられていることが必要です。自然災害が発生した時の安全対策が万全であることが再稼働の条件となりますから、自分で確かめることが一番の方法です。

ご一緒した皆さんからもいくつかの意見を聞かせてもらいました。

「実際に見て感じることがありました。全てにおいて是非論は、自分で確かめることが必要だと思います。報道された内容、人から聞く意見を基にしていても正しいかどうか分かりません。見ることが判断するために必要なことです」。
「二日間の研修は実りがありました。知らないことを知る。これが研修で学ぶということです。見ておくことと見ていないのとでは、今後の報道内容を理解するに際して大きな違いがあります。書かれている論調と自分が現場で見た感じ方と比較して、どちらを支持するべきか考えることができるからです」。
「科学的特性マップの公表の日に研究施設を見学できたことは幸運でした。最終処分場のことを勉強しなければという気になります。今回の視察は有意義で、後々まで残るものになりました。とても勉強になりました」。

視察研修会終了後の皆さんの顔を見た時、今回の研修会と行程が楽しくて納得できるものであったことを感じることができました。皆さんに感謝しています。

陰徳

笑顔と言葉、陰徳の話を聞かせてもらいました。人は笑顔が大事なのは言うまでもありません。笑顔でいる人には話しやすいのですが、ムッとしている人には話し掛けようとは思いません。ムッとしている人は話し掛けてもらえにくいので人とのコミュニケ―ションにおいては損をすることになります。

人と会い会話をすることで大切な情報を入手することができますし、コミュニケーションが図れます。大切な情報は人から得るもの。情報社会にあってもそれは変わらないことです。

言葉は人と人とのキャッチボールですから言葉を交わすことが人間関係を創ります。言葉のないところに信頼できる人間関係は生まれません。素顔で出会いのきっかけを作り、言葉でキャッチボールをする。それが大切なことです。

もうひとつ、陰徳について話を聞かせてもらいました。陰徳とは受けた恩を、周囲や恩を与えてくれたその人にも知られることなく、ひっそりとお返しすることです。徳を与えても何も受け取らないことが陰徳ですが、陰徳を積むことで人は徳という財産を受け取ることが出来るのです。徳は欲しいと思っても得られるものではなく得難いものです。そんな大事なものを受け取ることができるのは陰徳を積むからなのです。

こんな話を聞かせてもらいました。

事業に失敗した人が友人の会社で面倒を見てもらうことになりました。事業をしている時、信頼していた部下に裏切られたことから、仕事への意欲を失っていました。倒産させてしまった会社の借金を返済しながら生活をするためには働く必要があり、友人からの誘いを受けて友人の会社で働き始めたのです。

しかし仕事への意欲をなくしていたので身が入りません。毎日、アルコールを飲みいい加減な仕事ぶりでした。友人である社長は彼の復活を期待して観ていましたがそんな気配はありませんでした。

ある日、社長はその彼が飲んでいる場面に遭遇しました。「また、飲んでいるな。これでは仕事どころか体も壊してしまう。何よりもこれでは将来も復活できない」と思い、彼に近づいて、愛のむちを奮いました。「いい加減に目を覚ませ」と言って飲んでいる彼を殴りつけたのです。

社長からの愛の鉄拳だと知った彼は大いに反省し、自分を助けてくれた社長のために働こうと思ったのです。それから5年、彼は働き続け、とうとう全ての借金を返済したのです。

家族には借金を返済し終えたことを伝え、助けてくれた社長に「お礼に行く」と言った時、奥さんが「私も社長にお礼に行きます」と言うのです。

彼は「どうして」と尋ねると、「社長は毎月私達家族のために3万円生活費としてくれていたのです。あなたの給料とは別にです」と答えたのです。

このことを知った彼は社長への感謝の気持ちで涙が溢れました。でもどうして、ここまでしてくれたのか分かりませんでした。

そこでお礼の挨拶の後、社長に尋ねました。「どうしてここまで私達のために親切にしてくれたのですか」と。

社長は「僕は昔、貧乏でした。成人式の時も来ていくスーツがなく恥ずかしく思って居ました。同級生が集まり写真を撮ろうということになりました。その時、あなたが僕にスーツを着せてくれたのです。あなたは覚えていないと思いますが、この恩はいつかお返ししたいと思っていました」と話したのです。

社長がその恩を返す時が、彼が会社を倒産させた時だったのです。社長は彼から何も受け取ろうとはしませんでした。

この話が陰徳の事例です。見返りを求めないで受けたご恩を返すこと。私達も陰徳を積みたいと思います。