活動報告・レポート
2017年7月28日(金)
視察研修会
瑞浪超深地層研究所

今日と明日の二日間、視察研修会に出掛けます。初日は岐阜県瑞浪市にある「瑞浪超深地層研究所」を訪ねました。丁度、今日の午後3時に、国が「高レベル放射性廃棄物」の最終処分に至る道のりの一歩として、地層処分に対する地域の科学的特性を「科学的特性マップ」として公表したので、最も適した日に、この施設を視察したことになります。

まず高レベル放射性廃棄物とは何を指すのでしょうか。原子力発電所で使い終わった燃料(使用済み燃料)をリサイクル(再処理)する際に残る廃液を、ガラスと融かし合わせて固めたもの(ガラス固化体)のことです。

使用済み燃料の内、再処理するものの中でウランとプルトニウムを抽出するのが約95パーセントで、残りの5パーセントが放射性廃液とガラスを融かし合わせて固化します。このガラス固化体を処分する地点が最終処分場となります。

最終処分場としての地層処分の考え方は、放射性廃棄物が処分場を閉鎖した後も遠い将来にわたって、人間と生活環境に影響を及ぼさないようにすることを概念としています。人間の生活環境から隔離するために、地下300メートルよりも深い安定した地層に閉じ込めることを計画しています。

瑞浪超深地層研究所

地層処分場所の条件として、火山活動や断層活動、隆起や浸食などの天然現象を避ける必要があります。また地震の影響ですが、地下の揺れは地表と比較して小さく、周囲の岩盤と一体となって揺れるため、地震の揺れによる影響はほとんどありません。

この地層処分ですが、事業としてのイメージは次の通りです。

文献調査と地表からの調査である概要調査、地下での調査である精密調査までが約20年です。処分場の建設に要する期間が約10年。操業を開始するのが50年以上で閉鎖するのが約10年の工程になっています。合計すると調査開始から閉鎖まで約100年もかかる事業となります。

この最終処分場ですが、現時点でわが国には候補地がない状況です。そのため国において最終処分法に基づく基本方針が改定されています。文献調査開始に向けて新たなプロセスが追加されています。

  1. 国による科学的特性マップの公表。
  2. 対話活動の実施。
  3. 自治体からの応募と複数地域に対して国から申し入れを実施。

勿論、各調査段階において地元自治体の意見を聴き、これを十分に尊重することにしています。ですから地元自治体が反対の場合は次の段階には進まないことになります。

では今日公表された「科学的特性マップ」の要件と基準、地域特性については次の通りです。

要件と基準。火山の近傍、活断層の近傍、隆起と浸食が大きい範囲、地温が高い範囲などが一つでもある場合は、好ましくない特性があると推定します。また油田、ガス田、炭田のある範囲に該当する場合も好ましくない特性があると推定します。

いずれにも該当しない場合は、好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高いと推定され、海岸からの距離が短い範囲に該当する場合は、輸送面でも好ましいと推定されることになります。

そのため今日、公表されたマップは海岸部の特性が高いということで、好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高いと評価されています。

いずれにしてもわが国においては最終処分場の候補地点もまだなく、今日が科学的特性マップを公表した初日なので、100年先に向けて国が動き出したことになります。