活動報告・レポート
2017年7月26日(水)
関西総連定時大会
和歌山県の観光振興

昨日、東京からお客さんが来てくれて和歌山県の印象について外部からの意見を聞かせてもらいましたが、今朝も東京から2名の方が和歌山県の観光振興策について打ち合わせに来てくれました。今日も県外からの視点で和歌山県の観光を見て、指摘してくれました。

昨日和歌山市入りして、和歌山県のお土産を取り扱っているお店を訪ね「和歌山県のお土産は何ですか」という質問をしたそうです。お店の方は和歌山県のお土産としてお勧めできる商品名が出てこなかったと聞きました。この場で代表的なお菓子などの名前を挙げることはしませんが、即答できなかったことが和歌山県の観光事情を示しているような感じがしました。

昨日、お店の人からは「和歌山県を代表するものは梅とミカン」という話をしたそうですが、お菓子類の銘柄は出て来なかったということです。

首都圏でも「梅とミカンは知られている」ということなので、それならば、梅とミカンの売り出し方法に磨きをかけることも対策だと思います。

僕からは昨日、聞いた話を質問してみました。「男梅って知っていますか」に対して「勿論、知っていますよ。コンビニなどでも人気です」と答えが返ってきました。

「では居酒屋に男梅サワーなどのポスターが貼られていますか」という問いに対しては、「都内の居酒屋で見掛けます」という答えでした。昨日に続いて男梅ブランドの凄さを感じました。

一からブランドを創るのは大変な時間と費用を要するので、首都圏でも通用している「男梅の力を借りること」も検討材料となります。「男梅」商品は全国で買うことが出来ますが、和歌山県に来れば、和歌山県だけで販売している男梅ブランドがある。そんな環境を作ることで観光につながります。観光とは、そこに行かなければ見られないもの、体験できないもの、会えないものを売り物にすべきだからです。

首都圏でも人気の梅ブランドの生まれた場所に行って見たいと思うことが観光の動機になりますし、和歌山県に来た時に「ここだけで取り扱っているブ梅ブランド」があれば観光による経済効果が生まれます。

和歌山県には首都圏など全国レベルで話題になっている場所やモノ、会ってみたい人を売り出すことと、買って帰りたいお土産が必要です。

また会ってみたい人を売り出すことも観光の要素として必要です。例えば抹茶の発祥の地は和歌山県ですから、間口の広いお茶体験を売り物にすることも観光施策となります。伝統やしきたりは大事にする必要がありますが、伝統を守るだけでは観光として取り扱いは難しいと思いますし、本格的なモノではなくて素人が親しみやすいことが観光に適しています。

伝統文化であるお茶は奥が深いものなので観光で取り扱うことは難しいのですが、カジュアルに体験し楽しめるようなお茶体験があればやってみたいと思います。しかも抹茶の本場和歌山県で体験できることが価値になります。これは他の地域ではできないたった一つの体験となるものです。明恵上人が中国から持ってきた抹茶は、最初に和歌山県で栽培されたのです。この歴史はたった一つのものですから物語としての価値がありますし、中国の観光客も「抹茶が日本でどのように独自の文化として発展してきたのか」など、興味がある企画に仕上がると思います。

和歌山県でこの物語を語れる人、間口を広くしてお茶を点てられる人がいますから、「この人に会ってお茶体験したい」と思ってくれ、和歌山県の観光に呼び込めるだけの力があります。

もう一つお茶体験の特筆すべきことがあります。お茶を点てている間の時間の活用です。茶道となれば伝統的なしきたりを順守すべきですから、作法を変化させることはできません。観光客用にお茶と言う文化の間口を広く取れるなら、お茶を点てている時間を隣の人と会話するなどして、コミュニケーションの時間として活用することもできます。観光に来た人達が隣り合わせになった時に会話をする。この会話が楽しさであり、知らない人と出会える観光の楽しみでもあるのです。

型を破れる指導者がいて型破りな体験ができる。しかし、しっかりとした文化を知り、作法の基本を守ることができている体験であれば人は集まります。和歌山県の観光としてやってみたい企画です。 東京から来ていただき、和歌山県の観光振興のため尽力してくれている皆さんに感謝しています。このような優れた企画を形あるものに仕上げることが地元の役割です。

関西総連定時大会
関西総連定時大会

奈良市のホテル日航で開催されたのが「関西総連第37回定時大会」です。和歌山市から京奈和自動車道を走り、JR奈良駅前のホテル日航まで行きました。走り易い道路で、2時間弱で奈良市の会場に着きました。

電力総連会長や来賓の皆さんの挨拶を聴いていると、全てが参考になり勉強にもなるものでした。例えば「世の中は言わなければ動かないものもある」という話はその通りだと思います。

「相手も分かっているだろう」と思っていて相手に何も言わないと、自分が思っていることは動きません。相手は思っていないかも知れませんし、「言ってくれたらやるけれど」と思っているかも知れないのです。

もう一つ紹介します。「奈良にうまいものなし」という言葉があることです。これは80年前に志賀直哉が奈良県に住んでいた時に書いた文章の一節にあった表現だそうです。

この「奈良にうまいものなし」が独り歩きして、「奈良県に行ってもおいしいものはない」という話で全国に伝わっているのです。仮に間違っていることでも、一度定着してしまうと覆すことは困難だということです。まして文豪が残した文章ですから、覆すことはその人を否定していると解釈されることがあるので言えないのです。

そのような時間が80年も流れたことで「奈良県にはうまいものがない」と全国から評価されているのです。

関西総連定時大会

大きな大会に参加すると気持ちが引き締まりますし、主催者や来賓の挨拶の中に勉強になること、仕事や人生に役立つことが含まれています。大きな企画を主催する人や来賓に選ばれるような人の話から、学ぶことはたくさんあります。聴く姿勢を持つことで参加した会合は有意義なものになりますし、聴く姿勢を持たなければ退屈で時間を無駄にしていることになります。聴く姿勢、学ぶ姿勢を持ち続けたいものです。