活動報告・レポート
2017年7月3日(月)
文化度
文化度

以前、「文化度は経済人の意識の差が影響している」という話を記載しました。経済人が文化に理解がなければ、当該地域の文化は発展しないばかりか衰退するということです。その一つとして岡崎邦輔氏の像のことも取り上げました。この敷地内にはゴミが散乱していて観光などこの場所を訪れる人に対して、和歌山市の印象を決定づけていると共に文化度の低さの指摘を受けています。

情けないことですが、観光地の一つの像の状況が和歌山市の文化度を測られているようです。故岡崎久彦さんが生前中に和歌山市を訪れた際には、この岡崎邦輔氏の像を訪ねていたのですが、それも過去のシーンとなっていることを寂しく思います。

さて一人の方から、平成29年6月議会の一般質問を聞いた感想の中で、「意識の高い素晴らしい感想がありました」と連絡をいただきました。それは「市民会館等において陸奥宗光展を長屋門がオープンと同じ時期にやって岡公園一帯をウォークもいいと閃きました」と寄せられた感想です。

この感想は議会一般質問の傍聴に来てくれた女性から寄せられたものです。平成29年秋に、和歌山市立博物館で幕末の紀州藩特別展が開催されることが決定していますが、その開催に合わせて、岡公園を巡るツアーを実施すれば和歌山市の観光振興につながり、和歌山市の歴史を知ってもらえる機会になるという提言です。

せっかく岡公園に長屋門を移設するのですから、この機会に岡公園を、歴史をテーマに巡るウォーキングツアーなどを観光行政として計画することが望ましいと思います。そうでもしなければ、長屋門の移設が完了しても一地点だけでは継続できる観光地にはならないと思います。

ここに和歌山市の歴史と偉人を連携して、この地の物語を楽しめる内容にすべきです。歴史を訪ねる観光は、そこにあった物語を知ることが楽しさとなります。楽しさを提供できる観光地であるためには物語を語ることが必要で、和歌山城や岡公園などで徳川吉宗や陸奥宗光などを語ることが望ましいと思います。

観光行政の取り組みとして長屋門と岡公園を訪ねるウォーキングについて提言したいと考えています。

文化

東京から観光と文化についての調査に来てくれた皆さんと、地元の若い文化人と懇談の機会を持ちました。

文化はまとまると力になります。バラバラだと地域の文化力になりません。和歌山県には歴史に基づいた文化があるとは感じますが、まとまっていないように思います。まとまる力が必要です。

優れた文化人はそのことを簡単にやってしまうので、知らない人は誰でもできるように思ってしまいます。その結果、軽く見てしまうのです。文化人の所作を簡単に思ってしまうと「凄い」という感覚が無くなります。

文化には動いている文化と止まっている文化があります。動いている文化が大事なのです。例えば若いアーティストのヘアーメイクは日々進歩していますから動いている文化です。完成されたヘアーカットは止まっている文化だと言えます。評価が固まっている文化とこれから伸びようとする文化のどちらも大切です。ただ地域にとっては動いている文化を大切にしなければなりません。その地域の伝統やしきたりを背景にしたものなので、他の地域では育っていないものだからです。

動いている文化はまだ認知されていないことが多いので、アーティスト側が発信する必要があります。それを真似てもらうことで動いている文化が知られていきます。プロの技術を受信した人がプロの技術を試したくなることで文化度は高まります。

東京はビジネスモデルによって購買します。地方は人から買います。その違いがあるので都会のモデルを地方に移転することはできません。同じように地方によって人や文化が違いますから、地方のものをコピー・アンド・ペーストしても、他の地方では使えないのです。

お茶の栽培は和歌山県がルーツです。1200年前に空海と最澄が中国から持ってきたことが最初で、800年前に明恵上人が中国から持ってきました。そして400年前に千利休が茶道を確立しました。このように400年毎に節目があることを知ればお茶という文化が楽しくなります。