和歌山県高等学校同窓会連絡協議会総会が開催されました。県内の各高校の同窓会長と校長先生や事務長が集まった総会は橋本商工会議所が会場となりました。今年は伊都高校同窓会が幹事校となり開催準備をしてくれました。
同会長の松岡さんとは20歳代の時からおつきあいをしてもらっている方で、今も現役で元気で活躍していることを嬉しく思いました。
総会には橋本市長が来賓として挨拶をしてくれました。橋本市では福祉と教育を一致させた取り組みを行うことで子どもの貧困問題といじめや不登校などの問題に対応しているところだと話してくれました。子どもの貧困問題に果敢に対応している姿勢を伺うことができました。時代に合うように福祉と教育の窓口を一元化する取り組みに大いに期待しています。
来賓として宮下県教育長からも挨拶をいただきました。教員の採用枠が平成28年度は388人だったのが、平成29年は306人に減少したように子どもの数が減少している現状を説明してくれました。この状態で推移すると2060年の和歌山県の人口は約50万人まで減少することになります。和歌山県長期総合計画を遂行することで、2060年の人口を70万人に食い止めることを目指していますが、これも相当の取り組みをしなければ届かない数字だと言えます。
ただ明治4年に和歌山県が誕生した時の人口は55万人だったことから、当時から現在まで和歌山県が発展してきた歴史を感じることが出来ます。参考までに和歌山県の誕生日は11月22日であり、明治4年の誕生年の人口が55万人だったことは紀州55万石と一致した数字であり、数字や歴史の不思議さを感じさせてくれるものです。
さて来賓の挨拶後に感謝状の贈呈式があり、向陽高校の内藤前会長が会長在任期間16年で表彰を受けました。長きに亘って会長職を務めてくれた内藤前会長に心からお礼を伝えたいと思います。ありがとうございました。
さて高校同窓会には、高校とPTAの活動を支援する役割があると思います。それぞれの高校の卒業生が母校を見守っていることを知ると、55年間も知らないところで支援してくれていたことに感謝したくなりました。これからも母校を見守り続ける組織として活動していくことになりますが、それは頼もしく、嬉しいことだと思います。
同窓会長を務めさせてもらうことで知らなかった世界を見させてもらいました。人は自分だけで生きているつもりでいるけれど、多くの人に支えられて今があることが分かります。そんな感謝の気持ちを伝えていきたいと思います。
平成30年は56回目の年となり、総会は7月7日、アバローム紀の国で開催されることが決定しています。次回の幹事校である和歌山工業高校の同窓会長は「技術校として和歌山工業高校の卒業生であることを誇りに思っています。この誇りを後輩にも伝えたいと思いますし、立派な卒業生のことを伝えていくことも役割だと思っています」と述べてくれました。
それぞれ自分が卒業した高校に誇りを持ち、卒業生として母校を支援できることを嬉しく思っているように感じました。誇りこそ、次につながる行動力となりますから、郷土、母校に誇りを持って活動を続けたいと考えています。
恒例のナームの集いに参加しました。今回の講師は童楽寺の安武住職でした。安武住職は現代版寺子屋での居場所づくりを実践している方で、子ども達のために尽力している素晴らしい住職さんです。居場所づくりとは現代版の駆け込み寺のことで、里親として子どもをお寺に預かっています。
親から「ありがとう」と言ってもらっていない子どもは、人に「ありがとう」と言いません。褒められた経験のない子どもは、人に褒め言葉を伝えることはありません。だから当たり前の行いをしている姿を見かけたら「ありがとう」と言っているようです。朝、歯磨きをしている場面に接したら「おっ、偉いな。よく頑張っているね」と声を掛けています。子どもがお寺のお手伝いをすれば「ありがとう」と伝えます。この言葉によって、子どもは育っていくのです。
住職は若い頃の浪人中に「時間は限られているので大切にすること」や「人が嫌なことはしてはならない。人の嫌がることをすれば自分に跳ね返ってくる」ことなどの言葉に出会って住職への道へと進むことになったそうです。その経験から、現在は子どもの里親として取り組みを実践しているのです。
そしてお寺とは地域から見られている存在なので、子ども達には「見られていると悪いことは出来ない」ことを学ばせています。周囲から関心を持ってもらうことで人は悪い行いができなくなるのです。子どもに対して無関心、人に無関心な人が多い地域は、治安などが乱れることになります。
今回のナームの集いも素晴らしい話を聞かせてもらいました。