和歌山県の偉人の一人に和田勇さんがいますが、僕の大好きな人物の一人です。「東京にオリンピックを呼んだ男」として知る人は知っていますが、地元でも知られていないと聞きました。和田勇さんのことは高杉良氏の著書「祖国へ、熱き心を 東京にオリンピックを呼んだ男」に詳しく記されているので、読者の方ならその生涯を知っていると思います。
その和田勇さんのシンポジウムが今年7月15日の午後1時30分から御坊市民文化会館で開催されることが決定しています。シンポジウムは「祖国を思う心〜和田勇さんのオリンピック秘話〜」で、東京から白駒妃登美さんが来てくれて講演する予定となっています。
また平成30年にNHK大河ドラマで「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」が放送される予定ですが、ここに和田勇さんを取り上げてもらえるように働きかけをしていると聞いています。実現できれば和田勇さんのことをもっと知ってもらえるもので支援したいと考えています。
その一環として、知人から7月15日に開催されるシンポジウムへの協力の依頼をいただきました。「あまり盛り上がっていないので、和歌山市内の人にも関心を持って欲しいと思います。協力をお願いします」という依頼です。和田勇さんのことに地元が関心を持たなければ、2020年の東京オリンピックを前にした現在、その功績を全国に発信できません。それができなければNHK大河ドラマで大きく取り上げてもらうことは出来ないと思います。何事も地元の熱意が大切で、それが人を動かす力になるのです。
ところで和田勇さんは御坊市の名誉市民になっているので、御坊市のホームページで和田勇さんのことが紹介されていますので、主要な部分を以下に引用します。
戦後和田夫妻は、ロサンゼルスに移住して青果業で再出発し、スーパー経営で成功を収めました。そのころ、全米水泳選手権に参加した日本選手団の宿泊先に自宅を提供、食事から送迎、練習プールの手配まで自らする献身ぶりを見せ、選手たちを大変感激させました。
終戦後まだ間のないその当時(昭和24年)、日本はまだ国際社会に復帰できておらず、前年に開かれたオリンピックにも参加できませんでした。
そのころの日本水泳選手のレベルは世界最高で、オリンピックで優勝した選手よりも良い記録をもつ選手が多くいましたが、国際社会では、日本はまだ認められた状況ではないため世界の桧舞台で活躍できずにいました。
そんな状況の中で、いろいろ苦労して日本選手団が、アメリカで行われた全米水泳選手権に参加してきたのです。まだ戦後すぐのことで、反日感情が強く、安心して泊れる宿がなく困っているところへ和田氏が手を差し伸べてくれたのです。
おかげで日本選手は、相次いで世界記録を更新する大活躍です。翌日の現地新聞には、「フライング・フィッシュ・オブ・フジヤマ!」(フジヤマのトビウオ)と賞賛されました。このことを一番喜んだのは、日本人よりアメリカで暮らしていた和田氏ら日系人の人達です。それまで「ジャップ」と呼ばれ見下げられていたのが、この出来事を境に「ジャパニーズ」になり、日系人は胸を張って街を歩けるようになったと言われています。
その後も和田氏は、日本からやって来る各種競技選手団の面倒を献身的に見続けました。そういうこともあって、昭和39年に開催されるオリンピックに東京が立候補した時に、日系人で唯一東京オリンピック準備委員会委員に委嘱されました。
その時、東京以外にも、オリンピック候補地には、アメリカのデトロイト、オーストリアのウィーン、ベルギーのブリュッセル等が名乗りを挙げており、まだ第二次世界大戦後あまり経過していないこの時期では、日本への反発は強く、東京よりデトロイト、ウィーンが有利と言われていました。
しかし、事前の予想を覆し、IOC総会で東京が2位以下を大きく引き離して過半数を獲得できたのは、日本への反発が少なかった中南米諸国10カ国を和田氏夫妻が1カ月以上も家業を放棄し、手土産等も私費負担するなどして各国を歴訪、東京オリンピック開催への支持を取り付けてくれたからです。
この和田氏の我が身を省みず他人のために全力を尽くす働きがなければ、昭和39年の東京オリンピック開催はなかっただろうし、その結果日本の歴史が今とは違っていたかもしれません。
例えばオリンピックを起爆剤として始まった高度経済成長も、新幹線の開通ももっと後のことになっていたかもしれないのです。それくらい和田氏の果たした役割は大きく、敗戦後の日本の復興を早め、国際社会への仲間入りに果たした功績は大きいと言えるでしょう。
和田氏は、東京オリンピック誘致だけでなく、東京の次に開催されたメキシコオリンピックの誘致活動にも、東京での開催を最初に支持してくれたメキシコへの恩返しにと活躍されており、メキシコのロペス大統領から礼状と記念品が贈られています。その後、地元のロサンゼルスオリンピック誘致や札幌冬季オリンピック誘致にも活躍されています。
以上の紹介文から、その生き様の一端を知ることが出来ます。和歌山県の誇りである和田勇さんの生涯を知っていただき、シンポジウムを成功させたいと思います。
- 地域の開発と地元の意向に関しての協議を行いました。地域の発展は当該箇所が願っていることですが、一方で地域の平穏を保つことと環境保全も願っています。どこで折り合いを付けられるかが大切だと思います。
- 日頃から親しくさせてもらっている皆さんとの懇親会に参加しました。良い時間、良い空間、良い話題に浸れたことに感謝しています。