外務省を訪問しました。平成29年は和歌山県立桐蔭中学校、向陽中学校、和歌山市立加太中学校、美浜町立松洋中学校の4校が修学旅行で外務省を訪問しています。一年間に4校も外務省を訪ねたのは初めてのことだと思います。
その理由は、外務省の中庭に郷土の偉人である陸奥宗光元外務大臣の銅像があるからです。和歌山県の子ども達が郷土の偉人の銅像が外務省に飾られている姿を学び、そして直接見ることによって、和歌山県を誇りに思うことや自分も将来、日本を支える人物になることを目指すきっかけになることから、修学旅行の研修先に外務省を選定してくれることを依頼しているのです。その成果が上がり、今年は4校の生徒が外務省を訪問してくれました。
今日、外務省を訪ね、陸奥宗光像や記者会見室などを案内してもらいました。中庭の陸奥宗光の銅像を見て、故郷の偉人が外務省に存在していることの誇りを感じ、またわが国を近代国家へと導いてくれた偉人を敬う心が強くなりました。和歌山県が生んだ偉人を称えてくれている外務省に感謝していますし、列強と同じ土俵で不平等条約改正のための交渉を行い、成果を勝ち得た偉人の精神を受け継ぐことが私達の使命であると感じました。
和歌山市の岡公園にある陸奥宗光は和装ですが、外務省に立つ陸奥宗光は洋装です。この姿から、故郷では守り伝えるものを大切にすべきだと教えてくれ、外務省では内にこもることなく強い相手に立ち向かう勇気を示してくれているように感じます。
大政奉還から明治維新、そして明治政府創世記の大変なそれぞれの時代で活躍した陸奥宗光こそ日本を近代国家へと導いたその人であると感じます。
現在、政治家と省庁との問題が問い質されていますが、陸奥宗光の精神を受け継ぐべき国家を担う人達の姿を見て「一体、何をしているのだろう」とさえ思ってしまいます。
今を生きる私達は陸奥宗光の精神を受け取り、この時代を創るための役割を果たすことを求められていると感じます。そして陸奥宗光を知らない世代である中学生達に、その人物が果たした功績を教えて、学んでもらいたいと考えています。修学旅行で外務省を訪問することはその第一歩であり、和歌山県から多くの生徒が外務省を訪問し、陸奥宗光の精神を学んでいることを嬉しく思います。
さて、外務省の職員さんと話しながら案内してもらいました。「和歌山県からの生徒は事前に学習していたようで質問もしてくれました」、「積極的な姿勢でした」などの受入側の感想を聞かせてくれました。
中学生の時に外務省を訪ねることや、幕末から明治にかけての偉人について学ぶことは将来飛躍する糧になります。大人になっても省庁を訪問する機会は自ら作りだす以外にありませんから、中学生時代に省庁を訪ねることは生涯忘れることはないと思います。
陸奥宗光が活躍した和歌山県と外務省の両方の空気を知った生徒達が、自らの将来を考えることにつながれば修学旅行の成果であると思います。次年度からも継続して外務省を修学旅行先に選定するための働きかけをしたいと考えています。
また外務省の記者会見室も案内してもらいました。国家を支える人が立つ舞台を見ることで、国外まで視野が広がるように感じます。世界を知り、世界で通用する知恵と知識を持っておきたいと感じています。
お忙しい中、訪問の日程調整をしてくれた職員さん、外務省内を案内してくれた職員さんに感謝しています。
目黒の雅叙園東京「百段階段」で開催中の「坂本龍馬没後150年巡回展」を観てきました。高知県立坂本龍馬記念館から資料を借り受け、開催しているものです。主催はソフトバンクグループで、孫社長が坂本龍馬の大ファンで、海援隊のマークがソフトバンクのマークの基になっていることは周知の事実です。
坂本龍馬もソフトバンクも、遠く将来のわが国の理想の姿を思い描いて行動していると思います。孫社長のコメントを書いたパネルに「まだやりたいことの100分の1もできていない」とありましたが、孫社長をしても坂本龍馬の足跡を追いかけていることを知りました。明治時代の人物が、後々まで影響を与え続けているのは凄いことです。歴史上の人物でもやがて忘れ去られる運命にありますし、その人物の名前と共に歴史を築いてきた崇高な精神も忘れ去られています。
しかし坂本龍馬は別格だと思います。名前もその掲げた精神も現代に生きているからです。現代人に影響を与え続けていることが凄いのです。
この巡回展には、「新国家の記述がある手紙」、「陸奥宗光に宛てた手紙」、「海援隊の規約を記したもの」、「日本の洗濯を書いた手紙」などが展示されています。これらの手紙を見るだけでも坂本龍馬の精神が伝わってきます。
坂本龍馬が生き、使命を終えて旅立ったのはわずか150年前のことです。150年前の人物の手紙は現代人の魂を呼び覚まし、人々を魅了し動かせています。
巡回展には陸奥宗光に宛てた手紙、後藤象二郎に宛てた手紙などが展示されています。この時代の緊迫した空気を感じることが出来ますし、希望が存在していたことも知ることができます。海援隊が目指したもの、大政奉還を成し遂げる時の緊迫感などを坂本龍馬の手紙の中の言葉で感じることが出来ます。
「日本を今一度、洗濯したく候」。いつの時代も、時代に染まった垢を洗い流すために洗濯が必要なのです。現代を洗濯できるのは私達なのです。
ところで高知県の尾崎知事とソフトバンクの孫社長が、この坂本龍馬没後150年巡回展を実現させています。高知県が貴重な資料を貸し出し、雅叙園東京で開催していることを羨ましく思います。ここでは幕末の空気を感じることが出来ますし、そこから現代の空気も感じることができるのです。緊張した空気を感じる時代において、傍観者でなく自ら行動する人であること。それが時代を切り拓くために必要なことだと学ぶことが出来ます。
郷土の偉人を大切にしている高知県。偉人の精神を受け継ぎ現代人に伝えようとする孫社長。和歌山県もここに入りたいと思うのは、僕一人ではないと思います。
何故、同じことができないのか。それは人を動かす力を持った熱意、行動力、資金力、時代を読む力。これらの力を和歌山県も持ちたいと思います。
時代は行動する人が創り出すことができます。