若い経営者達と和歌山市を住みたいまちに、仕事をしたいまちにするための案について懇談しました。和歌山市で活躍するための壁は「何年かかっても既存の壁が厚いです」と話してくれたように厚いのですが、新しいものを受け入れない壁を壊さないことには、まちは更に衰退することを懸念しての話し合いになりました。
何故なら「和歌山市には全国で通用する技術を持った若い人がたくさんいます。活躍するための舞台がなければ東京に行ってしまいます。僕でさえ、僕の仕事のコンテストで全国大会において入賞を果たした時、同業者や主催者に『何故、和歌山市で仕事をしているのか。何故、東京に来ないのか』と言われました」と話してくれました。全国でトップクラスの技術を持っている若い人は東京で勝負をしないことを不思議に思うようです。
この方は「僕の場合は和歌山市が好きですし、このまちを自分達の力で活気のあるまちにしたいと思っているから留まっています」と話してくれました。実力のある若い人が多いのですが壁があるため活躍する機会が少ないので、あちらこちらに壁を作り過ぎると和歌山市から東京に行ってしまうことになります。
事実、「同級生で勝負をしたい人は東京に出て行っています」という状況があるようです。
地元の才能が地元で花を開かせることが出来ないことは悲しいことです。そんな環境を修正したいと思います。
そう言えば、以前、和歌山市出身の塾の経営者が話してくれたことを思い出しました。
「関西で塾を経営していた時は関関同立を目指す塾でした。でももっと自分にできることがある筈だと、東京進出をしたいと思いました。年齢のこともあったので思い切って東京進出をしました。そうしたところ東京は人の層が厚いので、新しい塾ですが生徒が集まり、今では東京や一橋、早慶に合格する生徒をたくさん出しています。東京は市場が大きいので実力があれば勝負ができる環境にあります」と話してくれたことです。
その時、「そんな進学塾であれば和歌山市でも開校して下さいよ」と冗談交じりで依頼すると、「和歌山市で実績を上げる自信はありません」と笑って答えてくれました。
この言葉が東京と和歌山の市場規模の違いを良く表現していると思います。和歌山市の市場は小さいので思い切って勝負することが難しいのです。市場が小さいため序列があり、全国レベルの若い人でも一気に実績を上げることは難しい環境にあると思います。
小売りでも観光でも、ビジネスでも、戦略を練るための要素として市場規模は重要です。市場が大きいか伸びているならその分壁は薄くなりますが、市場規模が小さいことや限られているならゼロサムゲームとなり壁は厚くなります。それなら自分に自信のある人は「東京で勝負をしたい」と思うようになるのは自然です。
和歌山市で公平な勝負ができる環境を整えることが活力を生み出す基になると思いました。
そして若い経営者は「コンテンツよりもコミュニケーションが大事である」と話してくれました。優れたコンテンツも大事ですが、それを世に広めるためには人とのコミュニケーションを図れることがより重要だということです。コミュニケーションのとれない相手との仕事はうまく行きませんから、まずは人間関係を築くことがビジネスの基本です。
コンテンツを重要視することは間違いではありませんが、市場内でコミュニケーションを図れる関係作りがあってこそのコンテンツの活用になります。若い経営者から学ぶことはたくさんあります。
そして和歌山市を活性化するためのヒントがたくさんあるので、これらの優れものを組み合わせることで観光に、ビジネスに生かすことを話し合いました。来月、6月から9月までの三カ月で今日のメンバーで活性化案を作成することにしました。
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雇用に関する協議を行いました。定年退職をしたばかりの人の中で元気な方がいます。「まだまだ働きたい」という意欲があるのですが、働く意欲と雇用との間にミスマッチがある場合があります。経験と知識、意欲を評価するか、それとも年齢の壁に躊躇するか。企業によって雇用に関する意識の差があります。
できるなら企業の皆さんには、元気な高齢者の社会参画の意欲を評価して欲しいと思います。 - 日曜日に実施予定の「片桐章浩を支援する会」による清掃活動と会員の一人が実施予定の慰問活動に関する打合わせを行いました。