今日と明日の二日間、黒部ダムの視察に出掛けます。本日は大町市に移動し、明日は黒部ダムの視察を行う予定です。
行きの車中は石原裕次郎、三船敏郎主演の「黒部の太陽」を観ながら行程を進めました。不可能と言われたダム建設に関わった人達のドラマに感動しています。明日はこの世紀の難工事と言われた黒部ダム建設の歴史と人間ドラマを現地で見る予定です。
郷土の偉人である陸奥宗光を勉強するため外務省を修学旅行で訪問してくれたのが和歌山県立桐蔭中学校、向陽中学校、そして和歌山市立加太中学校です。今月24日に加太中学校が外務省を訪問していますが、その前段に出前授業を行い、知識を得てから訪問しています。この出前授業をしてくれているのが福田光男先生です。
江戸時代、1854年にロシアの黒船が加太沖に来航した歴史があり、その時、幕臣勝海舟は黒船に対抗できるかどうか調査するために加太のお台場を訪れています。その時に信頼できる人物として坂本龍馬を伴って来ているようです。和歌山市内には勝海舟が座した石がありますが、勝海舟が紀伊の国を訪れた目的は、黒船を加太で迎え撃つことができるかどうかの調査をするためだったと聞かせてもらいました。
その時代、紀伊の国に勝海舟、坂本龍馬、そして陸奥宗光が揃っていた姿を想像するだけでワクワクしてきます。そんなワクワクする物語を和歌山県の歴史と出前授業の中で伝えてくれたようです。
「陸奥宗光は和歌山と日本、世界の未来を夢見ていた素晴らしい先輩です」というコメントがあったようですが、勝海舟や坂本龍馬に師事していたことを知ることで、改めて偉人であることを思いますし、大人物に育てられた陸奥宗光がその後の歴史を創ったことを郷土の誇りに感じることが出来ます。
何よりも、この話を聞いた大人である僕がワクワクするのですから、授業を受けた感受性の強い年代の子ども達はもっとワクワクしたと思います。このワクワク感が歴史を好きにしてくれますし、修学旅行の成果を深くしてくれたと思います。
福田先生の出前授業では、歴史に知られていないエピソードを楽しく折り込み、子ども達に伝えてくれているようです。
桐蔭中学校での出前授業では、和歌山市吹上に陸奥宗光の生誕地があり、その場所に生誕の地を記す石碑があったことに触れ、「かつて学校に通う道中に陸奥宗光の生誕地を示す石碑がありました。君たちのお父さんやお母さんも陸奥宗光の生まれた場所で学んでいたのです。郷土の偉人を誇りに思っていたと思います」などの地元のエピソードを説明しながら、子ども達が関心を持つような出前授業にしていたと聞いています。
歴史は人間が生きてきた足跡です。年号を覚えることや歴史上の出来事を暗記することが歴史の学習ではありません。歴史の中で現在は偉人として伝えられている人物が、どう考え動いたのか。困難に遭遇しながらも悩み、乗り越えてきたことを学ぶことが歴史の勉強です。歴史上の偉人達も若い時代は悩み、時には挫けながらも、希望を持って道を切り開いてきたことを学び、「今を生きている僕達が希望を持って時代を創る」勇気を持つべきことを学んで欲しいのです。
歴史は年号でもなければ消えてしまった過去ではないのです。その時代を生きた偉人達の思いや行動を学び、自分の心に火をつけることだと思います。
福田先生の出前授業の内容を知りそんなことを思いますし、学んだ知識を修学旅行先で体験することで自分のモノにすることができます。将来も忘れることのない思い出を出前授業と修学旅行で得ることになっていると思います。
素晴らしい出前授業が桐蔭中学校と加太中学校で実施されていることを知り、もっと広げていくことが大事だと思っています。