「今は立場のある人でも必ず下積み時代があります。下積み時代の自分を忘れないでいる人が伸びる人です」と、これまで多くの人材を指導、育成した経験のある先生が話してくれました。
そして「多くの成功者は下積み時代にお世話になった人のことを忘れています。しかし何時までも苦しい時代に指導してくれた人、助けてくれた人のことを忘れないでいて会った時には『お世話になっています』などの挨拶をしてくれる人がいます。そんな人はこれからも伸びる人です。多いのが、お世話になった人のことを忘れていて、会っても無視する態度を取る人です。下積み時代のことを知られたくないのか、導いてくれた人のことを忘れているのか分かりませんが、そんな人は成長が止まります」と続けて話してくれました。
このような事例を元に、人としてのあり方を説明してくれました。
世間の評判を気にすることも、左右されることもありませんが、それでも評判によって、仕事の進み方が違ってくるのは事実です。「あの人の関わる案件だったら協力はしない」と言う人もいますし、「あの人がやるのであればどんなことでも協力します」と言う人もいます。支援されるか否かで仕事のプロセスと結果は大きく違ってきます。
それでも嬉しいことがあります。この先生が僕に対して「その人の評判を知っているのですか」と尋ねた後、「他ならぬ片桐さんからの依頼なので力になりましょう。応援する限りは、その人のことが嫌いであっても結果を出すようにしますから」と答えてくれたのです。こんな回答をいただけることは嬉しいことです。
人に何かを依頼する場合、人の協力を得たい場合は信頼関係が必要となります。それができていると依頼に答えてくれることになります。そこから仕事が始まり、結果を出すことにつながっていくのです。
ところで物事を依頼した人の中に、成功したという結果を聞いた時に、「結果が出て当たり前」という態度の人がいます。どれだけ苦労したのか、とれだけ自分の信頼関係のある人脈を活用したのか、そんなことを全く考えていない人達です。「このように依頼したのだから結果を出してもらって当然だ」という態度の人がいますが、そんな態度の人ほど社会からの信頼がない人が多いのです。
自分に信用がない人が、信頼のある人に依頼して、その人の信頼を利用して結果を出していることを当然だと思っているのか、気づかないのか分かりませんが、態度の大きな人やプライドの高い人からの依頼は受けない方が良いと思う時があります。
何故なら、人に何かを頼む時はそれに費やす時間と労力、費用を伴うからです。時間と労力とはその人と会う時間、移動する時間、自分の時間を削って捻出している時間、資料を作成する時間などです。
費用とは、打ち合わせの時に必要となる飲食費、ガソリン代、携帯電話代、事務所の光熱費などのことを言います。
時間も費用も請求することはありませんが、見えない価値を分かってくれる人であれば、成果を出した時は依頼者が感じるのと同じように気持ち良くなりますが、仕事の結果を伝えても「やってもらって当たり前」という態度の人の場合は疲れが噴出することになります。
ある人は依頼を受けた時に次のように尋ねています。
「頼み事はどんな案件ですか。商品など何かを売り込むお手伝いはできません。自分だけの利益になるような話はお手伝いできません。右や左の話もお手伝いできません。依頼された人が気分よくなる話でなければお手伝いできません」と伝えてから話を聞いています。
売り込みや自分の利益につなげることを目的としている場合、長い時間をかけて築いてきた社会的信用のある人に依頼することはできません。
多くの人を指導、面倒を見てきた先生との楽しい時間でした。
定期的に開催している懇親会に参加しました。夏の集いへ参加してくれる方も参加してくれた会となりました。また飲食店内には僕のポスターと「夏の集い」のチラシを貼ってくれていたことに感謝しています。