活動報告・レポート
2017年5月6日(土)
ナームの集い
ナームの集い

二カ月に一度のナームの集いに参加しました。今日の講師は常行寺の木谷常悦さんだったので驚きました。木谷さんはピアニストだと思っていたのですが、実家がお寺なので住職の資格を持っていることを知りました。勿論、ピアニストとして活躍していますが、併せて住職としての顔を持っていることを知り、顔を見て微笑んでしまいました。

テーマは「いかにして人生を楽しみながら、健康に歳をとれるか」で、いつまでも若々しくいるための秘訣を語ってくれました。木谷さんの講話の中で印象に残ったことに自分の意見を付け加えて、以下に記します。

人は忙し過ぎて死ぬことはなく、忙しいことに起因するストレスが原因で健康を害したり、時には死に至ることがあるそうです。ストレスが身体に悪いのは、一秒間に2,500万個の細胞が生まれ変わっているからであり、その細胞に影響を与えるからです。ストレスから身体を守るためには免疫力を向上させることが一番で、食生活や楽しみを見つけることが大切だということです。

さて人は限られた時間だからこそ、その時間の中で頑張れるのです。もし永遠の命が与えられているとすればどうなるのか。木谷さんは事例を基に説明をしてくれました。

難しい楽曲に挑戦する場合、数か月先のコンサートなどで弾くことを目標に設定します。三カ月先のコンサートで「この曲を演奏する」と目標を定めることで練習時間を見つけ、それに向かって練習を続けることになります。

しかし永遠の命が与えられているなら、「今日の練習は止めておこう。まだ時間はあるから。コンサートの予定は100年後だから、まだ大丈夫」と思うなど、厳しい練習に気持ちが向かわなくなります。

限られた時間の中で努力をすることで、成功すれば達成感を味わい、失敗すれば挫折感を味わうことになります。達成感、例え挫折感であっても、何かをやろうとしたことで幸福感を感じることができますし、次につなげようとする気持ちの醸成にもなります。

100年かけて何かを達成しても、味わえる達成感は薄くなると思います。それよりも人は厳しいことを100年間も継続することはできないと思います。限られた時間だからこそ、人は努力をしますし継続する力を発揮できるのです。

限れた時間の中で努力をする。限られた時間の中で人との出会いを大切にする。宇宙の創造主は人が向上するための時間を与えてくれているのです。与えられた時間を幸せに過ごすことが人としてやるべきことで、創造主は不満や不安を感じさせるために人を生み出したのではないと思います。夢と希望を感じ、限られた時間の中で、自分のやりたいことを達成するために努力を続ける存在なのです。そして自分が地球に誕生したその時よりも、この世を去る時の方が地球に幸せが広がっていくことを求めていると思います。

生まれた時のスタート地点よりも死を迎える時に引かれたラインがスタートラインよりも前進していれば、価値ある人生だと思います。毎日、そんなことを意識している訳ではありませんが、毎日が幸せだと感じられるなら、自分に与えられたラインは前に向かっていると思います。

もうひとつ。後天的なものも遺伝するということです。これまでは持って生まれた素質だけが遺伝すると考えられてきました。人が生まれてから努力して身に付けたモノは遺伝しないとされていたのです。せっかく身に付けた技術や能力も、その人が亡くなれば後天性のモノは失われるとされてきたのです。しかし近年のマウス実験で、難しい迷路を比較的簡単に抜けるマウスを交配して生まれたマウスは、難しい迷路を簡単に抜けられる素質を持っていることが分かったそうです。このことから後天性のモノでも遺伝することも考えられるとされているようです。

このことは凄いことです。ご先祖様が鍛錬して身に付けた技術、能力などは、後の世代に受け継がれているとすれば、感謝の気持ちが深くなります。今、これができるというモノがあるとします。それは自分も努力をした結果ですが、ご先祖様の誰かが、それをやり遂げるための努力をしてきた結果を私達が受け継いでいることになるからです。

人が出来ないことでも自分がやれることがあります。それはご先祖様から受け継いだ素質だと思うと、ご先祖様に感謝する気持ちが深く、強くなります。私達が生まれてきたのは両親があるからです。二人の両親には、また二人の両親がいますから、誰にでも四人の祖父母がいることになります。そうして遡ると、私達は数えきれないほど多くのご先祖様の素質を受け継いで生まれてきたのです。

だから今を生きている私達は、後に生まれて来る子ども達のために、生きている今、やりたいことを見つけ、達成するための努力をして、やがて後天性の素質となるものを身に付けることが、今と将来を生きることだと思います。

木谷さんの話は僕の価値観と同じなので、すっと入って来ました。参加して良かったと思います。ありがとうございました。