NPO法人かめのこ会の新しい作業所が完成しました。建設途中に何度か現場を見ていたのですが、いざ完成すると自分のことのように嬉しいものです。午前10時からの竣工記念内覧会で作業所の内部と外観を見せてもらいました。亀本理事長や施設長、スタッフの皆さんの笑顔が溢れていて、とても気持ちが良くなりました。
- 「とうとう完成しました。来ていただいてありがとうございます」。
- 「働いているみんなも何かを感じて喜んでいることが分かります。しかし何が起きているのか分からないこともあるので不安を感じている子どももいます」。
- 「快適な環境を作ることは私達の責任ですが、今回の支援はとても嬉しく思います。ありがとうございました」。
- 「こんな素敵な作業環境の事務所が完成するなんて夢みたいです。応援いただき感謝しています」などの意見を聞かせてくれました。
皆さんの笑顔が元気を分け与えてくれます。竣工記念として「かめのこ会」の皆さんと中庭にハナミズキの植樹を行いました。ハナミズキは成長すれば背丈が3メートルぐらいになるようなので、作業所の成長を見守ってくれることと思います。
もうひとつ嬉しいことがあります。NPO法人かめのこ会に地元和歌山大学の卒業生が数名就職してくれていることです。施設長もそうですし、今年の新人も内覧会に来てくれた皆さんを迎える受け付けを手伝っていました。作業所に勉強を教えに来ている講師も和歌山大学生ですし、地元の学生が障がい者を支援することに力を出してくれていることは地域にとって財産だと思います。作業所に就職をして活動してくれている卒業生も素晴らしいですし、勉強を教えてくれている大学生も素晴らしいと思います。そして大学生を迎え入れる環境を整えている理事長も素晴らしい方だと思います。
振り返ると亀本理事長とは長い付き合いになっています。最初に出会った時、作業所の環境が良くないことを聞かせてもらいました。「子ども達は一所懸命に働いてくれていますが、夏は暑くて冬は寒いので作業環境を改善させたいと思っています」と話をしてくれました。そのこともあって作業環境を良くするためのお手伝いをさせてもらいました。その時の理事長の言葉は今も覚えています。「今回の支援は私達にとって命の泉なのです」という言葉です。働く環境を整えることが「命に息吹を吹き込んでくれる泉」だと表現してくれたのです。
会社では当たり前のように働く環境が整っていますが、作業所では当たり前のことではないものがある。そのことに気付いた瞬間です。その時からお付き合いをさせてもらっているのですが、小さな仕事をコツコツと続けて資金を貯め、今回新しい作業所を建設することを実現させたのです。理事長は「また借金の返済が始まります」と話してくれましたが、「これからも頑張るぞ」と言う意思表示の笑顔だと思います。
作業所を新設し大学生を雇用し、障がい者の働く環境を作り上げている理事長の行動力は凄いと思います。社会で必要とされているのは亀本理事長のような方だと思います。
そう思うと出会いとは不思議なもので、あの時に亀本理事長と出会っていたから「かめのこ会」の成長に立ち会えてきたと思いますし、今回の竣工を共に喜び合えることになったと思います。完成した時ではなくて発展途上の段階で出会えたことで、同じ物語の登場人物になれたと思います。物語はこれからも続きますし、若い地元大学の卒業生達が、理事長の意思を引き継いで行くことになると思います。
まだ発展途上の「かめのこ会」のこれからの物語にも、これまで同様に登場人物でいたいと思っています。
「かめのこ会」の新しい作業所の完成を心からお祝いしています。