活動報告・レポート
2017年4月9日(日)
とんぼ池

和歌山市内に平成29年3月31日で廃校となった小学校がありますが、本町小学校もその一校です。在校生や卒業生、そして生徒の保護者の方から廃校になる寂しさを聞かせてもらいました。保護者の一人が「読んで欲しい手紙があります」と言って、在校生からのお手紙のコピーを届けてくれました。

そこには本町小学校内にある「とんぼ池」のことが書かれていました。平成8年度に和歌山市からの100万円の交付金を活用し「トンボ池」というビオトープを作っています。ここに生物が住み始めて、カエルやイトトンボなどの虫が生息しているようです。手紙を書いた在校生は「とんぼ池」で楽しく遊んだことを伝えてくれています。本町小学校がなくなった後、「この池がどうなるのか。ここに住んでいるカエルやトンボがどうなるのか」心配し、「とんぼ池」に生息している生き物を守って欲しいという思いを伝えてくれています。そして、生き物を大切にしてくれることのお願いをしています。

小学生が生き物の命を大切にする心を持っていて、生き物の命を大切にして欲しいと要望しているのです。計画では本町小学校の跡地には、4年制の信愛大学が進出することになっています。

しかしこの「とんぼ池」をどうするのか決まっていないと思いますが、池を壊して駐車場にする計画になっていることも伝えてくれました。子ども達が生物の命を発見し大切に守ってきた「とんぼ池」とここに生息している昆虫の命を守ってくれることを教師や大人にお願いしているのです。

ビオトープにある昆虫の命を守って欲しいと願う生徒のこの気持ちに、できるなら応えて欲しいと思います。現在は「とんぼ池」の手入れをしていないことから雑草が生い茂って池が覆われています。

活用すべきものを守るための取り組みがなく、信愛大学などの竣工時期を守るための活動をしているように思います。廃校になる小学校の願いを聞き入れてくれる人が、教師であり教育委員会だと思います。

「とんぼ池」を守って欲しいと思いますが、池を守れないとしてもここに生息している生物の命を守って欲しいと思うのです。子どもがこれから良い人生を過ごすためには、子どもが全ての命を大切にするという気持ちを持ち続けてもらう必要があります。

大人と教育者が子どもの気持ちを大切に思い応えることで、子どもは「優しさに価値がある」と判断するようになると思います。手紙を書いた子どもの希望に応えられるよう関係者と話し合いたいと思います。

手紙に書かれている「とんぼ池」や物には命はないけれど、子ども達が遊び、大切にしてきたものには命が宿っていると思います。子ども達はその命を感じているのだと思います。ですから子どもが命を大切に思う気持ちに応えたいと思うばかりです。

いつの日にかまた本町小学校の生徒には卒業後、再びこの場所に戻って来て欲しいと思います。

小学校の保護者から「廃校になることは仕方ないけれど、せめて手紙を書いた子どもの思いを実現させてあげたいと思います。とんぼ池に生息している命を大切に思っている子どもの気持ちが分かる教育者であり大人がいて欲しいと思います」という意見を聴かせてもらいました。

子どもが命を大切に思う気持ちが伝わる手紙を読んで、その純粋な気持ちに応えることも教育だと感じています。