高野山の無量光院を訪ねました。以前から訪ねたいと思っていたのですが願いが叶いました。ここで土生川さんと面談することができ、公務でお忙しい中、2時間以上も懇談の時間を確保してくれたことに感謝しています。土生川さんの部屋に案内してくれたのですが、とても居心地がよく心が洗われるような気持がしました。心は時々、心を統一して清める必要がありますが、この場所に来ることで清められたように感じます。それは寺院の張りつめた空気と土生川さんの芯のある優しさから来ているように感じます。
土生川さんはローマ法王とも会ったことがあり、また和歌山県とインドマハラシュトラ州との「観光交流、食品加工、企業間協力にかかる覚書」に関する調印式に立ち会ってくれています。
調印式は平成25年10月9日に行っていますが、その時の様子は、当時の和歌山県知事のコメントに臨場感があるので紹介します。
「『観光交流、食品加工、企業間協力にかかる覚書』の調印でありまして、10月9日私と州首相のプリスヴィラジ・チャバンさんとの間で取り交わしました。具体的な内容としては、相互の観光交流、投資などの産業交流、そして食品加工技術交流の3つが特記されていますが、これに留まらず、行政府スタッフの相互研修とか青少年交流とか、高野山などの宗教界の交流とか広範な部門に相互交流が拡がっていけばよいと思います。私はその調印の席で、和歌山はマハラシュトラ州の人々が日本に進出する際にゲートウェイとなることを宣言する。マハラシュトラ州も和歌山の我々がインドに進出する際のゲートウェイとなってもらいたいと発言して歓迎されました。 その場で盛り上がった具体的な話は、インド独立建国の時ガンジーと並ぶ偉人で、インド憲法の父と言われるマハラシュトラ州の英雄であるアンベドガー博士の銅像を高野山に建てさせてほしいということで、私も、高野山関係者も一も二もなく賛成で、私からはガンジーさんに比べると日本ではアンベドガーさんの知名度は低いが、多くの人がお参りする高野山にアンベドガーさんの銅像があることによって、まさに和歌山をゲートウェイとしてアンベドガー博士の偉業が日本中に伝わることになるとうれしいという話をして喜ばれました。」という内容です。
この時に無量光院の土生川さんを始めとする僧職の皆さんが高野山を代表してインドに行ってくれています。
その後の成果として高野山大学内にマハラシュトラ州の英雄であるアンベドガー博士の銅像が建立されたのです。
さて土生川さんと話をしていて、僕も和歌山県とインドとの経済交流に関して本会議で議論を交わしたことを思い出しました。議論したことが実現している過程にあることを嬉しく思うばかりです。土生川さんと今日会えたことのご縁と嬉しさを感じることができました。
それにしても、土生川さんの威厳と一緒にいる場の空気の涼しさと温かさに感動しました。謙虚で素直で偉ぶらないことが、逆に威厳となってその場に現れているのです。いつも思うことですが、本当に偉い人は姿勢が良くて目がきれいで、優しくて温かく、人の言うことをよく聞いてくれる上、相手を称えます。そして決して偉ぶらないことが共通していることです。
総括すると、自分や他の人と比べることが馬鹿げていると思うような人が本当に偉い人だと思います。メジャーリーガーのイチロー選手と自分を比較して「どちらが凄いか」とは思いませんし、サッカーの本田選手と自分を比較して「どちらが上手いか」とも思いません。これと同じように土生川さんは比較の対象にはならないのです。このように超越している人と同じ部屋で話ができることは幸運で、代えがたい時間だと思います。
嬉しいことに次回は7月に無量光院を訪問することになりました。心が清められるこの空気の中に身を置くことができることを、もう今から楽しみにしています。