活動報告・レポート
2017年3月27日(月)
視察初日
東海第二発電所視察

和歌山県議会改新クラブで視察に出掛けました。初日は茨城県にある東海第二発電所の視察です。関西空港から羽田空港に飛び、そこから東海村に移動して発電所に到着しました。東海村を訪れるのは初めてだったので楽しみにしていました。

東海発電所は昭和41年に営業運転を開始しているように、わが国で最初に原子の火を灯した発電所です。当時は人類の科学が進歩していることの象徴であり、原子の火が私達の未来だと思われていたようです。しかし平成10年に営業運転を停止し、その役割を終えています。そして平成13年には東海発電所廃止措置に伴い、「原子炉解体届」を国に提出して、現在廃止措置に着手しているところです。

所員の説明によると、わが国の原子力技術の確立を目指したプラントで、ここで得た知識や技術を民間の電力会社に展開して行ったようです。ここで培われた技術が原子力発電所を支えてきましたが、現在は廃止措置の工事中であり、廃止の工程に関しても民間電力会社に展開することになっています。まさに原子力のパイロットプラントであったことが分かります。

原子力発電所の廃止措置に伴う解体工事は東海発電所が初めてなので、将来は現在ある原子力発電所の廃止措置申請をしている発電所の廃炉が進むことになるため、ここで行われている技術力が必要となります。

ところで今回は特別に東海第二発電所内にある「使用済燃料乾式貯蔵施設」を案内してもらいました。この乾式キャスクには使用済みの燃料が入れられていて、構内において貯蔵と管理が行われています。キャスク内の温度は約100度だそうで、触れると少し暖かく感じます。キャスクは放射能漏れを防ぎ、使用済み燃料を安全に管理するための工夫がされています。貯蔵容量は24基ですが、現在は15基のキャスクに使用済み燃料が保管されています。

原子力発電所から出る使用済み燃料の保管は原子力発電の課題であり、安全に保管するためにキャスクに封入して保管するようにしています。

さて東海発電所の方が原子力発電について次のように説明してくれました。

もし今、国民の皆さんに原子力発電所についての意見を聞くと、原子力発電所はいらないという人が大半だと思います。しかしエネルギー問題を好きか嫌いかで判断しないでほしいと思います。原子力は人類が得た科学技術であり、わが国の経済成長に大きく寄与してきた歴史があるからです。そして社会に存在しているものであり、直ちに廃止してしまうと国民の皆さんにツケが回ることになります。原子力発電は安価なエネルギーを提供できるものであり、エネルギー資源に乏しいわが国では脱化石燃料のために必要なエネルギーだからです。

東日本大震災が発生して以降、多くの原子力発電所が止まっています。国民生活を支えるために火力発電所を稼働させていますが、そこで必要な石油や天然ガスの輸入量が大きく増加しました。その結果、単年度で約3兆8千億円の国富が産油国に流出しています。

これだけの資金が化石燃料輸入のために使われているのです。これが国富の流出なので、そうならないためにも原子力発電は必要だと思います。

そしてエネルギーが不足したり、エネルギーに高いコストを要することになれば国勢が低下することになります。国際競争力を維持するためにも安価なエネルギーが必要だと思います。このようにエネルギー問題は国策なので、好きか嫌いかで判断しないで欲しいと思うのです。

このような趣旨のコメントをしてくれました。エネルギー問題について考えた初日となりました。