行政改革・基本計画等に関する特別委員会が開催されました。今回は和歌山県長期総合計画などの審議を行いました。この基本計画は、「和歌山県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例」として今議会に提案されているもので、審議は今日の特別委員会で行われました。前回までに本委員会で提言した意見を基に修正を加え、最終案として示されています。
提言した意見に基づく主な修正点は、「観光事業者が新規事業をする場合には資金が必要となります。観光事業者に対する融資制度として保証率や利子補給など制度を見直す必要があるのではないか」という提言に対して「観光事業者の活性化を図るため資金面での支援」を追記しています。
また「鉄道やバス路線を日常生活で使われるようにすることが大事であり、地域の公共交通を長期的に守ることを計画に盛り込むべき」という提言に対して「都市、中山間部のいずれの地域でも、行政と事業者、住民が連携し、公共交通機関の利用促進に取り組むこと」を追記しています。
これらの意見が反映されていることを確認した上で、一点意見を述べました。
「和歌山県長期総合計画の達成度合いは毎年確認し、未達成の項目や社会情勢の変化などがあれば修正していくことになりますが、その場合、長期総合計画の文言を修正することになるのですか。それとも単年度の計画として盛り込むことになるのか」を問い質しました。当局からは「長期総合計画は向こう10年間の和歌山県の政策の基本となるものなので、本文の修正はしないで、次年度の政策の中で修正点があれば反映させる」との答弁がありました。
具体的には長期総合計画で「中心市街地の再生を図るため医療、福祉などの分野も集積を図る」主旨の対策が書かれていますが、平成29年度の新政策として「スマートウェルネス型のまちづくり」という言葉で表現されています。そこで「長期総合計画には『スマートウェルネス型まちづくり』という表現がありませんがこの表記はしないのですか」と質問したことに対して、「平成29年度の新政策で使われている表現をこの長期総合計画に直接入れることはありません。新政策の中で取り組んでいきます」との答弁がありました。
必要な文言は取り入れるべきとも思いますが、基本計画の内容がコンプリートされる性質があるようなので、今後とも新しい表現や取り組みの必要性が生じた場合は、新政策の中で取り組むことになるようです。そのように整理するのであれば、その方針で了承しました。
審議の後、本条例案の採決が行われ、全員賛成でこの条例案は可決されました。
サウジアラビア国王が来日されたことから和歌山県にもサウジアラビアからのゲストを迎えています。昨日は和歌山県庁でお会いし、意見交換を行いました。本日は田辺市に移動して、イスラムを理解するためのセミナーを開催してくれました。セミナーの講師は、ラヤーン・アラブさんで、ヒッマ大学で講師を務めています。
僕を含めてイスラムを理解している日本人は少ないと思います。イスラムは笑顔がいいことだとされています。笑顔は善行の報いであると信じられていることから、イスラムの人は笑顔でいることが多いようです。この笑顔は優しさ、愛、平和を表現しているもので、自分の姿は常に神様から見られていると思っています。ですから笑顔を絶やさない日常を過ごしていて、生活は着飾りのない質素なものとなっています。
日本に対して求めることも伝えてくれました。
ひとつは外国人が観光に来た場合、おもてなしで絶対に必要なことは語学力です。アラビア語、英語をできるようにすべきことを伝えてくれました。会話が出来なければ通訳を配置する仕組みを整えるべきだという指摘です。
二つ目が差別をしない日本という国の価値を維持することです。差別をしない国、日本が世界の中で優位性を保っています。もし日本が差別をする国になれば、優位性が損なわれるので、外国からの観光客は減少することになります。差別のない国、日本が世界で評価されていることを確認しておきたいと思います。
三つ目は、素直な心でいれば友好関係が築けるということです。サウジアラビアはイスラムの国であり遠い国ですが、人間関係を大切にすることで必ず友好関係が築けることになります。出会った人とのご縁を大切にすることから友好関係は始まります。
僕からも歓迎の挨拶をさせていただきました。
こんにちは。サウジアラビア国王が来日するに合わせて和歌山県を訪ねてくれたことを心から歓迎しています。昨日もお会いし意見交換をさせてもらいましたが、今回の来県をサウジアラビアと和歌山県の友好関係を築くきっかけにしたいと考えています。何より数ある県の中で和歌山県に注目してもらい、来てくれたことを嬉しく思っています。
僕は和歌山県議会でイスラムの国との友好関係を築くこと、ハラールの食材を提供するしくみを作ることで、イスラム圏から観光に来てもらい、また経済交流の機会につなげることを提言しています。和歌山県内のホテルでハラール料理を提供できれば、たくさんのイスラム圏から観光客に来てもらうことにつながります。
また和歌山県では条件がありますが、県内に進出してくれるホテルに対しての補助制度を設けていますから、イスラム圏の方に対応するホテルに対しても支援する用意を整えています。
更に和歌山県の果実や特産品を輸出することで経済交流につながりますし、和歌山県の優れた品質の果実や農産物は、きっとサウジアラビアの皆さんも気に入ってくれると確信しています。
こう言うと和歌山県はイスラム圏の皆さんをお迎えすることの先進地であるように感じると思いますが、他の県でもイスラム圏の観光客をお迎えする体制を整えていますから、和歌山県として他の県に決して遅れることのないように体制を整えているとお考え下さい。
今日のセミナーを通じてイスラムの一端を理解してもらえたと思います。今日の機会がサウジアラビアと和歌山県の交流機会になることを祈念して歓迎の挨拶といたします。ありがとうございます。