平成28年度和歌山市文化功労賞を受賞した森久美子さんの祝賀会を開催しました。たくさんの方に参加してもらっての祝賀会はフラメンコの素晴らしさを伝えてくれるもので、暖かいフラメンコの風が吹き抜けました。参加してくれたのは約160名の皆さんで、祝賀会のために昨年から実行委員会を組織して取り組んで良かったと思っています。
祝賀会には和歌山市長、和歌山市議会議長にも来賓として出席いただき、花を添えていただきました。
祝賀会では実行委員会を代表しての挨拶をさせていただきました。
こんにちは。本日は森久美子先生の和歌山市文化功労賞受賞記念祝賀会にお越しいただき、本当にありがとうございます。僭越ですが実行委員会を代表して挨拶させていただきます。森久美子先生は和歌山市にフラメンコの文化を定着させようと永く活動を続けてきました。その結果として平成28年度の和歌山市文化功労賞を受賞されました。
当初、「関係者の皆さんと細やかにお祝いの席を設けようか」と話していたのですが、「こんな名誉の賞をいただいたのだから、皆さんと喜びを分かち合いたい」、「この受賞を機会としてフラメンコの素晴らしさを伝えたい」などの意見があり、実行委員会を組織して今日の祝賀会の開催に向けて準備を進めてきました。これだけ大勢の皆さんにお集まりいただいたことに感謝しています。ありがとうございます。
選定していただいた和歌山市長や市議会議長がお越しになっていますので、外れているかも知れませんが、今回、森先生が受賞された要因を考えてみました。
ひとつは、若い時に単身スペインに渡り、本場のフラメンコを習い、帰国後、和歌山市で伝道師としての役割を果たしたことがあります。現在では和歌山市にいながら素晴らしいフラメンコを鑑賞することができますが、当時はフラメンコに接する機会すらなかったと思います。何もないところから和歌山市でフラメンコを普及してくれた功労者であることが評価された第一の要因だと思います。
第二に、自ら技術を身に付け更に高めている中において、フラメンコ教室を主宰しフラメンコを普及すると同時に後継者を育成しようとしている姿が評価されたことだと思います。文化に昇華させるためには長い年月を必要とします。フラメンコを和歌山市の誇る文化として定着させるためには後に続く人材を育成する必要があります。そんな地道で長い道のりを歩いていることが二番目の理由だと思います。
第三の理由は、和のフラメンコを創り上げたことです。冒頭観ていただいた和のフラメンコは日本の伝統的な文化である静のイメージですが、「炎の道成寺」や「侍フラメンコ吉宗」などで表現する和のフラメンコは情熱のフラメンコに和の要素を組み込んだもので、静かな中に情熱を感じさせるものです。森先生が和のフラメンコと言う独自の世界を創り上げたことが評価されたと思います。
この和のフラメンコは和歌山市だけではなく、大阪や東京、本場スペインやニューヨークでも公演されていますから、和歌山市から全国に、そして世界へと和のフラメンコと言う文化を発信してくれているのです。創造的な和のフラメンコを生み出した森先生の活動が評価されたことも大きな要因だと思っています。
現在、和歌山市で本格的なフラメンコが楽しめるのは森先生の功績が大きく、これまでの活動が評価され、文化功労賞の受賞に至ったと思っています。
ところで森先生との出会いは、もう10年以上前のことになると思います。当時、友人からフラメンコの鑑賞と共に森先生を紹介してもらいました。初めて観るフラメンコに驚きましたが、それ以上にフラメンコに情熱を傾ける森先生の話や思いに感動したことを覚えています。優雅だと思っていたフラメンコは、実は内面に秘める情熱を感じる踊りであること、汗が飛び散るほどの迫力があり激しいものであるものだと感じました。それ以降、森先生の活動を応援しています。
その時から、森先生と共に「よし、和歌山市にフラメンコを普及しよう」という思いを持ち、その後、和のフラメンコを前面に打ち出した公演やフラメンコスタジオ見学会などの企画を行ってきました。和歌山市にフラメンコ文化を普及、定着させるまでには、道半ばですが、この受賞を機に弾みがつくものと期待しています。
本日、皆さんと共に和のフラメンコと情熱のフラメンコを楽しめることを嬉しく思いますし、通常の祝賀会に仕上げるのではなく、本格的なステージを最後まで楽しめる企画にしています。冒頭、ファーストステージをお楽しみいただきましたが、懇談の後に県外から、そしてスペインからも出演してくれる方がいますので、楽しみにして欲しいと思います。本日のご参加を心から歓迎し、実行委員会を代表しての皆さんへのお礼の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。
祝賀会は激しくて華やかなフラメンコで盛り上がり、和歌山市にアンダルシアの風を吹かせてくれました。参加してくれた皆さんからは「和のフラメンコは素晴らしい」、「フラメンコがこんなに凄いものだとは思いませんでした」などの感想を聞かせてもらいました。
ここから発信したフラメンコ文化の香りが、和歌山市中に広がってくれるものと信じています。
まだ寒い季節ですが、ここで吹いた情熱の風によって、少し早い春の訪れを感じることができました。
異業種交流会会場に京都からミュージシャン「スイート&ビター」が来てくれました。男性デュオのグループで、和歌山市でのライブは今回が初めてです。グループは京都と大阪を中心に音楽活動を実施していますが、ご縁があり和歌山市に来てくれたものです。同時に二人がプロデュースしている大阪市で活動中の「ノノ&ココ」も来てくれ、会を盛り上げてくれました。
二つのグループは明日も和歌山市でライブを実施してくれます。ライブ会場は和歌山市内の「インターラーケン」で、午後6時から開演します。二人は「和歌山市でライブができることを楽しみにしています」と話してくれました。