活動報告・レポート
2017年2月1日(水)
和歌山市の印象

東京から和歌山市まで、日帰りで二人の方が来てくれました。共に僕に会うためだけに来てくれたことを感謝しています。僕が和歌山市から東京に行く時は、大切な用件がある時か大切な人に会う時だけで、どうでもいいような用件で行くことはありませんから、それぞれの人にとっての大切な時間を確保してくれたことに感謝しています。懇談の成果が現われるまでには時間を要すると思いますが、最新の技術や情報を和歌山県に持ってきてくれたことに感謝し、和歌山県で活かせるような活動を心掛けたいと思います。

用件の打ち合わせを終えた後、関西空港からリムジンバスで和歌山市に到着した時の話をしてくれました。今日、羽田空港から関西空港まで移動し、そこからリムジンバスで和歌山市に来てくれたのですが、和歌山市で降りた時の印象は「寂れている」だったと話してくれました。その意味は「バスを降りたところには何もない」ということでした。

通常、空港からリムジンバスに乗って目的地の降車する地点は、中心部の駅か繁華街辺りです。リムジンバスの降り口がJR和歌山駅だと聞いていたので、「和歌山市の玄関口だからもっと賑わいのある場所」だと思っていたそうです。県都和歌山市のJRの駅が降車場所なので、約束の時間に早く到着しても「何でも揃っている」と思っていたと話してくれました。

しかしカフェも書店もショッピングを楽しめる場所もなく、僕との約束の時間までいる場所がなく、結局「お茶をして、お茶をして、お茶をしていました。そしてやっと約束の時間になりました」と笑いながら伝えてくれました。

確かに、リムジンバスの乗降場所だからカフェ、大型書店、ショッピングセンター、和歌山市の観光案内所などが欲しいところです。多くの都市の主要駅周辺にあるようなスターバックスやドトールコーヒー、待ち合わせに利用できるようなカフェ、地元の名物が味わえるお店などが欲しいと思いました。そして、初めて和歌山県や和歌山市を訪れてくれた人のための観光案内所は是非とも必要な施設だと思いました。

この方は「予想していたよりも賑わいがなかったので衝撃でした」と素直な感想を聞かせてくれました。そこから中心部に向かって歩いたのですが、「JR和歌山駅前なのに人通りがなくて驚きました」と率直な感想を聞かせてくれました。

和歌山市に来る前にインターネットで映像や情報を閲覧した時の印象は「和歌山県の中心で県庁所在地なので活気がある市」だと思っていたのですが、印象はかなり違ったようです。

その後、和歌山県庁までタクシーに乗車して運転手さんに「和歌山市は人通りがないのですが、それは寒いからですか」と質問したところ運転手さんは「いつも人通りはないです。こんなもんです」と答えてくれたことも知らせてくれました。

初めて和歌山市に来てくれた人の印象はとても大事です。その印象のポジションが基本になるからです。その印象を基にして活性化させるための政策を作り上げていかなければ、政策を誤るからです。

そこで賑わいを取り戻すための駅前を始めとする中心地の再開発の計画と三つの大学を誘致したことなど和歌山市の再生について説明を行いました。定住人口を増やすことと交流人口を増やすこと、そしてエンターテイメント性を持たせた街づくりを目指した対策を講じていることを伝えました。

もう一つが「観光都市なのに案内がなく観光地がどこにあるのか。どう行けばよいのか分かりませんでした」という指摘です。また「インバウンドには力を入れていないのですか」という質問があり、理由を訪ねたところ「英語や中国語の案内板がなかったからです。観光都市で外国語表示の案内板がこれだけ少ない都市は珍しいと思います。観光都市と言われるJRの駅に降り立つとワクワクするものですが、そんな空気は全く感じなかったです。JR和歌山駅から外に出ても、観光都市の雰囲気はありませんね」と答えてくれました。

これが現在の和歌山市の観光都市としての実力だと思います。言い難いことを伝えてくれたことに感謝しながら、これが県外から来てくれた人の率直な感想ですから、対応していく必要を感じました。

それでも和歌山県に来るに際して、事前に和歌山県の観光のことを調べて資料としてまとめてくれていました。「和歌山県には行きたいと思うところが沢山あります。白浜町、熊野古道、熊野本宮大社、高野山などは全国レベルの魅力的な観光地です」と言って、それらの観光地を資料に落とし込んでくれていました。問題は点在していることで「それぞれの観光地が離れていること、移動手段が分からないことなどが問題です」との指摘がありました。

和歌山市の中心部の再生と、観光都市としての和歌山市をどう伝えるかが問題であることを改めて認識できました。今日東京から来てくれた皆さんは、僕に和歌山市の再生を期待して言い難いことを伝えてくれたと思っています。この印象をスタートラインと考えて、ここから一歩でも二歩でも和歌山市の印象を良くしたいと考えています。