活動報告・レポート
2017年1月29日(日)
全豪オープンテニス
覚悟

人が命を懸ける時の壮絶な話を聞かせてもらいました。与えられた使命のために覚悟を決められる人は死すら恐れないようです。覚悟を決めた目はギラギラした目ではなくて、涼しげで生きることを超越したような目だそうです。生死を超越し命を懸けるのはどんな時なのか想像もつきませんが、自分のためなのか誇りのためなのか、それとも守るべきもののためなのか、人が織りなしたそんなドラマの一端を聞かせてもらい、覚悟を持つことの凄さを感じました。

そして覚悟を決めた人達のドラマが「ローグ・ワン」です。これは映画ですが、父の名誉のため、正義のためにチームローグ・ワンは命を懸けた戦いに挑みます。決して生きて帰ることのできない戦いであることを知りながら戦いの場へと向かっていきます。

ここで覚悟を決めた二つの眼を見ました。一人目は主人公のジンです。使命を果たした後の死を覚悟した穏やかな表情は覚悟を持った人の眼そのものです。決して激しいものではなく穏やかな眼には、やるべきことをやり遂げた誇りと覚悟が見えました。

もう一人がオーソン司令官です。機密のデータを守るためにジンと戦いましたが、自分の勝敗に関係なく自分が作り上げた究極兵器デス・スターがオーソンと共に星を破壊しようと接近してきたのです。デス・スターを見た時の彼の表情には諦めと利用されたという念が浮かび上がっています。その眼には諦めという覚悟が宿っていました。

覚悟を持つ人について考えさせられました。

全豪オープンテニス

全豪オープンテニスの男子シングルス決勝で、ロジャー・フェデラー選手が優勝しました。おとぎ話のような信じられない快挙に感動しました。「こんなドラマがあるなんて」と驚いていますが、こんなドラマを見せてくれたフェデラー選手とラファエル・ナダル選手に感謝したいと思います。

今日の夕方からは試合経過を見ながらハラハラしていました。史上最高のテニス選手と呼ばれているフェデラー選手ですが、四大大会の優勝からは久しく遠ざかっています。もう一度頂点に立って欲しいと願っていますが、もう優勝できないのではないかと思っていました。しかし頂点に立った彼は、「まだ優勝できる」と信じて厳しい練習を続けてきたと思います。自分だけは「優勝できる」と本気で思って膝の手術と手術後も練習を続けていたことを思うと、感動がおさまらない程です。

優勝後のフェデラー選手のインタビューには、支えてくれた人達へのたくさんの感謝の気持ちが詰まっています。ライバルを称え、チームの力を信じメンバーへの感謝の気持ちが詰まっています。

「ラファを祝福したい。去年はけがもあったのに、すばらしいカムバックだった。2人とも決勝で会えるとは思っていなかったと思う。4、5カ月前は想像できない状況。君が準優勝できたことが非常にうれしい。テニスはとても厳しいスポーツ。引き分けがない。もし引き分けがあったら、あなたと分かち合ってもいいと感じることができた試合だった。自分のチームに感謝したい。本当にありがとう。最高の仲間。ラファのチームもがんばったに違いない。すばらしいチーム。今後もラファは活躍しなければならない。テニス界が彼を必要としている。スペシャルな夜にしてくれた。全豪はいつも楽しみ。また来年もこの会場でプレイしたい。ありがとう」。

フェデラー選手の存在が、テニスを特別な競技にしてくれているように思います。フェデラー選手が現役でいてくれる幸せを感じています。自分の周囲の出来事ではありませんが、幸せを感じられる夜となりました。