活動報告・レポート
2017年1月13日(金)
シリコンバレー報告
シリコンバレー報告

年始にシリコンバレーを訪問した方から感想を聞かせてもらいました。今回の訪問の目的は、平成29年も和歌山県で高校生ビジネスプランコンテストを開催するため、アメリカ・ハーカースクールに協力を求めるためです。結果としてハーカースクールの協力が得られ、同校から生徒3名が今年8月のコンテストに参加してくれることになりました。

参加してくれる生徒の中には、アイデアと技術でアメリカの自動車会社に採用された人がいて、アメリカでは高校生が起業することは珍しいことではなくなっています。

「アメリカでは大学生が起業するのは当たり前で、斬新的なアイデアやプランは高校生の発案によるものが多く、高校生起業家は珍しくなくなっています」という話を聞かせてもらいました。

そんな起業を目指す高校生の集まりが、「全世界高校生次世代リーダー育成同盟会」です。頭文字をとってDECAと呼ばれています。DECAは世界中の高校生や大学生でマーケティング、ホスピタリティ、マネジメントの新興リーダーと起業家を育成する国際組織のことを言います。参加している高校生は20万人、大学生は1万5千人の組織となっています。

設立された背景は次の通りです。大学の試験は大学に進学することを目的としたものですが、入試は単にそれだけの意味があるだけのことです。真に必要なことは大学を卒業した人材がその後ビジネス界においてどれぐらいの影響力を持って活躍できているかが大事なことです。そのビジネス界で影響を与えられる素質を図る基準がDECAであり、設立されてから70年間、データの蓄積と使命を進化させています。つまりビジネス界で能力が高い人材の育成と評価基準をアメリカ政府が認定していることになります。

そのためDECAの試験内容は、ビジネスプラン作成試験、知識マークシート試験、高等プレゼン面接試験の三種となっています。

参加している国はアメリカ以外に中国、韓国、カナダ、ドイツ、メキシコ、スペインなどですが、残念なことに現段階では日本は参加していません。

これまで70年間のデータでは、全米の大学卒業生とDECAの試験を通過した大学卒業生のキャリアを比較すると次のようになっています。

全米における影響力を持つ人は、会計と財務ではDECAは6パーセント、それ以外は2パーセント。ビジネス分野ではDECAは13パーセント、それ以外は4パーセント。ビジネスオーナーはDECA11パーセント、それ以外は4パーセント。国際ビジネスマーケティングはDECA8パーセント、それ以外は1パーセントの数字となっています。

このようにビジネス界で影響力を持っている人材が、ここから輩出されています。わが国も大学進学を目的とした試験で将来を決定するのではなくて、ビジネス界で活躍できる素質を持つ人材を育成する試験と教育が必要な時代に差し掛かっていると思います。既にアメリカ以外にも中国や韓国が参加している現状を踏まえると、もう後れを取っているぐらいだと思います。

この方は「日本もDECAに参加するべきだと思いますし、参加できる高校を増やすべきだと思います。世界では高校生が起業する時代になっていますし、ビジネスの分野で活躍できる素質のある学生を見出して育成する必要があると思います」と話してくれました。

この視点に立って平成29年8月に、和歌山市内で高校生ビジネスプランコンテストが開催される計画があることは有意義なことであり、成果を期待したいと考えています。

その他
  • お二人の方のお悔みに伺いました。お二人とも志半ばでこの世を去った方であり残念に思っています。心からご冥福をお祈りしています。
  • 連合和歌山海南海草地域協議会の新春の集いに参加しました。皆さんとの交流機会となりました。