和歌山県では全国に先駆けて幼児向け人権プログラムを策定しています。この和歌山県モデルを参考にした幼児の人権について策定しようとしている地方自治体もあることを聞きました。幼児の人権について考えるきっかけをいただきました。
今日の懇談でそこから話は展開していきました。
話し合いで相手を説得するためには、相手が理解できるように親切丁寧に話をする必要があるとの指摘がありました。相手はこの分野のことは素人なので基本が分かっていないと思い、親切丁寧に説明することで理解が得られやすくなります。
力尽くで説得しようとしても相手はこちらの言い分を理解してくれないのです。怒りや批判で抑えようとしても人は納得することはありません。ですから交渉をまとめようとする話し合いの席で怒や批判は禁句となります。
また人は役割を生きているのではありません。与えられた役割を生きようとすると窮屈になります。役割とは肩書き、役職、地位などのことで、肩書きに基づいた言動をしようとすると、素直で正直な生き方ができなくなります。人は役割ではなく人として生きなければならないのです。人として生きるなら素直で正直が一番だと分かるので、言動も素直で正直なものになります。
つまり人は素直で正直に生きることが大事だと言えます。ですから人間教育では人の本質を示すことが肝要となります。役割を演じる必要性を伝える教育は、人間関係を学ぶに際して役に立たないのです。
そして和歌山県の人は郷土愛が薄いと指摘がありました。他の県では郷土愛が強く、故郷の誇りを語れる人はたくさんいますが、「和歌山県の人で郷土愛を語れる人は少ないと思います」と話してくれました。頭の痛い話ですが、聞く姿勢を持つことで改善することができます。最初から否定すれば改善に向かいません。
郷土愛を芽生えさせるには小さい頃からの教育が必要です。そのためには歴史を知ること、偉人の生き様を知ることが必要となります。歴史や偉人の功績を知ることは郷土愛を芽生えさせることになります。
そして観光とは故郷の歴史を見てもらうものであり、そこに加えて偉人の生き様を語れる人や場所があることが観光地となるのです。教育と歴史と観光は一つのものであることを認識しなければ故郷教育はできませんし、歴史を語らなければ観光地としての魅力にも欠けてしまいます。
平成29年は大政奉還から150年、平成30年は明治維新から150年の年になります。和歌山県がこの節目の年に観光などの企画をするならば、教育と歴史を組み合わせることが必要です。教育と歴史を組み合わせていない観光ではその地域の魅力は薄いものになります。故郷教育は人間力の向上を図り郷土愛を育むものであり、郷土の歴史と偉人を語ることは観光地として深みを持たせてくれることになります。観光とは教育と歴史が土台になるものなので、この要素が組み込まれていることが必要なのです。
教育を通じて人間力を高める指導をしている方との約1時間は、素敵な懇談の時間となりました。
和歌山市の料理飲食業組合の役員会がありました。新年でもあることから懇親会の場が用意されました。ここで特筆すべきことはインバウンド対応に対する融資制度が設けられたことです。これは外国からの観光客に飲食してもらうための取り組みをするお店に対する融資を行ってくれることです。
具体的には外国語表記による案内版、メニューなどの設置、外国語ホームページやアプリなどの制作、従業員に対する語学研修、外国人対応スタッフを雇用することなどに必要とする資金を融資対象に加えています。
これらは日本政策投資銀行の融資制度ですが、飲食店経営者を応援する制度を作ってくれています。和歌山県の飲食店経営者の顧客増加対策として、外国人観光客にお店に来てもらうことを目指そうとしています。そのため外国人向けの外国語のメニュー表記、外国語のホームページ制作や案内などを支援してくれることになりました。
政策投資銀行がインバウンド政策に対応した飲食店の取り組みを支援してくれるとは思いもしませんでした。きめ細かい金融面での支援制度が地域の飲食店の応援となり、地域の活性化につながると期待しています。
和歌山市内で開催された和歌山県電力総連新春の集いに出席しました。新春に際してグループの組織と会社の役員の皆さんが集まり、情報や意見交換を図ることが出来ました。
挨拶の機会をいただいたので、飲食業界の新たな顧客戦略としてのインバウンドに対応した取り組みとそれを支援する政策投資銀行の活動を紹介しました。厳しい時代を勝ち抜くための新たな取り組みは、どの業界においても参考になるものです。
参加者の方々から「内容の濃い挨拶だったと思います、『この話に響かない人はいないと思います』、『私達に勇気を与えてくれる話でした』、『やればできると思いました』などの嬉しい感想を聞かせてもらいました。
皆さんとの交流機会が楽しいものになったことを感謝しています。