年が明けて四日、官公庁では仕事始めの日となりました。
皆さんからの挨拶の中に勉強になることが沢山ありました。
某企業幹部からは、「企業にとって力になるものは皆さんからの信頼です。信頼は過去から積み上げられてきたもので、現役の私達にとって大きな力となっています。但し、過去の信頼は現在の私達の動きによって形が変わっていくもので、いつまでも同じ信頼の形ではいてくれません。これまでの信頼に頼っているだけでは、現在から将来にかけての信頼が小さくなっていきます。地域の皆さんの信頼をこれからも得られるような活動をして欲しいと思います」。
また、「数年前に策定された中期経営計画の中に『挑む』という言葉が書かれていました。当時、今の状態で何に『挑む』のだろうと思っていたことがありました。今は何に『挑む』のかは明確になっています。『挑む』ためには利益も大事ですが、お客さんに選択してもらうことを優先すべきだということです。今年は『挑む』年にしたいと思います」。
更に、「これまでは会社の都合でお客さんに『もう少し待って欲しい』と言ってきたことがありますが、時間の経過とともに『いつまで待たせるのだ』という空気が出てきました。もう経営者の都合を代弁するだけではなくて、お客さんの声に対応する必要があると思っています。現場でお客さんの声を受け取って、経営や営業に反映できるようにしたいと思いますので、現場の声を上げて下さい」。
知事からは、「和歌山県は発展の兆しが見え始めてきました。しかし和歌山県が発展していくことは簡単ではなくて、全国から見ると『そうは問屋が卸さない』と言う状態にあると思います。和歌山県長期総合計画が平成29年4月からスタートします。10年先の和歌山県のあるべき姿を描いているので、今年はここに向けてスタートする大切な年度となります。長期総合計画の一年目から転んでいるとこの先はありませんから、今年が大切な一年になります。皆さんの力を集めて和歌山県を築き上げたいと思います」。
また企業経営者Kさんは、「今は経営者が先頭に立たなければお客さんも相手にしてくれませんし、従業員もついて来てくれません。私は営業の先頭に立っていますし、お客さんと直接会える場にも出て行っています。お客さんの声を直接聞くことが商品作りに反映できる機会となりますから大切にしています」。
以上のような話を聞くことが出来ました。これらの言葉に込められた意味を感じられる感性を持ちたいと思っています。大切なことは、経営者が発信した言葉を素直に受け止めることです。経営者の挨拶や言葉に対して何も感じないし反応しないようでは、闘う集団とは言えません。今日お会いした経営者の姿勢は素晴らしいと思いますので、後は行動する集団であることが必要だと思います。心のこもった言葉とそれに呼応する行動があれば、変わることが出来るのです。
年末から年始にかけて帰国していたブライアン・ミヤモトさんに会うことができました。和歌山市からLAに出てビジネスの分野で勝負をしています。以前から話を聞いていたので会いたいと思っていたのですが、訪問した企業で、偶然、会うことが出来ました。
「帰国する度に和歌山市に元気がなくなっていることが気がかりです。変わろうとする意思が弱いように思います。どんなことに対しても反対する地域特性があるようですが、変化を恐れないことが大事だと思います。変化に対応できないでいると、ますます地域は低下していきます。日本で初めてスタートさせることになるカジノリゾートに関しても理解して推進することが必要だと思います。
例えばラスベガスは変わっています。ギャンブルだけではなくてエンターテイメント性が強いので楽しめる内容になっています。カジノに悪の温床みたいな感覚はありませんから和歌山市に誘致すれば良いと思います。現場に行くと客層や雰囲気でそのことが分かりますよ」という主旨の話を聞かせてくれました。