教育関係者との懇談は楽しい時間となりました。教師は授業で成果を出すことが大事なことで、そのために懸命に取り組んでいることを話してくれました。生徒の成績が上がることや志望校に合格すること、クラブ活動で成果を上げることなどが教師の喜びになるようです。一方、不登校やいじめの問題にも取り組んでいます。いじめの問題は教師が注意を払うことで空気を感じることが出来るということです。「誰も気付かないいじめはない」と話してくれたように、誰かが変調に気付くことで対応が可能となります。
現場で頑張ってくれている教師の取り組みを頼もしく感じました。
観光事業者の皆さんから和歌山市の観光について意見を聞かせてもらったところ、とても参考になる意見ばかりでしたからその一部を紹介します。
ホテルで勤務している人が和歌山市に異動になると聞いた時、「とても嬉しく思った」と話してくれました。
和歌山市には行ったことがなかったのですが、徳川御三家だった市なので歴史と風格があると思い期待していました。車で走っていて初めて和歌山城の横を通った時は感動しました。「これが御三家のひとつ和歌山城か」と思ったものです。転勤して3年になりますが、今でも和歌山城は素晴らしいと思っています。
ところがホテルに勤務している地元の従業員さん達は、和歌山市のことを愛していないように思います。私は時々、従業員に「『和歌山市で訪れたい場所は』とお客さんに聞かれた場合、どこを紹介するのですか」と質問します。
そうしたところ「和歌山市で行きたい場所はない」など自信を持ってお勧めする観光地がないと言うのです。私は和歌山城や和歌の浦、紀三井寺、加太などが良いと思うのですが、地元の方はそれらの場所を訪れたいと思っていないようです。
自分達の市に誇れる場所がないと思うことは良くないと思います。宿泊してくれたお客さんに自慢できる観光地を紹介できないのであれば、お客さんは「和歌山市はたいしたことがない」と思ってしまいます。
和歌山市の皆さんに言いたいことは、まず自分達の市を誇りに思って下さい、ということです。自分達が行きたいと思わなければお客さんも行きたいと思いません。伝え方、熱意によってお客さんへの伝わり方は違ってきます。自信と誇りを持ってお客さんに和歌山市の魅力を伝えて欲しいと思います。
ホテルの売り上げを伸ばすためには、地域に魅力があることが必要です。ホテルで集客のための企画を立てますがそれは二次的なものであり、第一に和歌山市が魅力的である必要があります。和歌山市に行きたいと思ってもらうことがホテル事業繁栄のために必要なことで、地域の魅力がホテルの魅力ということになります。
地域が死んでいたらホテルもダメということです。ホテル事業者としては和歌山市の観光客が増加するための発信を行っています。パイを増やすことを考えています。和歌山市を訪れたいと思ってくる人を増やすことが第一で、私達のホテルに宿泊してもらうためだけの広報はしていません。地域全体が元気になることが、和歌山市のホテルにお客さんが来てもらうための条件です。
県外から転勤してきた一人して、和歌山市は観光地として魅力があると思います。和歌山城、加太、友が島、和歌の浦などは観光地として通用すると思います。私は転勤で全国のホテルに勤務してきましたが、その中でも和歌山市は好きな市です。足りないのは、和歌山市のことを誇りに思っている人が少ないということです。
他の都市の人たちは自分達の市を誇りに思っています。もっと自信と誇りを持って和歌山市の良さを伝えて欲しいと思います。
その証拠に、和歌山市にある私達のホテルの売り上げは高く、全国にある私達のホテルの中で上位に入っています。その理由は食べ物が美味しいこと、比較的大阪から近いこと、景色が良いことなどだと分析しています。後は宿泊したホテルから、翌日は和歌山市内の観光地に出掛けて欲しいと思っています。
以上のような意見を聞かせてもらいました。和歌山市は良いところなので自信と誇りを持つことが大事だと伝えてくれています。