活動報告・レポート
2016年11月25日(金)
幸せが詰まった一日
子ども食堂

和歌山市内での子ども食堂について協議を行いました。子ども食堂は和歌山市内で三か所あることを聞かせてもらいました。新たに「子どもカフェ」を始めた経営者と、子ども食堂と同じ性質の「子どもカフェ」の今後の運営について話し合いました。まずは地域から受け入れられる存在であること。子どもにどんな形で食事を提供していくのか。それとも子どもカフェで働いてお金を稼ぐ方法を身に付けてもらうのか。検討すべきことが多くあります。子ども食堂は新しい概念なので、政府としてはっきりとした定義は定めていません。民間で取り組んでいる事業者が運営方法を模索しながら事業化をしている段階なので、決め事や統一性はありません。

和歌山県として子ども食堂、子どもカフェの運営をどう発展させていくのかを、具体的事業者が現われたことから一緒に運営方法などを考えていきたいと思います。

この問題に関しては、フードバンクとの関連性を持たせることも必要だと考えています。

経営者との話

介護施設を経営している方を訪ね懇談しました。事務所に入って来た僕の姿を見ると「片桐さん、久しぶりです」と笑顔で迎えてくれました。

続けて「お久しぶりですが、活躍している様子は聞いていますから安心して見守っていました。みんなのために本当に忙しくされているようで嬉しく思っています。片桐さんの活動を見ていると、片桐さんはこんなところにいてはいけない人だと最近は特に思っています。生きた活動をしているので、地域のこともやって欲しいと思いますが、もっと大きな仕事をしてもらいたいと思っています。そのためには私達がもっと応援しなければいけないと思っています。小さな力ですが、できることがあれば何でもお手伝いをしますから言って下さい。例えば事務所の応接室も遠慮しないで使ってくれて結構ですし、レクリエーション室も使ってもらって結構です。私達は人が集まってくれる事業所を目指していますから、片桐さんが使ってくれるなら大歓迎です」と話してくれました。

そして「活動報告を読んでみても、多くの課題に挑戦していることや多くの人の期待に応えていることが分かります。私達は権力者を支えているのではありません。権力者を頼ることもしませんし、そんな人を慕っている訳ではありません。人柄が良くて、しっかりとした活動をしている人を応援しているのです。今日訪ねてくれたことを嬉しく思いますし、私も地域の皆さんに喜んでもらえる新しい取り組みをやろうと思っています。経営は私が任命した新しい社長に任せているので、これからは地域のお役に立てることを考えた行動をしようと思っています」と話してくれました。

この素晴らしい経営者は、会社経営は後任社長に任せるので地域活性化を目指した取り組みを始めています。「地域の皆さんに喜んでもらいたい」と話す経営者との懇談の時間は楽しくて幸せに満ちた時間となりました。

久し振りにも関わらず、また地元の皆さんと懇談中にも関わらず、温かいおもてなしをいただいたことに心から感謝しています。

書道教室
書道教室

書道教室の先生からメッセージと写真が届きました。その写真は、一人の生徒が自分の筆箱に「片桐章浩」のサインを貼り付けているものでした。このサインは、先週の金曜日、この書道教室を訪ねた時、小学生の子ども達が書道を習っている時間で、子ども達の稽古の様子を見るため教室に入ったのですが、子ども達が列を作って並んでくれて「片桐さん、サイン下さい」と依頼を受けたのでサインをしたものです。

子ども達が差し出してくれた硬筆用紙にサインをしたのですが、それを大切にしてくれているのです。「サインを貼り付けてくれているなんて嬉しいと思います」と話すと子ども達が次々に僕に話し掛けてくれました。

「この前はありがとうございました。握手をしてくれたので嬉しくてたまりませんでした。手を洗うのがもったいないので、あれから手を洗っていません」。

「サインをいただいてありがとうございました。とても大事にしています」。

「寝ていたら片桐さんが夢の中に出てきました。嬉しくて起きてしまいました」。

「今日来てくれたのでとても嬉しいです。本当に来てくれたのですね」。

こんなかわいい意見を伝えてくれました。

今日来たのは、書道教室の先生が、筆箱とサインの写真をメールしてくれたことがきっかけですが、先週子ども達とお約束したことがあります。それは「みんなにありがとうと思っています。お稽古の日は金曜日だと聞きました。来週かその次の金曜日にみんなに会いに来ますから」と約束をしていたのです。

先生から写真を添付したメールをいただいたので、「今日、今から行きます」と連絡を取りました。その時、電話の先で先生が生徒に向かって、「片桐さんがこれから来てくれますよ」と話している声が聞こえました。生徒たちから「わーっ」という歓声が上がっていることが分かるものでした。

そこから15分後、教室に到着した時、子ども達が教室の玄関まで出てきて僕を迎えてくれました。その時、子ども達が持っていたものが僕に宛てたお手紙です。次々に「お手紙です」と渡してくれるので、子ども達に向かって僕は次々に「ありがとう」と言って手紙を受け取りました。

子ども達から可愛いお手紙をいただき、とても嬉しくなりました。

子ども達は僕を囲むように近寄って嬉しそうな表情を見せてくれました。先生が「片桐さんが来てくれると子ども達が聞いた時は大喜びで歓声を上げていたのですよ。ところが片桐さんが来てくれると子ども達はおとなしくなりました。いつも賑やかな子ども達がおとなしくなったのは、片桐さんが来てくれて照れているからですよ」と話してくれました。

子ども達の表情を見ると確かに照れているようで、とても可愛いのです。そこで「お菓子をみんなと食べよう」と話したところ、子ども達は「先生、今日のお稽古はもういいですか」と聞きながら、もう鉛筆が止まってペンの代わりにお菓子を持っていました。

先生が「みんなが先週、片桐さんに会って、今日までとても喜んでいました。まさか今週も来てくれて会えるとは思っていなかったので、子ども達は嬉しく思っているのです。前も人が教室に来てくれたことがありますが、その時、子ども達はその人に対して、こんな近くに寄って行かなかったですし、今日のような笑顔を見せていませんでした。子ども達は片桐さんの優しさが分かるのだと思います」と話してくれました。

一枚の写真に反応して書道教室を訪ねたところ、子ども達との素敵で幸せを感じる時間を過ごすことができました。今日、教室の子ども達からもらったお手紙は大切な宝物だと思っています。お手紙を書いてくれた子ども達、僕に嬉しい連絡をくれた先生に感謝しています。

松井彬先生お祝いの会

能楽師の松井彬先生の「名誉博士号授与と古希を祝う会」に出席しました。松井彬先生は日本の伝統芸能をイギリスで伝えていることが評価され、ロンドン大学から名誉博士号を授与されました。今回のこの名誉に対するお祝いの会が開催されたものです。オープニングから松井先生の能の舞を鑑賞させてもらいました。松井彬先生が水谷川優子さんのチェロ演奏にのっての能舞は素晴らしく、感動の幕開けとなりました。

松井先生は日本の伝統芸である能を国内だけではなくて外国にも伝える活動をしています。若い頃からイギリスやアメリカでの公演や指導を行っていて、その日本の伝統芸能を献身的に伝える活動が高く評価されています。そんな高い頂に立っている松井先生が、昔と変わらず和歌山市を本拠として活動を行ってくれていることに感謝しています。和歌山市にいることで松井先生の能舞を観ることが出来るのですから、私達はとても贅沢な時間を持つことができるのです。

松井彬先生お祝いの会

そしてご縁とは不思議なもので、現在日本、しかも和歌山県に来てくれていた水谷川優子さんとマーク・ゴトーニさんがゲストとしてコンサートをしてくれたのです。マークさんのソロのヴァイオリン演奏、バッハの「無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番」は、聴いていて心が痺れました。和歌山城を背景に、もみじなどの紅葉の葉を飾りとしたソロ演奏は、その音色と背景の美しさで聴きいってしまいました。

その後、水谷川さんとマークさんが日本の歌を演奏してくれたのですが、クラシック演奏が専門の2人が日本の唱歌を演奏してくれたことは感動ですし、ふるさとの良さを感じさせてくれる演奏に拍手が鳴り響きました。

水谷川さんと話をした時、「今回は和歌山県を満喫しました。とても素敵なところだと思います」と伝えてくれたように、和歌山城を背景とした演奏会の素晴らしさも感じることができました。「和歌山県の秋は綺麗だ」と思いました。

松井彬先生お祝いの会

それにしても文化人はつながっているもので、お祝いの会に参加して今回のご縁を嬉しく思いました。

お祝いの会での松井彬先生の能の舞は感動しました。水谷川優子さんがチェロで日本の伝統的な音楽を演奏したことは新鮮であり、和と洋を織り交ぜた音色に浸りました。マーク・ゴトーニさんのヴァイオリンのソロは秋の静けさの中に染み込んでいきました。このバッハの演奏に浸れた時間は至福の時となりました。太鼓独奏をしてくれた大倉正之助さんの声の響きは強く印象に残るものでした。日本の伝統の誇り、しなやかな強さを感じることが出来ました。

まさか、こんなに素晴らしい演奏が用意されていたとは思いませんでした。参加して得した気持ちになるのはこんな会のことを言うのだと思います。

総括

それにしても幸せが詰まった一日となりました。

子ども食堂に熱心に取り組もうとしている経営者との協議。介護施設経営者の強い応援と励まし。書道教室で子ども達からもらったお手紙と交流した時間。松井彬先生のお祝いの会での感動。これだけの幸せが詰まった一日は滅多にないことだと思います。幸せに満ちた一日を贈ってくれた皆さんに感謝しています。