活動報告・レポート
2016年11月24日(木)
かめのこ作業所
かめのこ作業所
かめのこ作業所

和歌山市内のかめのこ作業所を訪問しました。建物が老朽化していることと施設安全面の強化を目的として、現在、作業所の建て替えを検討しています。新しい作業所は平成29年5月ごろに竣工予定なので、この夢を叶える計画に職員さんはワクワクしていることが分かりました。このワクワクを応援したいと考えて訪問したものです。

職員さんから話を聞いていると幸せについて感じさせられることがありました。障がいのある子ども達は、働けることを喜びに感じていることを伝えてくれました。社会の一員として仕事を通じて役に立っていることを感じられる作業所の仕事が大好きのようなのです。個々それぞれ得意、不得意があり作業内容は違うのですが、木工の組み立てを得意としている子どももいれば、袋詰め作業が得意な子どももいます。それぞれが役割を持ち、一つの仕事を完成させていきます。

子ども達は、自分に与えられた仕事を懸命に行っています。そこには「あの仕事の方が良い」だとか「もっとお金が欲しい」などの欲はありません。自分がすべき仕事があることに幸せを感じていることが分かるほどです。

仕事や作業環境に対する不平や不満を言うのではなく、仕事があることに楽しさを感じているようです。今日、皆さんは指導者の教えに沿って作業の合間に体操を実施していました。

職員さんから体操について解説を加えてくれました。「長時間、仕事を続けるよりも休憩を挟みながら、そして休憩時間に体操を取り入れることで効率が高まります。体を動かすことで脳に酸素が行きわたりますから、仕事の合間に休憩時間を取り入れて有酸素運動をすることが好ましいのです。体を動かしているように見えない子どももいますが、彼らはそれで楽しいのです」ということです。

かめのこ作業所

私達は多くのものを持っているので、大切なことに気付いていないのです。朝起きて挨拶ができること。仕事に出掛けられること。言葉を話せること。テレビを見ることができることなど、日常生活で当たり前に思っていることが、実は奇跡のようなことで、健康で元気に過ごせる毎日は奇跡の連続なのです。

私達の当たり前のように訪れている日常は奇跡の連続であり、自分で奇跡を起こしていることに感謝すべきです。作業所で働いている子ども達の姿を見ると、仕事ができることに大きな喜びを感じ、喜びに幸せを感じていることが分かります。私達は毎日繰り返させているだけの仕事に喜びを感じにくくなっています。喜びを感じなければ幸せを感じられませんから、毎日の仕事と生活の中に喜びを感じ、幸せだと思える心を持ちたいと思います。

当たり前だと思っていることが奇跡の連続なんだと思うと感謝の気持が生じ、幸せを感じられると思います。

職員さんが「言葉を見える形に変えて話をすると、子ども達は理解してくれます」と話してくれました。言葉を見える形にするには、形容詞を使わずに動詞などに置き換える必要があります。形容詞を使うと表現が便利になりますが、その表現がどんな姿なのか見え難くなります。「腕をしっかりと伸ばして」というと「しっかり」がどんな状態なのか、人によって捉え方が違いますからどんな状態なのか分かり難いのです。

言葉を見える形に置き換えることで動作が明確になりますし、人に伝わり易くなります。

言葉の見える化は、気付いた人から実践したいものです。

作業所内を見せていただいて気付きや学ぶことがたくさんありました。新作業所実現に向けてお手伝いをしたいと考えています。

ストレッチャー
ストレッチャー

持ち運びが便利で災害発生時などの時、災害時要援護者の皆さんが避難できるしくみを作りたいと考えて、軽くて折りたたみができるストレッチャーが開発されています。特に災害拠点となる病院や避難施設に設置しておくことは防災対策として大切なことだと考えています。津波や地震から逃げ切ったけれど、避難所の整備が出来ていなければ、二次災害につながります。過去の大災害で二次災害による死亡のケースが相当数ありますから、災害時要援護者の方々を救助することや安全な場所に移動するために持ち運びが容易なストレッチャーの導入は、大災害発生時に備えた取り組みとして効果的だと思います。

地震や津波が発生した場合、ます「逃げる」という行動を取ります。病院や高齢者施設で二階以上にいる人に早く一階へ下りてもらうことが最初の取り組みとして必要になります。まず一階に下りてもらうには、軽くて運びやすい、そして強さを兼ね備えているストレッチャーが戦力になります。

そんな日常でも利用でき、災害に備えた軽くて丈夫、そして持ち運びが容易なストレッチャーが開発されました。従来のストレッチャーは重くて折りたたむことが出来ないことから、救助者の持ち運びに負担があります。さらに、迅速に多くの災害時要援護者を助けることに難があります。

そこでこのストレッチャーが登場するのです。開発されたのは「自衛隊員など救助者が災害現場に持って行ける軽くて持ち運びが容易なストレッチャー」、「病院や高齢者施設で普段から活用できて、しかも災害が発生した場合に院外に避難させることが容易なストレッチャー」が必要だという要望に応えたものです。依頼された当時、開発者は「軽くて持ち運びができて、しかも強度があるストレッチャーは出来ない」と断ったのですが、その後、「必要とされているものであればできないものか」と考えて、開発に取り組み始めたようです。

ストレッチャー

そんな熱い思いを持った開発者の皆さんが和歌山県庁を訪れて、和歌山県立こころの医療センターにこのストレッチャーを寄贈しました。一人の命も失わせないという心温まる気持ちを持って、寄贈してくれました。開発者達の思いが形になった寄贈式となりました。