和歌山市内の書道教室を訪問したところ大勢の小学生が習いに来ていました。「先生、凄い活気がありますね」と先生に話したところ、「みんな楽しみに習いに来てくれているのですよ」と笑顔で話してくれました。子ども達の笑顔と先生の笑顔がとても素敵で、最初の瞬間から僕も嬉しくなりました。
そして「子ども達が笑顔なのは、笑顔でいられるような教え方をしているからだと思います」と話してくれたのです。「どんなところを注意しているのですか」と尋ねると、「間違いがあっても指摘は3か所までと決めています。それ以上、指摘すると書くことが楽しくなくなってしまいます。それよりも良いところ、良く書けたところを褒めることが能力を伸ばす方法だと思っています。だから書き方を指摘するよりも褒めるようにしています。良く書けた時は100点をつけるのですが、たまに1000点を付けると子ども達は飛び上がるように喜んでくれますし、600点をつけると大喜びなのです」と話してくれました。
褒められて嬉しくない人はいません。褒められることで自信が出てきますし、「できる」と思うことで成長速度は早くなると思います。
通常の書道教室は書くことに集中するため教室内はとても静かです。しかしこの教室では笑い声があり、子ども同士の元気な話し声が聞こえてきます。不思議に思ったので尋ねると「だって楽しい方が書道を好きになりますし、習い事を続けられますから」という返事でした。確かに習い事を「嫌々」習っていると長続きしませんし上達しません。好きで楽しいものが上達していくのです。
そんな子ども達の笑い声に引かれるように教室をのぞきに行ったところ、先生が「みんな、県議会議員の片桐さんですよ」と子どもたちに伝えてくれました。子ども達は県議会議員って何か分かりませんが、「先生の尊敬している人ですよ」と子ども達に話したところ、みんなが練習帳と鉛筆を持って僕のところに並んでくれました。
そして「片桐さん、サインして下さい」と話してくれたのです。みんな可愛い声で「サインして下さい」と言うので、「この要望に応えなければ」と思い、みんなの練習帳にサインをしました。子ども達は大喜びで歓声をあげてくれました。
そして笑顔に囲まれた中で、「ありがとうございます」、「ずっと大切にしますから」などの声をあげてくれました。子ども達の笑顔に囲まれることは、とても嬉しいことだと思いました。子ども達と接点の少ない人にとって、笑顔の子ども達に囲まれることは日常生活の中では体験できないことです。
「子ども達の笑顔からエネルギーをもらえる」と聞くことがありますが、この瞬間のような出来事を指すのだと思いました。子ども達の笑顔には力がありますし、先生の言葉を信じて発する可愛い言葉にも力があります。
でもこのことは子ども達だけが持っている力ではなくて、大人も持っている力だと思います。素敵な笑顔や、その人を信じて発するきれいな言葉には力があるのです。
私たちは人を元気にさせられる、人を幸せにさせられる、そんな力を持っているのですから、毎日のようにその力を使いたいものです。笑顔と言葉の力は使って減るものではなく、使うほど笑顔が素敵になり、言葉がきれいになるので、その力が増していくものなのです。
子ども達の笑顔とサインをした後に発してくれた言葉によって、人の持っている力を確信させてくれました。子ども達の笑顔に囲まれた人は、人が持っている笑顔の力を感じられると思います。その力を実感した人は、自分もその力を持っていることに気付いて、人のためにその力を使いたいものです。使えば使うほど、その力は強くなっていきます。
- 就職について相談を受けました。仕事は人の能力を高めてくれるものですから、就職はとても大切な人生の節目になります。分岐点に立っている人の気持ちは分かりますから、できるだけ応援したいと考えています。
- 給付型を始めとする奨学金について依頼がありました。高校生が進学する際に必要としている資金援助は大事な問題です。既存の奨学制度と共に政府で検討されている給付型奨学金制度の動向も見守っていきます。