活動報告・レポート
2016年11月9日(水)
決算特別委員会三日目
決算特別委員会三日目

決算特別委員会は最終日を迎えています。本日は教育委員会や商工観光労働部などの決算審査を行いました。僕からの主な質問内容は次のとおりです。

進学のための奨学金に関して不能欠損や裁判所の決定による債権放棄があります。金額にすると約55万円ですが、奨学金も税金ですから時効の援用がされていることなどから回収のための取り組みが欠けていたのではないかと思います。時効になるまでに十分な交渉をすべきだと思います。

進学のために借りた奨学金の返済は社会人として当然すべきことです。二人で約55万円の債務ですから、学校を卒業して社会人として働いているなら返済できない金額ではないと思います。返済できない理由が破産や時効の援用ですから、良い社会人になっているとは思えません。和歌山県が奨学金を支出して進学できたのですから恩を感じるべきであり、社会人になった時、高校生の時に受けた恩を忘れてしまうような人物に成長していることが問題です。

教育委員会としては貸し付けの時に、よき社会人となるような指導も必要だと思いますし、奨学金を受けた生徒に対してその後も見守る必要があると思います。和歌山県が奨学金を支出しているのですから、よき社会人になるように指導すべきだと思います。債権放棄をした二人が学校を卒業後、よき社会人となっているとは思えません。きちんと就労しているかどうかも含めて、今後の奨学金貸し付け時の指導のあり方を考えて欲しいと思います。

スクールカウンセラーが学校に入ることによっていじめや不登校の減少に努めています。効果が出ていると思いますが、スクールカウンセラーも本業を持ちながら活動をしているため、一人で3校以上の学校の面倒をみていると十分な時間が確保できない状況になっていると思います。ただスクールカウンセラーを増やせば良いと言うものではないので費用対効果の問題で評価することは難しいと思いますが、評価できるようなしくみを作れないものかと思います。

スクールカウンセラーは本業を持っていて忙しい人が多いようです。忙しい中、学校に入ってくれているので更に忙しい状況だと思います。それに加えて働きと比較して報酬が少ないように思います。報酬のあり方を見直すなど、更に協力してもらえるようにして欲しいと思います。ただ報酬が少ないからと手抜きをしている人は一人もいませんが、報酬の話は切り出しにくいと思いますので不登校やいじめ対策のために、スクールカウンセラーの処遇見直しの検討も必要だと思います。

国際人育成プログラムで小学校と中学校の先生に対する外国語研修を行っていることは評価できます。しかし研修受講者がそれぞれ50人と少ないように思います。この人数は定数で上限が決まっているのでしょうか。外国語教育の重要性は言うまでもありませんから、この事業に成果が出ているのなら、もっと研修人数の定数を増やすことが必要だと思います。

学力向上のための取り組みとして指導力に優れた元教師に学校に入ってもらっています。それらの学校の学力の平均値が上昇するなど成果がでています。この事業の決算は採用人数51人に対して約1,000万円なので、費用対効果がでていると思います。成果の出ているこの事業を拡大することも考える必要があると思います。優秀な指導力を持った元教師はたくさんいますから、協力してもらえるように考えて欲しいと思います。

就職面接会でマッチングの取り組みがなされていますが、求人数4,071人に対して内定者が176人と少なく、内定者の成果が少ないように思います。スキルの問題なのか、企業の求める人材レベルになかったのかなど、何が問題なのか検証が必要だと思います。

最近の傾向として正規採用が減少し非正規雇用が増加しています。全国的な傾向ですが、和歌山県も同じ傾向にあるといえます。非正規雇用の内訳を見ると契約社員が増加しているようです。将来とも和歌山県で働き定住してもらうためにも、非正規採用から正規採用に向かわせる取り組みが必要だと思います。

進出企業の中には約30億円の投資を行い、100人の正規雇用を検討している企業がありますから、和歌山県への進出を歓迎したいと思います。製造業の県内進出は雇用に対して大きな効果がありますから企業進出について継続した取り組みが必要だと思います。

決算を見ると中小企業への融資事業に力を注いでくれていることが分かります。しかし新規事業や成長産業に対する融資が前年度と比較して減少し、資金繰り需要に対する借り換えへの貸付が増加しています。それはそれで良いと思いますが、若い人への支援や起業支援が増えることが活力につながると思います。借り換えへの融資も大切ですが、新規事業や成長産業への融資も増加するような支援が必要だと思います。

中国コーディネーターを採用することで中国ビジネスへの進出の窓口になっていますが、相談件数が3件と少ないように思います。折角、相談窓口を設けているのに利用している人が少ないようなので強化して欲しいと思います。

和歌山県では企業の経営革新計画の承認をしていますが、承認を受けた企業は何のメリットがあるのでしょうか。詳細な事業計画を策定し県の承認を受けている企業に対するメリットの享受が少ないように思いますから、金融機関などに経営革新計画承認企業の良さを伝えるなどして欲しいと思います。

コンベンション誘致事業の成果として平成27年度の誘致件数が12件と成果が出ています。しかし次年度の予算はゼロとなっています。成果が出ている事業ですから継続が必要だと思います。

外国人の観光客の誘致事業は大きな伸びを示し成果を見せています。外国人観光客は今後とも増加すると思いますし、この成果はとても歓迎すべきことですから継続して欲しい事業だと評価しています。しかし観光目的は和歌山県ではなく、京阪神のホテルが不足していることから、和歌山県内に宿泊しているという噂もあります。今後のことを考えると和歌山県を観光してもらう仕掛けが必要だと思います。ホテルに溢れた外国人観光客が来ているという状況ではなく、和歌山県に観光に来ているという状況になるようにすべきなので外国人観光客の誘客への取り組みを強化して欲しいと思います。

平成27年度でおもてなし事業が終了していますが、成果を挙げて歯止めできたからなのでしょうか。今後とも観光振興を強化していくとすれば、おもてなし事業の継続は必要だと思います。

再生可能エネルギー創出事業の中で地熱発電の調査を行っています。県内に有望地はあるのでしょうか。