専門家は専門家の経験とノウハウがあり、第三者には分からない知見を有していることを教えてもらいました。例えば飲食店の場合、人で賑わっているお店とお客さんの数が少ないお店があるとします。しかし人の出入りだけで利益を図ることはできません。
お客さんで賑わっていても利益率が低かったり、食材の廃棄率が高いことも考えられます。メニューを増やすとお客さんの選択肢が増えますが、食材のロスが増えるので利益率は低下することになります。
逆にメニューを絞ることで食材の数を減らすことかできますから、ロスが少なくて済みます。お客さんが少ないのは、常連客が好むメニューに絞って提供する経営方針のお店であるかも分かりません。
そう考えるとお客さんの人数よりも、利益率が高くなるような単価設定やメニューの開発に向かうことも戦略です。ピーク時のお客さんの回転率を上げることを考えるよりも、利益率が高くて評判の良いメニューに絞って提供することも方法です。また他のお店のピーク時と競合を避けるような軽いメニューに特化し、11時からのお客さんや15時から夕方までに来てもらえるようなしくみにすることも方法です。食べることを目的にするのではなくて、ミーティングや打ち合わせ、雰囲気を楽しむための飲食店を目指すことも戦略だということです。
これらは代表的な例ですが、プロは素人が気付かないノウハウを有していて、お客さんが快適に感じるような空間を作り上げているようです。そのノウハウに価値があり、どこの地域でも水平展開が可能なので、フランチャイズビジネスが成り立っているようです。フランチャイズの権利にお金が必要なのは、プロが長年に亘って開発したビジネスノウハウを瞬時に入手することができるからです。自分が有していないノウハウや経験を得ようと思うとお金が必要となります。何も形がないものなのでノウハウにお金を支払うことを躊躇することがありますが、チャンスを掴んでいる人は信頼とスピードでもってビジネスをしています。
形のないものを信用するのは、その人に対する信用があるからです。結局、人は信用が大事で、信用こそ価値のあるものなのです。ですから「信用できる人と仕事を行いなさい」、「信用のできる人とパートナーを組みなさい」と言われますが、世界で活動するために共通しているのは信用力だと思います。
安原地区公民館文化祭に行ってきました。今年で8回目の開催となる文化祭は、地域の皆さんが文化祭のための作品作りに取り組む目標となっているようです。今回も写真、絵画、洋服作り、絵手紙などの力作が並び、見応えがありました。その中で写真作品の作者がいたので、作品についての話を聞かせてもらいました。
この作品は「収穫」というもので非常に珍しい光景でした。この田のある地域では農業の従事者が高齢化し、かつ後継者が不足しています。そこで地域外の人にオーナーになってもらい、この田は東京の○○さん、この田は大阪の△△さん、というように、田を借りてもらいます。田植えの時と収穫の時、最低一年に二度、この地域に来てもらい一斉に田植えや収穫を行っています。都会の人は田植えや収穫を家族で行い、とても楽しんでいるようです。写真はその収穫の風景を切り取ったものです。大勢の人が収穫作業を楽しんでいる様子が伺えます。
この取り組みは地域興しになり、また農業従事者の皆さんの日常の田の管理の楽しみになり励みになっているようです。また借りてくれているオーナーが収穫の時に喜ぶ顔を見ることを楽しみにしているようです。
作者の話を聞いて作品を観ると、とても理解が深まります。一つの作品を作り上げるための時間と苦労、そして楽しみを知ることが出来ました。秋晴れの日、安原の皆さんの文化作品を楽しませてもらいました。