日頃から緊急時に備えた体制を取っておくことを念頭に置いてライオンズクラブではアラート委員会を設置していますが、特に、巨大地震や津波への備えをするため、クラブの枠を超えてアラートチームを発足させました。その第一回目のメンバーミーティングが大阪市内で開催されました。
組織は予算の伴う支援や人の派遣や物資の調達などは、執行権限者の決裁や役員会などで決定します。通常の場合はそれで良いのですが、緊急時は即座に対応することが必要となります。時機を逸してしまうと支援の意味がなくなるばかりか、被災地に迷惑を掛けることがあるからです。
今日の事例の紹介にもあったことです。以前の震災時の対応で、ライオンズクラブに対して被災地から必要な支援物資を送って欲しいと依頼がありました。理事会に諮る時間がないことから緊急対応として地区が各クラブに対して物資の応援依頼をしました。多くのクラブは賛同し物資を地区に届けましたが、一部のクラブから苦情が寄せられたのです。
それは「理事会の承認を得てからでないと物資の購入は出来ません。上位機関の地区ですから組織としての対応をして欲しい」という意見だったようです。つまり地区で理事会を開いて被災地への物資支援について組織決定を行い、それから各クラブに対して支援依頼を行い、依頼を受けた各クラブは理事会を招集し、物資支援の決議と必要な物資の購入を行うことを求めたものです。
その当時の地区は被災地支援を最優先していたことから協力してくれるクラブからの物資が届くのを待っていち早く被災地に届けました。依頼をした被災地の皆さんから「迅速な対応をしてくれたことに感謝しています」というお礼が寄せられました。
アラート的な役割を果たしホッとしていたのですが約一か月後、被災地から連絡が入りました。「○○ライオンズクラブさんから物資が届きましたが、もう被災地では次の段階に入っているので、必要としているものが違っています。依頼した物資については被災当初は必要としていましたが、ライフラインが復旧した今はそれほど必要ではなくなりました」という連絡だったようです。
被災地の状況や時期に応じた支援のやり方があります。時機を逸すると支援して欲しい要望が異なってくるので、過去の情報に基づいた支援物資の提供ではなくて、今現在欲する物資などの提供をすべきなのです。
結局、非常時は組織決定を後回しにして支援を最優先することが大切になります。このことを例え話として、「川で子どもが溺れているのに、救助することを理事会で決定していないから『坊や、理事会を開いて救助することを決めるからそれまで頑張って』と声を掛けるようなものです」と話してくれました。非常時に何をすべきかを考えると、必要な行動を取ることができます。そんな人を救うために必要な当たり前のことを実行することが支援です。
アラートチームは組織に囚われない行動をするチームです。熊本地震でも行動していますし、過去の大災害に対してもいち早く支援している事例を紹介してもらいました。
巨大災害発生時に必要なことは、現場との情報交換ができるしくみを作っておくことと、必要な支援について連携できること。そして被災地が必要としている物資や人的支援を即座に実行できることです。巨大災害発生時に即座に実行できるメンバーでアラートチームを作り、チームで即座に行動できるような情報連携と体制を整えておくことを目指しています。
そのため第一回目となる今回のミーティングでは、関西広域連合、大阪府社会福祉協議会、そしてライオンズクラブからアラートについての説明を聞かせてもらいました。
まずは自助、近助です。支援者になるための準備を整えておくことです。そして災害があっても、なくても、安心と安全、安住の地域を目指す平時の取り組みが最も大事であることを共通の認識としました。日常の情報連携とチーム編成がとても重要となります。
今夏、熊本地震の現場に入ったばかりであり、昨日発生した鳥取地震への対応についても考えていた時なので、今回のアラートチームミーティングはとても勉強になりました。
アラートチームに所属したこと、そして今回のミーティングに参加したことをとても良かったと思っています。
- とても大切に思っている方の奥さんが闘病生活の末、お亡くなりになりました。心からお悔やみ申し上げます。最期の時、「ありがとう、ありがとう」の言葉を何度も親しい方々に伝えていたと聞きました。その言葉と気持ちに心が暖まります。心からご冥福をお祈りしています。
- 地域全体の防犯対策、通学路の安全確保などに関して話し合いました。やれること、できることからやってみたいと考えています。