活動報告・レポート
2016年10月18日(火)
国際社会で通用する人材
国際社会で通用する人材

「企業は国際社会で仕事のできる人材を求めています」と切り出してくれました。人材は国際社会で通用する人を求めていることが分かる事例を紹介してくれました。例えば中国では、以前は日本に留学していた学生が多かったのですが、最近はアメリカに留学するケースが多く、日本への留学は減少しているようです。それは「ビジネスはアメリカで勉強する必要があるから」です。世界のスタンダードなビジネスを教えてくれること。国際社会で通用する人材を育成しようとしていること。そして将来の人脈づくりのためです。

アメリカの大学はこれらの条件を満たしていますが、日本の大学は条件を満たしていないようです。そのため中国は技術力や発想力を持つ人材が増えているうえ、マネジメント能力の持った人材を次々に輩出しています。日本人との比較を聞いたところ「中国の方が国際社会で通用するマネジメント力を有していると思います」という評価でした。

日本人が思っているような人材ではなく、マネジメントできる人材がたくさんいることから、「国際社会でビジネスをするのであれば、中国人を採用した方が良いと思います」というレベルだそうです。外国の優秀な人材は、私達が想像している以上の実力を持っているようです。

そして本物の人材を採用出来たら「ダイヤモンドを手に入れたようなものです」と話してくれたように、国際社会で通用する人材がいるかどうかで企業の将来も左右されるという話です。

残念なことに日本人の評価はそれほど高くないようです。お会いした社長は、「日本国内で仕事ができる人材はたくさんいますが、国際社会で活躍できる人材は中々いません。私の会社では外国を相手にビジネスができる人材の公募を行い私が面接しましたが、求める人材は一人もいませんでしたから採用はゼロです。語学ができる人はいましたが、ただ語学ができるだけです。中国語ができる、英語ができるだけで企業は採用する時代ではありません。語学力があってビジネスをする相手の国の文化や歴史、考え方をよく知っている人を求めています。国際社会でビジネスを行うためには、相手の国のことを知り、その国の人と付き合いができて信頼関係まで発展できる能力が必要となります。語学力に加えて相手国のことを理解していることが国際社会で通用する人材の条件です。日本人が一番偉くて相手国のことを見下すような人材は不適格ですし、相手国に敬意を表する人でなければビジネスはうまく行かないと思います」と話してくれました。

アメリカも中国も、アジア諸国も人材は国境を越えて活躍しています。「日本も教育を変えなければ世界の流れについていけないと思います」と意見をいただきました。

偉人教育

平成28年9月以降、陸奥宗光に関しての話をいただいています。「陸奥宗光のことは学校で教えるべきだ」、「陸奥宗光の功績の評価は低いように思います。もっと教育で取り上げなければ歴史で果たした役割を正確に伝えられないと思います」などの意見です。

そして、坂本龍馬が暗殺された後、アーネスト・サトウからのイギリスの情報を基に大政奉還の必要性を感じ取り、改革案をまとめ岩倉具視と面談し、大政奉還から明治維新へと導いたのが陸奥宗光だという話も改めて聞かせてもらいました。

当時、世界の覇権国であるイギリスの情報を入手し対応することがわが国に必要なことだと思っていたので、イギリスの情報を基にして岩倉具視と会談するのです。後に岩倉使節団を結成することになりますが、その動機付けをしたのが陸奥宗光だったということです。勿論、陸奥宗光もイギリスからの情報の重要性を理解していたので、通訳を通してではなく直接、外国の事情を知りたいと思い英語の習得に向かったのです。

情報収集力と行動力が明治維新に必要な力だったのです。わが国はこの郷土の偉人を無視することはできません。正しい認識をした後は、わが国の基礎を築いた偉人の功績を子ども達に伝えるための教育が大切になってきます。今後は偉人教育についても取り上げていきたいと考えています。