活動報告・レポート
2016年9月27日(火)
県議会
県議会

平成28年9月県議会も終盤戦に入っています。人事案件議案の追加提案があり、明日の最終日に採決することにしました。また意見書案も提出されたことから、会派会合で議論を交わしました。意見書案の採決も明日の最終日となります。

特別委員会
和歌山県長期総合計画素案

本会議終了後、行政改革・基本計画等に関する特別委員会が開催されました。特別委員会委員として委員会に参加しました。今回は、現在策定中の「和歌山県長期総合計画」の素案を審議しました。この計画案は、平成29年度から平成38年度までの10年間で達成すべき政策の素案で、10年後の和歌山県のあるべき姿を描こうとしています。

これまで県議会、市町村、民間団体、有識者の方々から意見や提言をもらって作成してきました。素案が固まったことから、これから最終の計画案を策定していくことになります。

計画案では現在の和歌山県の現状と課題とが記され、ここを起点としてどう発展させていくかを政策として決定していくことになります。素案ですから骨子だけですが、ここに政策論議の中から導かれる案を記載し、仕上げていくことになります。

計画案で示された将来像は、5つの項目に分類しているので、今後、具体策を議論していくことになります。

分類は、「ひとを育む」、「しごとを創る」、「いのちを守る」、「くらしやすさを高める」、「地域を創る」の5項目です。それぞれの項目を政策に展開することになります。

僕からも意見提言しました。

長期総合計画ですが、それぞれの取り組みを10年後に達成させるためには単年度毎に達成度を見る必要があります。結果の是非を見るためには指標が必要で、現状と目標を数値化する必要があります。現状が○パーセントだから、1年後は○○パーセント、5年後は○○○パーセント、10年後は○○○○パーセントになっていることが分かるような数値目標を掲げる、または決めることが必要です。目指すべき理想は言語表現で良いと思いますが、目標の達成度を計るためには数値目標が絶対に必要です。

民間企業において、売り上げ達成度や品質管理などで数値目標のない目標を掲げている企業はないと思います。結果は数値で計ることが原則で、年度末に「良くやったね」などの言葉で総括している企業はないからです。

その原則からも、施策は可能な限り現状を数値化させ、10年後のあるべき姿も数値化しておき、達成度を確認できるようにして下さい。

また10年後の目標値を掲げるだけではなく、1年後の目標数値、3年後の目標数値なども決め、毎年達成度を数値で県民の方々に公開すべきです。長期総合計画で示される施策と目標は県民との約束だと思うので、達成度は数字で見える形にして示すべきです。

ただ和歌山県長期総合計画では総花的になるのは仕方ないので、今後作成することになる各部の計画で具体的な取り組みを示してもらうことを要望します。

そして部長方針の計画ともなれば具体化したものになりますから、取り組んだ結果を数字で示し、毎年、進捗状況を公表して下さい。

毎年の数字が目標達成に向けて難しいものになっているなら、毎年チェックすることで修正は可能となりますし、技術や社会が大きな変革の波に晒され、現在、策定中のこの長期総合計画が用をなさないようになったとしても、この計画案は現在考えられるベストな計画案ですから、しっかりと取り組んで成果を出していれば、どんな時代にも対応できると思います。

現段階でベストな計画案の取り組みが芳しくなかったとすれば、時代が変わったからこの計画を「なしにして、新しいことに取り組もう」とはなりません。政策はこれまでの、そしてこれからの積み重ねだと思います。突然、これまで考え付かなかったような新しい政策が突然出現することはありません。

それは毎年打ち出される方針や新政策を見ても明らかです。前年度の流れとは全く違う大きな政策の転換は僕が議員になってからの流れを見てもありません。

要は土台をしっかりとしておけば時代に対応できるものですし、今ベストだと考えている計画案を検証できる形にしておく必要があるということです。

 別の施策の議論になると細かくなるので、今日はそこまで踏み込みませんが、全体的に感じることを意見として伝えます。

この和歌山県長期総合計画のテーマ「世界とつながる 愛着ある元気な和歌山」は世界を目指す姿勢が示されていて良いと思います。

その中の項目で、「ひとを育む」として、「学力の向上に取り組み、全国学力・学習状況調査で全国中位を実現します」というのがあります。世界を目指している割に、学力で全国の中位を実現させるだけでは物足りないと思います。世界どころか日本でトップも目指す覚悟がなければ目指すべきところに辿り着きません。せめて「全国上位を実現します」ぐらいの目標設定が必要だと思います。

そう表現していないのは、「高いところに目標を定めると、後の評価の時にしんどくなる」という思いが潜んでいるように感じます。今から逃げ道を作っているような感じがあるので、この他の施策でも同じように「逃げ道」を作っているように思うのです。

もっと「日本一を目指します」、「世界レベルを目指します」ぐらいの意気込みでこの計画案を表現して欲しいところです。

スポーツでも文化でも、ビジネスでも若い世代は世界を目指しています。「全国で中位を目指して」世界に届く人はいません。またこの和歌山県長期総合計画が完成すれば、ホームページに掲載されると思いますから、全国の人が見ることができます。そんな時、この目標であれば「和歌山県は学力レベルで、全国で中位を実現することを目標に掲げている」 と思われるので、これは目標として恥ずかしいと思います。

これは一例ですが、逃げ道を作っていることや、結果がでなかった時のことを考えて、低い目標を目指すとも取れる表現や、曖昧な表現は、この際、止めておきたいと思います。

「10年後の和歌山県はこうありたい」という強い気持ちを込めた施策であって欲しいと思います。

以上のような主旨の提言と質疑を交わしました。より良い長期総合計画になるよう議論を行い、この計画のレベルを高めていきたいと考えています。

議会報告会
片桐章浩を応援する会議会報告会

「片桐章浩を応援する会」の議会報告会を開催しました。今回が同会主催の49回目の議会報告会となりますから、ポスターを見て「凄い」と思いました。単純に49回目ですから4年間も継続していることになります。その間、清掃活動や懇親会なども行っているので、実質50回を超えています。ですから5年以上継続していることになりますから、この会の取り組みを誇りに思います。

来月は記念すべき50回目となる予定ですから、開催日を決めて準備を整えることにしています。

さて49回目の議会報告会は、先週行った一般質問と、本日の特別委員会で審議したばかりの長期総合計画素案について説明しました。

一般質問の中から、「明治維新、大政奉還から150年」、「感震ブレーカーへの支援」、「和歌山市塩屋で発生した拳銃発砲事件」を取り上げて、解説を行いました。

大政奉還や明治維新は歴史上、和歌山藩とも関係していることを説明しました。和歌山藩の実行した版籍奉還は後の廃藩置県のモデルとなり明治維新の先駆けとなったことや、陸奥宗光が開国に向けて尽力した歴史を伝えました。郷土の優れた先人達が築いたわが国の歴史を知ることが和歌山県にとっての誇りであり、後々に伝えるべきことです。

説明を聞いてくれた皆さんから「大政奉還や明治維新150年の流れに和歌山県も関わって欲しい」という意見をいただきました。明治維新は近代へと続く歴史の大きな節目です。その節目の年に開催される式典やイベントに和歌山県が関わらないことは、流れに乗れないことになります。時流に沿うことはとても大切なことであり、平成29年は陸奥宗光シンポジウムで偉人の功績を再認識し、盛り上げを図りたいと考えています。

片桐章浩を応援する会議会報告会

また、感震ブレーカーへの支援制度を前向きに検討していくことになった経緯を説明しました。大震災が発生した時は一刻も早く避難するために、頭も体もパニックになると思います。逃げる際にブレーカーを落としてから避難する人はいないと思いますから、感震ブレーカーを採用することで通電火災を防止することができます。

中でも要援護者の方には防災のための支援が必要なので、補助制度は絶対に制度化すべきことだと考えています。身近な防災対策なので、市町村の支援制度になると思いますが、和歌山県が協力して制度設計していくことを期待しています。この制度も前向きに進められることになりますから、市町村の今後の動きに期待しています。

そして発砲事件に関しては和歌山県警察本部長のコメントを紹介し、事件発生後の安全確保のために実施したことや再発防止の取り組みなどを説明しました。多くの和歌山市民を不安に陥れた発砲事件ですから、市民の安全を守る行動と再発させない取り組みが必要になります。県議会でこの問題を取り上げたことで拳銃や麻薬の入手ルートの調査など、まだ事件が継続していることの認識ができ、県民の代表として本会議で質疑を交わせたことは評価できるものと考えています。

最後に和歌山県長期総合計画素案の資料配布と説明を行い、年末までに計画案を固めていくので気付いた点、記載すべき施策、改善案があれば来月の議会報告会で提言して欲しいことを伝えました。和歌山県の将来計画は県民である私達が関心を持つべき事項であり、意見を聞いてくれる機会があることで県政が身近なものになります。

参加した方から「今日も参加して良かった」、「議会活動が良く分かりました」、「和歌山県の将来は私達が考えるべきものだと認識できました」、「いつも議場で発言してくれていることを嬉しく思います」などの意見を聞かせてもらいました。参加してくれた皆さんに感謝しています。