活動報告・レポート
2016年9月13日(火)
一般質問打ち合わせ
一般質問打ち合わせ

昨日に引き続いて一般質問の打ち合わせを行いました。一般質問の通告は今週の金曜日なので、質問内容を詰めているところです。

今日現在、4項目を取り上げることにしています。

  1. 外国人観光客の受入体制について
  2. 明治維新、大政奉還から150年の取り組みについて
  3. 防災対策について
  4. 拳銃発砲事件への対応について

以上の項目を予定しています。明日も打ち合わせを行うことにしています。

偉人を巡る観光

和歌山市の観光の弱点について議論を交わしたところそれが見つかりました。歴史があり偉人も輩出していることから物語はありますから描けるのですが、偉人の存在を示すものが少ないのです。例えば生家や子どもの頃育った家屋、活躍した拠点、物語の舞台となる場所などが少ないのです。そのため和歌山市に来てくれた時、偉人の物語を語って案内して感動してくれる場所がないのです。

例えば明治政府で活躍した陸奥宗光の存在を求めて和歌山市に来てもらったとします。陸奥宗光が活躍した痕跡を示す現存しているものがないのです。あるのは岡公園に立つ銅像、生誕の地の碑などですが、陸奥宗光の物語を知るための材料が少ないように思います。観光客に語り部が付いた場合は案内の対応ができますが、お客さんが個人で周遊する場合は物足りなさを感じると思います。

資料館や展示館などがあれば、偉人のことを知り学ぶことが出来るのですが、この点を残念に感じています。和歌山市出身の多くの偉人達が生きた時代にあったものが残っていないのです。

現在NHK大河ドラマで放映中の「真田丸」を観光地化するために、和歌山県九度山町で は真田ミュージアムを設置しています。観光の拠点があることでお客さんに来て楽しんでもらえることになります。真田ミュージアムがなければ、真田庵があっても展示物や大河ドラマを知り、歴史を知るための拠点が不足していたと思います。

同じように映画「海難1890」の舞台となった串本町にはトルコ記念館があります。ここは観光客が訪れる拠点施設となっていますから、満足度の高い観光につながっています。

もし、トルコ記念館がなければエルトゥールル号の遭難した海岸を見ることが出来ても、エルトゥールル号の歴史や資料を見ることはできなかったと思います。

これらの例から、やはり観光には拠点施設が必要だと思います。

対して、和歌山市には偉人が活躍した舞台やそれを示す現存するものがないので、滞在し体験できる観光地にはなり難いのです。

それでも和歌山城内にあるわかやま歴史館は、紀州徳川家のことや近世の偉人について学ぶことができますから、県外の人を案内しても安心できる施設となっています。

繰り返しますが、残念なのは偉人の活躍した舞台がないことです。

そこで点在する銅像や碑などを結ぶことで偉人を巡る周遊コースを作れないだろうかと話し合いました。陸奥宗光の銅像と南方熊楠の生誕地、勝海舟が訪れた場所をつなげて和歌山市を周遊することも観光施策として考えられます。ここでも案内できる語り部が付き添うことで観光効果が強まりますから必須ですが、このような偉人を巡る周遊コースを設定し観光につなげることも考えられます。

陸奥宗光、雑賀孫市、太田城など、和歌山市に関係する郷土の偉人や歴史の痕跡が少ないことが観光地としての問題です。これまで郷土の偉人を大切にしてこなかったツケが回ってきているように思います。

郷土の偉人を私達和歌山県の誇りだと思っていたなら、当時、偉人の足跡を残す取り組みをしていたと思います。クーデターでもない限り、近代における郷土の偉人の足跡を消し去るようなことはしません。

先送りしてきた課題を解決しておくことが後世の県民のためになります。郷土の偉人の功績に誇りを感じること。先人が築いてくれた故郷を誇りに思うこと。その誇りを受け継いだ私達の郷土に観光に来てもらうこと。それが私達のすべきことです。

なくしているものを取り戻すことはできません。郷土の偉人の足跡を復元することはできませんが、後の時代に造ったものであっても銅像や記念碑などの偉人たちを顕彰するものがあれば、観光地になり得ると思います。

故郷の偉人たちの生きた現場がないという現状を克服し、偉人の生きた歴史を観光につなげたいと考えています。