活動報告・レポート
2016年8月20日(土)
玉置神社
支部大会

関労新宮支部定時大会にお招きをいただき出席しました。和歌山市から最も離れた場所に位置する新宮市ですから、県政の動きや対応している状況を伝えたいと思い、挨拶の中で活動と思いを伝えました。移動距離と時間の問題があることから、年に一度程度の訪問になっているので、この機会を活用して僕の活動や一般質問の内容、県政の課題などを伝えたいと考えていました。今日の挨拶の内容が、代議員など参加した皆さんの心に届けられたら嬉しいことです。

串本町
串本町

和歌山県串本町にトルコ記念館があります。エルトゥールル号事件を後世に伝えるために建設されたものです。この記念館の眼下には、エルトゥールル号が遭難した岩礁があります。この岩礁は「船甲羅」と言われていて、波が荒い海の難所となっています。今日も日本に近づいている台風の影響からかこの海域の波は高かったです。

明治23年9月16日のエルトゥールル号が遭難したこの海は、記念館の人の言葉を借りると「今日の波の荒れ方など優しいものだったと思います。軍艦が船甲羅まで押し寄せられたほどの波だったからです」と言うとこです。この岩礁で遭難した乗組員を嵐の夜によく助けることができたと思います。この串本町大島の人たちがいたからこそ、日本とトルコの友好の歴史がこの後に刻まれていくことになります。そして現代に生きる私達はその恩恵を受けることができているのです。

串本町 串本町

そのことは映画「海難1890」で描かれています。平成27年12月に公開された映画の反響があり、今日もトルコ記念館や樫野崎灯台には大勢の人が訪れていました。観光と共に日本とトルコの歴史を知る機会となり、ここを訪れた人がこの友好の歴史を伝える人になって欲しいと願っています。この場所を訪れることで、日本とトルコの友好関係の歴史の語り部になることができます。

串本町

また「必ず訪れて下さいね」と聞いていた海金剛の美しさと迫力は、言葉で伝えられない程のものです。優れた写真集に掲載されているような素晴らしい光景が眼下に広がっています。エルトゥールル号の歴史と共にあるこの光景も忘れることはありません。

串本町

映画の題材になった場所、ロケ地となった場所には感動があり、歴史の関わった人の思いを伝えたいという心が芽生えてきます。

玉置神社

奈良県十津川村にある玉置神社は特別な神社だと思っています。それは29歳の時に初めてこの地を訪れたのですが、その時「あなたは選ばれた人ですね。ここに来ることができたのですから。ご縁がなければ来たくても来られない人はたくさんいるのですよ」と言われたことを覚えています。

その時、「玉置山は生きていますから、来て欲しくない人が山道を走っている時は落石をさせたり雨を降らせたりして入山を断ります」とも話してくれました。

玉置神社

境内には3000年の生を受けている神代杉や夫婦杉があり迎えてくれました。「3000年も生きている杉ですよ。触ってみて下さい。息遣いが感じられるでしょう」と話してくたれことを思い出しました。そこで杉の皮に触れてみると、しっとりとした温かさを感じることができました。この温かさが自然や人に受け入れられて、これまで生きてきたように感じます。

もう一つ思い出したことがあります。玉置神社の境内に座り「砂を掴んでみて下さい。掴んだら、別の場所にある砂を掴んで下さい」と話してくれました。「砂を掴んでいては別の砂を掴めませんが」と答えると、「そうでしょう。人生で何かを得ようと思ったら、いま持っているものを手放す必要があります。自分一人でたくさんのモノを得ることは出来ないので、新しいモノを欲しいと思ったら、自分が持っているものを人に分け与えることです。手を放すことで新しいものを手に入れることができます」と答えてくれました。

このように人生とは選択の連続で、得たものは人に渡すことで新しいモノを得ることができるものなのです。たくさんのモノを抱えていては新しい動きをすることができないのです。その時、玉置神社に招いてくれた先輩方から、人生の心得を教えてもらいました。

今は自分が伝える番になっています。自分が得たモノを人に分けること、伝えることがこの年齢である自分の役割になっています。

同じことを伝えたいと思います。「玉置神社に来ることができるのはご縁のある人だけですから」、「来たくても来ることが出来ない人がいます。ここに来ることができるのは何かの役割を与えられている人です」、「3000年生きた杉に触れてみて下さい。人生は短くて、ちっぽけなものだと知ることができます。だから与えられた短い命を人のため社会のため、地球のために使う必要があるのです」などの話です。

いつしか人生の先輩になっている僕にできることは、人生から学んだことを伝えることです。

玉置神社

玉置神社があるから紀伊半島は守られています。玉置神社は日本の臍となる重要な場所です。玉置神社から北に一直線の場所に平城京、平安京が都として定められた歴史があります。東の一直線上には伊勢神宮と富士山があります。西に直線を伸ばすと出雲大社があります。この配置は偶然ではなくて、玉置神社が日本の中心であり、全ての活動の源は玉置神社にあることを示しています。ここを訪ねられることは幸運なことであり、選ばれた人であるという言い伝えは本当のことだと思います。