玉岡泰治さんの水彩画展が和歌の浦アートキューブで開催されます。期間は平成28年9月19日から25日までの一週間です。今回は和歌の浦アートキューブが主催してくれることになっています。
玉岡さんは会社を定年退職してから水彩画を習い始めました。習い始めてから17年間の間に書いた作品、約100点を今回の水彩画展で展示することになりました。会社を定年退職してから何かを始めても、決して遅くないことを教えてくれる快挙だと思います。何しろ、文化活動のプロである和歌の浦アートキューブ主催の事業となっているからです。
玉岡さんの凄いところは、自ら創作活動を行いながら、習いたいと希望する人に水彩画を教えている点にあります。プロであれば生徒を持ち技術を教えるのは当たり前ですが、玉岡さんは自分から生徒を募っているのではなくて、「習いたい」と希望する人に教えているのです。しかも「習いたい」と希望した現在の生徒は、これまでの玉岡さんの水彩画展を見て「こんな絵を私も書いてみたい」と思って志願している方々なのです。この事実が、作品を見て習いたいと思わせる作品を創作している玉岡さんの水彩画が魅力に溢れたものであることを知らせてくれます。
玉岡さんと懇談して気付いたことがあります。それは自分がこれまでの経験や学んで得た知識を惜しげもなく生徒に伝えていることです。「全て伝えたいと思っています」と話してくれたように、経験と知識を自分だけのものにするのではなくて、生徒が早く上達するように全てのノウハウを教えています。
それは「せっかく習いに来てくれている生徒さんは、早く上達したいと思っています。上達することで水彩画を描くことがもっと楽しくなりますから、その楽しさを味わってもらいたいと思っています」という理由からです。
生徒に教えるのですから、玉岡さんは常に新しい知識や技法の勉強をしています。就寝前には新しい水彩画の本を読み、最新の手法を学んでいます。また生徒に教えるために、その日に教えようと思っている絵を事前に描いていることも知りました。コップの絵を教えるためにはコップの絵を描いてみる。水車の描き方を教えるのであれば水車の絵を書いてみる。生徒に教えるためにそんなことを繰り返しています。
勿論、玉岡さんは教える前にコップや水車などの絵を書かなくても教えられます。しかし「教える前に当日のテーマとする絵を書くことで、教えるポイントの再確認ができます」ということから事前準備しているのです。
先生は分かっている技術でも生徒は分からないことがあります。事前に書くことで生徒が多分分かりにくいと思う点を確認できるので、その点を重点的に説明することができるのです。
この話を聞いて「玉岡さんの生徒さんは幸せだなぁ」と思いました。傍で奥さんは笑いながら「主人は毎晩寝る前に水彩画の本を読んでいます。たまに本を落とす音がするので、『あっ、寝たかな』と思います」と話してくれました。
玉岡さんのこの熱心さと真面目さが、今回の水彩画展につながっていると思います。17年間、熱心に真面目に続けてきたことが主催者に「もっとみんなに玉岡さんの絵を鑑賞してもらい、多くの人に知ってもらいたい」と評価されたように思います。
勇気をもらえるのは、定年した後に新しいことに挑戦していること。それを続けて水彩画展を開催するまでに至ったことです。新しいことへの挑戦は「できるかな」と不安が支配するので誰でも躊躇します。何かを始めても継続することは難しいので途中で止めてしまうことが多いのです。
そんな難しいことをやり遂げている玉岡さんの作品だから見る人の心に響くのです。若い頃から描いているのではなく、プロでもない玉岡さんの作品だから私達と同じ視点で題材を見つけ、同じ感性で描いているのです。和歌の浦の風景が描かれた水彩画展のポスターを見て、そう思いました。
今回の水彩画展では習い始めた頃から新作までが展示されると聞いています。作品の変遷を見ることで、玉岡さんの挑戦と継続するという強い力を感じることが出来ると思います。そこから「人生は挑戦することだ」という勇気をもらえると思います。
- 地域の狭隘な道路の今後の拡幅計画について調査しました。消防車や救急車の通れない地域の減少は地域の安全と安心につながります。今後の計画の進捗を見てまいります。
- 地域で迷惑になっている空き家への対応について協議を行いました。和歌山市でも空き家が多くなっていることから個別に対応を検討しています。所有者には近隣の迷惑になるような放置は止めて欲しいと思います。