お客さんからすると、最初に問い合わせたコールセンターの対応が企業の印象を決定付けることになります。最近、コールセンターの対応に関する話が多くなっています。その全てが苦情です。
「機械的な受け答えで配慮がない」、「企業が示す条件に適合していなければ希望やお願いなど何を言っても取り合ってくれない」、「全くお客さんと思っていない」、「つながるまでの時間が長い。対応してくれる人も実務を知らないので待たされる」などの意見です。
コールセンターの対応者はその企業の従業員ではなくて、外部委託を受けている会社の所属の人が多いと聞いています。そのため当該企業のこと知らない、企業への帰属意識がない、苦情があっても改善しようと思わない、と感じられる対応をしているようです。実際に、コールセンターに電話したことがありますが、皆さんからの意見のとおり、「電話がつながらない」、「実務を知らないため対応が遅い」、「土地勘がないので話が進まない」、「折り返して電話して欲しいと依頼しても対応してくれない」、「担当者を決めて欲しいと依頼しても、『電話に出た者が対応いたします』という答えで話が進まない」などイライラ感が増えました。コールセンターと話をしているとストレスが溜まるような気分になります。
コールセンターに関する苦情が多いことから、当該企業に対してお客さんからの苦情の内容を指摘しているのですが、あまり変化は見られません。
経営効率化や事務所の集約などによって、地方都市から全国展開の営業所や事業者が少なくなってきました。顔見える関係が、電話で話をするだけの顔の見えない関係へと変化してきています。
企業にとって、お客さんに商品やサービスを購入してもらえなければ存続の危機になります。しかし商品やサービスの提供に設備投資を伴うものは、新規参入が難しく、競争が少なくなっています。競争が少ないことから、コールセンターの対応が不十分でも代替品が限られていることから、その企業の対応に不満を持ちながらでも契約を継続しているケースが見受けられます。
代替品や同様のサービスを提供してくれる企業が現れた場合、取って代わられるような対応をしているコールセンターを持つ企業のシェアは確実に低下していくと思います。お客さんの声を聞かない、お客さんが不信感を覚える、お客さんが誰かに対応の不満に関する話をする。いずれも企業にとってマイナス評価で、その評判が広がります。
コールセンターの対応に関して同じような苦情が発生している場合、経営者はそれに気づき改善することが必要だと思いますが、改善という言葉は使うのは易しいのですが行動につなげるのは難しい言葉です。
お客さんの声を経営者まで吸い上げて改善できるしくみを整えることが、企業が大切にすべき経営方針であり企業文化だと思います。
和歌山県長期総合計画の策定作業が進んでいます。今週は何度も有識者会議が開催され計画に反映させる動きがあります。県民の皆さんの意見、県内外の有識者の意見、そして県議会の意見を今回策定する長期総合計画の中に反映させたいと思います。
本日、和歌山県長期総合計画に反映させる項目についての打ち合わせ会議に参加し議論を交わしました。
今回の長期総合計画は、平成29年度から10年後の和歌山県の理想の姿を描き目指そうとするものです。長期総合計画実現に向けた取り組みに必要なことは、計画と予算、そして組織です。この三要素を揃えることが計画実現のために必要なこととなります。そして計画実行の責任箇所、責任者を明確にすることを求めたいと考えています。責任の所在が記載しなければ、10年後どの部門が責任者なのか分からなくなるからです。責任体制のない計画は、書いて仕上げて終わりという運命にあります。責任箇所の明確化と年度ごとの進捗状況の確認は計画達成に向かうために必要なことですから、現段階から気をつけておきます。
そして長期総合計画は、政策と基本計画、事業実施へと展開していくことが求められます。理想を掲げた後は各部で実施すべき政策に落とし込み、その政策を実行するための基本計画を立て、予算化を図り事業実施へとつなげていく流れを生み出すことが必要です。
その流れの大前提が長期総合計画の策定ですから、今日の議論を基にして会派として意見を提言していくことにしています。行政改革・長期計画等に関する特別委員会委員として、議論と資料策定作業を進めていきます。
目指すべき姿を描いた後は実施計画を策定し、具体化していくことが必要です。実施計画は動きのあるものにすることが、長期総合計画を実のある計画にするために必要なことです。