県議会定例会の一般質問も三日目を迎えています。今日も4人が登壇し県政の課題について議論が交わされました。質疑を聞くまで気付かないこともあり、やはり複数の議員が日常活動をすることで新たな県政の課題に気付くことがあります。議員によって感じ方、捉え方、価値観が違いますから、それぞれの気づきの中から課題を発見し、調査し、議会での提言につなげています。それぞれの議員の価値観、活動の領域、時期などによって違った課題が出てきますから、地域ごとに県議会議員がいて活動をしていることは県として好ましいことだと考えます。
他の議員の一般質問を聞くことは、地域ごとの県政の課題を知ることになり勉強になります。
また昨日の一般質問で質疑を行った陸奥宗光シンポジウムの案内を皆さんにしています。今日、手持ちのシンポジウムのチラシは全数配布完了しました。当日、皆さんの参加をお待ちしています。
北海道に十勝バスというバス会社があることを聞きました。ローカル線のためお客さんが減り赤字経営だったのですが、V字回復し黒字化しているようです。
バス会社の幹部の方に、十勝バスにお客さんが増えた理由を教えてもらいました。社員が十勝のお客さん宅を訪問し「どうすれば乗ってもらえるか」の聞き取りやアンケート調査を行ったそうです。お客さんの声を聞いた結果を受けて、バスの運行を改善していったのです。最盛期から80パーセントもお客さんが減少していたのですが見事に回復させ、一気に黒字に転換できたようです。
経営に王道はなく、お客さんの要望を聞いてバスの運行に反映させたことが経営改善の理由でした。アンケート調査の凄いところは、十勝で暮らしているほとんど全ての方の自宅を訪問したことです。地道な取り組みが黒字化という結果へとつながっていったのです。
勿論、アンケート調査と共に、「どうか十勝バスを利用して下さい」と一軒一軒お願いをしたのは言うまでもありません。
そして路線バスに対して行政から運営補助金をもらっていたのですが、黒字化したことで補助金をもらわなくて経営できるようになっています。十勝の住民にとって路線バス会社への補助金支出の必要性がなくなったことは、行政コスト負担を減少させたことになります。自分達の町の路線バスの再生と、行政コストを減少させるという効果につながりました。企業再生、地域再生の観点から見習うべき点が沢山あります。
和歌山県も高齢社会に突入していることから、路線バスやコミュニティバスの必要性が高まっています。既存の路線バス以外のところを走るバスが必要な時期が訪れると思います。地域のみんなが利用すれば路線バスは維持できますが、「欲しい、欲しい」と言っても利用しなければ、存続できないか補助金頼みの経営に陥ります。多くの地方都市は人口減少に向かいますから、今以上の行政コスト負担は抑える必要があります。路線バスの経営と住民の利用に関して参考になる話を聞かせてもらいました。
専門的なことはプロに聞くと分かりやすく、また参考になります。知ることが行動の基礎になります。
「北海道に変わったデイサービスがありますよ」と教えてくれました。先日、このバス会社の人が視察に行ってきたのですが、北海道余市郡にあるデイサービスセンター「よいち銀座はくちょう」がその福祉施設です。何が変わっているかと言うと、昔キャバレーだった場所を当時の内装をそのまま活かしてデイサービスとして活用している点です。そのため午後2時30分から午後8時30分までをサービス提供時間とする夜間型のデイサービス施設となっています。
利用者のニーズに応え、よいち福祉会では「新しいデイサービスを提案しています」という話です。
この福祉施設は余市郡のニッカウヰスキー北海道工場の近くにあり、飲食店と間違ってドアを開けるお客さんもいるようです。「和歌山県にも高齢者が元気で集える余市のような夜型のデイサービスがあると楽しいですね」と話してくれました。郡外から視察に訪れる人もある、少し変わったデイサービスの話を聞かせてもらいました。和歌山県外で実施されている取り組みや住民サービスの事例は、自分達の地方自治体の役割を考える上で参考になります。